ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

アカシック・レコード

2011年03月22日 | 思想・学問

 世に、アカシック・レコードなるものの存在を主張する人がいます。
 つまり、この世のありとあらゆるものが予めシナリオのように記録されており、それがアカシック・レコードだというのです。
 エドガー・ケイシ―などの霊能者が、このアカシック・レコードにアクセスし、記録の一部を読みとったと主張しています。

 元は、神智学協会のマダム・ブラヴァッキーや、後に神智学協会を離れて人智学協会を設立したルドルフ・シュタイナーなどが、この世の出来事は記録されている、つまり過去の出来事がアカシック・レコードによってありありと眼前に見ることができる、と主張したもので、未来のことにまでは言及していません。
 シュタイナー「アカシャ年代記より」で、驚くべき知見を表明しています。
 例えば、当時月は宇宙の塵が集まってできた、と考えられていましたが、シュタイナーは地球の一部が欠けて飛び出て月ができた、と示しました。
 そして現在、地球に巨大隕石が衝突して地球の一部が飛び出して月ができたという考えが、天文学者の間では有力になっています。

 しかし問題は、アカシック・レコードにアクセスできる、と称して詐欺まがいの商売をしている人が存在することです。
 占いならば、当たるも八卦当たらぬも八卦で、話半分に聞くことができますが、アカシック・レコードが未来のことまで記録されたシナリオもしくは予言だとすると、ことは占いでは済まなくなります。

 私は、それを何と名づけるかは別にして、過去の様々な出来事を詳細に記録した霊的媒体が存在していてほしいと考えています。
 人は生きた証を求めるもの。
 それが霊的に存在すると考えるだけで、心躍り、なんとなく安心します。

 しかし、シナリオが予め決められており、そのとおりに生きていると考えることには、非常な抵抗を覚えます。
 それでは人間の精神の運動である学問や芸術、権謀術数が、つまらないものになってしまいます。

 何が真実であるかは、おそらく未来永劫、人間にはわからないでしょう。
 それならば功利主義的に考えて、人間が望ましいと思える考えを採るのが、有効なのではないでしょうか。

アカシャ年代記より
高橋 巌
国書刊行会
エドガー・ケイシーのアカシック大予言
浜野 永三,Mary Ellen Carter,大自然界
たま出版
H・P・ブラヴァツキー夫人―近代オカルティズムの母 (神智学叢書)
田中 恵美子
神智学協会ニッポンロッジ

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