ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

G0

2011年03月10日 | 社会・政治

 京都大学の中西寛教授が某新聞で、今、世界はG0の状況になりつつある、と危機感を募らせていました。
 サミット参加のG8でもなく、新興国を加えたG20でもなく、米中のみで世界秩序を維持するG2ですらなく、G0だ、と。

 つまり世界は制御不能。
 
 ツイッターやフェイスブックをはじめとする高度に発達した情報手段が国家による情報統制を不可能にし、結果として世界の操縦士はいなくなった、というのです。
 
 中東や中国などの独裁国家だけでなく、内部告発サイト、ウィキリークスの登場によって、米国をはじめとする自由主義諸国も、ダメージを受けています。
 
 かつて第4権力と言われたマスコミでさえ、インターネットを使った各種サービスによる個人の直接投稿という速報性に敵いません。
 
 最新のニュースは、かつては号外で、次にラジオで、その後テレビで知るようになり、その後インターネットのニュース速報となり、今では各個人が直接発するツイッターやフェイスブックから最新のニュースを知る状況になってしまいました。

 情報の重大さをこれほど思い知らされ続けた数年間はなかったでしょう。
 私たちはもはや情報革命前の時代には戻れません。
 かといって、情報革命中の新しい倫理規範や行動規範はまだできていません。
 当分できないでしょう。

 昨夜観た「2012」は地球の大規模な地殻変動が原因で起こる悲劇を描いていました。
 自然の猛威は、悲劇でしかありえません。
 しかしみずから開発した道具が原因で世界が混乱するとしたら、これは悲劇的な喜劇としか言いようがないでしょう。

 私たちはいつまでG0という危うい世界を渡って行かなければならないのでしょうね。

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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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金子国義の魔道

2011年03月10日 | 美術

 私は高校生の頃、サド侯爵の狂気じみたアンチ・キリストの文学作品に熱狂しました。
 それはことごとく後にサド裁判で有罪となる渋澤龍彦訳のもので、金子国義の挿絵が挿入されていました。
 当然のように、私は金子国義の絵画作品にも熱狂することになります。

 
「かもめ」です。

 
妖しいエロティシズムが感じられます。

 
「悪徳の栄え」です。

 アンチ・キリストの象徴でしょうか。

 「火の番をする女」です。

 嫌になってきましたか?


「股のぞき」です。

最後に最も有名な、「アリスの画廊」です。


 サド侯爵の文学同様、濃い感じの作品群で、それは幻想的ともユーモラスとも感じられます。
 
 私はこの魔道へ足を踏み外しそうになりましたが、大学入学後、嫌と言うほど古文漢文を勉強させられ、魔道に落ちることはありませんでした。
 
 しかし今でも時折、魔道への誘惑に囚われることがあります。
 そんな時は逆に、思いっきり魔道へ導く書物や絵画に触れることにしています。
 そうすると、くどい料理はすぐ飽きるのと同様、飽きてくるのです。

 そういえば渋澤龍彦は稲垣足穂をわが魔道の先達とよんでいましたっけ。
 稲垣足穂「少年愛の美学」で日本文学大賞をとり、不本意だったようですが、メジャー作家になってしまったのでした。

OIL PAINTINGS―金子国義油彩集
金子 国義
メディアファクトリー
金子國義の世界 (コロナ・ブックス)
金子 國義,平地 勲
平凡社
よこしまな天使 (Asahi Art Collection)
金子 国義
朝日新聞社
少年愛の美学―稲垣足穂コレクション〈5〉 (ちくま文庫)
萩原 幸子
筑摩書房
一千一秒物語
たむらしげる
ブッキング
A感覚とV感覚 (河出文庫―稲垣足穂コレクション)
稲垣 足穂
河出書房新社

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ゆすりの名人

2011年03月10日 | 社会・政治

 米国務省日本部長で元沖縄総領事のケビン・メア氏が沖縄をゆすりの名人、と評したことが問題になっていますね。
 その他にも日本国憲法9条を変える必要はないし、変わるとも思えない、改憲で日本は米軍を必要としなくなり、米国にとってはよくない、と言ったとか。
 つまりいつまでも日本は米国の軍事的属国であってほしいということでしょう。

 戦後、吉田ドクトリンという国防政策を一貫してわが国は維持し続けました。
 軽武装、経済重視で、防衛は日米安保つまり米国に頼り切る、という政策ですね。
 これが奏功して、経済大国だけどふさわしい軍事力は持たない、という国の形が今も続いています。
 非武装中立を叫んでいた社会党でさえ、村山冨市総理誕生の際には吉田ドクトリンを踏襲し、一部から左翼政権などと揶揄される民主党政権もこれを維持しています。

 改憲論者で有名な中曽根元総理も安倍元総理も日米同盟を堅持することを明言していました。

 つまり右も左も防衛は米軍に頼ることを前提としているわけです。
 吉田ドクトリンというのはそれほどわが国にとって素晴らしい政策だったのでしょうかねぇ。
 当の吉田茂自身、日本の安保政策をこれほど長く支配し続けるとは考えていなかったのではないでしょうか。 

 そんな中、メア日本部長の発言が飛び出しましたが、これは公式にはともかく、実際は米国の本音だろうと思います。
 守ってやるから基地と金だけ寄越して大人しくしていろ、ということでしょう。

 メア日本部長の発言が報道されたことを受けて、上司であるキャンベル国務次官補が慌てて日本にやってきて頭を下げるなんて、本音を見透かされて自主防衛に走ったら困っちゃう、というのが見え見えです。

 日米同盟を堅持するのは良いとして、あんまり堅持します、と言わないほうが良いんじゃないでしょうかねぇ。
 日本はいつでも改憲して自主防衛を目指す準備がある、という態度を米国にちらつかせるのは、わが国の利益に資すると思うのですが。
  実際に東京に核弾頭が落とされたとして、米国はニューヨークやワシントンを核の危険にさらしてまで報復攻撃するんでしょうかねぇ。
 甚だ疑問です。

 
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