ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

春の雪

2011年03月07日 | 文学

  関東地方は春の雪。
 窓から外を見ると、幻想的な雪景色が広がっています。
 冬の最後の抵抗といったところでしょうか。

 雪が降ると必ず思い出す歌があります。
 「万葉集」のなかでも特に有名な歌。
 聖武天皇と藤原夫人の歌です。

 
わが里に 大雪ふれり大原の 古(ふ)りにし里に ふらまくは後(のち)

 聖武天皇の御製で、私の居る飛鳥に雪が降りましたよ、あなたのいる大原の古い里に降るのは、もっと後の事でしょう、といった、雪を自慢する歌です。

 これに対し、藤原夫人は、

 
わが岡の 龗(おかみ)に言ひて 落(ふ)らしめし 雪の摧(くだ)けし 其処に散りけむ 
 
 と、返しています。
 こちらの里の竜神に言いつけて降らせた雪のかけらが、そちらにちらついただけでしょう、という、敵対心をむき出しにした歌です。

 そこは気心が知れ合った夫婦のこと。
 雪を肴にじゃれあっているのでしょう。

 大体大原にしたって飛鳥にしたって、場所柄そんな大雪が降るはずないので、うっすら積ったくらいのものでしょう。
 それを大雪と詠う聖武天皇。
 無邪気に喜んでいるのでしょう。
 小犬のようですね。
 そしてそれに反論してみせる藤原夫人。
 夫婦の関係性がわかるようで、微笑ましくもあります。

 聖武天皇の時代は長屋王の変があったり、
藤原広嗣の乱が起こったり、大仏造営工事を断行したりと、気の休まる間がない忙しい日々であったろうと思います。

 そんな日々のなかで、のどかな和歌のやりとりを夫人と交わしていたことを知ると、なんだかほっとします。

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落城間近

2011年03月07日 | 社会・政治

 前原外務大臣が辞任とか。
 違法に献金を受けていたのであれば当然のことで、議員辞職、さらには訴追まで考えなければならないでしょう。

 偽メール事件を思い出しますね。
 あの時は当時の前原代表、今回と違ってなかなか辞任しませんでした。
 事件をでっち上げた永田寿康議員、辞職して職を転々とし、奥さんと別れて精神障害を発症、入院していた精神病院近くの駐車場で遺体で発見されました。
 自殺であったとか。
 当時まだ30代。
 東大を卒業して財務省に入省し、政界に転じたエリートでしたが、エリートゆえに挫折にはもろかったんでしょうかねぇ。

 最近の民主党、予算案採決を欠席する議員や減税日本に走る議員が出て、今度は看板大臣の不祥事。
 落城間近の城から、あるいは逃げ出し、あるいは勝手をやり、統率がとれずに右往左往している感じがします。
 殿様は目もうつろ、生気がなくなり、気鬱に陥ったかのごとくですが、地位への未練はたらたらで、首を差し出して城を救おうという気はないようです。

 ある米国人が、日本は政治がこんな状況になっても平穏を保っている素晴らしい国だ、と褒めているんだか貶しているんだかわからないコメントをしていました。

 騒いだって仕方ありませんしねぇ。
 民主党打倒のデモなんかしなくたって早晩倒れることはもはや必至。

 それより気になるのは予算関連法案です。
 こうなると中身はどうでもいいから可決の見通しだけでも立ててほしいところです。
 このまま引っ張り続けたら、国も地方自治体も自縄自縛に陥ってしまいます。

 23年度予算関連法案が24年の3月31日に成立してその日に示達してその日に政府調達や入札の事務をしてその日に納品されて出納整理期間に支払いするなんてブラックジョークみたいなことにならないようにしてほしいものです。

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東京ガールズコレクション

2011年03月07日 | その他

 昨日BSで東京ガールズコレクションを中継していました。
 日本のみならず、世界25カ国で中継されたとか。
 ファッションは新しい日本の成長産業になるかもしれませんね。

 それにしてもなぜ、東京ガールズコレクションはこれほどまでに内外の若い女性を熱狂させるのでしょうか。
 私は退屈を感じながらも、その謎を解明すべく、画面に食い入りました。
 
 まず感じたことは、モデルが笑顔を浮かべて生き生きとしていること。
 一般にファッションショーというと、無表情でマネキンのようなモデルがつまらなそうに出てくるイメージがあります。
 次にファッションがあまり奇抜ではなく、街で着ていてもさほど違和感がなさそうなこと。
 これまでは宇宙人か、と思うような珍妙なファッションを披露する場合が多く、実用より芸術性を重視していたように感じます。
 そして山手線の通勤時のような混雑ぶりで、会場が狂騒的なお祭り騒ぎになること。

 そういったあたりでしょうか。
 
 それにしてもファッションモデルというものは、概してあまりにも細く、鑑賞用としてはともかく、実用には向きませんね。
 なんだか中性的で、美少女なんだか美少年なんだかわかりません。
 実用にはもう少し肉付きが良くないと、その気になりません。
 それが証拠に、男性ファンが多い少女アイドルはモデルに比べ太いです。

 女性が憧れる体型と男性が魅力を感じる体型では違うようです。
 
 いずれにしろ暗い話題が多いこの頃、久しぶりに元気な日本を見ることができました。

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