京都大学の中西寛教授が某新聞で、今、世界はG0の状況になりつつある、と危機感を募らせていました。
サミット参加のG8でもなく、新興国を加えたG20でもなく、米中のみで世界秩序を維持するG2ですらなく、G0だ、と。
つまり世界は制御不能。
ツイッターやフェイスブックをはじめとする高度に発達した情報手段が国家による情報統制を不可能にし、結果として世界の操縦士はいなくなった、というのです。
中東や中国などの独裁国家だけでなく、内部告発サイト、ウィキリークスの登場によって、米国をはじめとする自由主義諸国も、ダメージを受けています。
かつて第4権力と言われたマスコミでさえ、インターネットを使った各種サービスによる個人の直接投稿という速報性に敵いません。
最新のニュースは、かつては号外で、次にラジオで、その後テレビで知るようになり、その後インターネットのニュース速報となり、今では各個人が直接発するツイッターやフェイスブックから最新のニュースを知る状況になってしまいました。
情報の重大さをこれほど思い知らされ続けた数年間はなかったでしょう。
私たちはもはや情報革命前の時代には戻れません。
かといって、情報革命中の新しい倫理規範や行動規範はまだできていません。
当分できないでしょう。
昨夜観た「2012」は地球の大規模な地殻変動が原因で起こる悲劇を描いていました。
自然の猛威は、悲劇でしかありえません。
しかしみずから開発した道具が原因で世界が混乱するとしたら、これは悲劇的な喜劇としか言いようがないでしょう。
私たちはいつまでG0という危うい世界を渡って行かなければならないのでしょうね。
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