●参院選 公示 主要11候補第一声(東京都)
東京 2013年7月5日
四日公示の参院選東京選挙区(改選数五)には、二〇一〇年の前回より四人少ない二十人が立候補し、十七日間の舌戦が始まった。投票は二十一日で、即日開票される。
現職二人を抱えた民主党は、公示二日前に公認候補を一人に絞ったが、公認を取り消された現職も無所属で立候補。実質的な分裂選挙となった。
自民党は比例代表からの転身を含む現職二人が立候補した。六月の都議選で擁立した五十九人全員が当選。東京選挙区で二人当選なら、二十七年ぶり。連立与党の公明党は党代表の一議席を守る戦い。
現職が比例代表に転出したみんなの党は新人が議席確保を期す。都議選で議席が倍増した共産党は〇一年以来、十二年ぶりの議席獲得を狙う。参院選初挑戦のみどりの風や日本維新の会も新人候補を立てた。
(上から届け出順)
◆大河原 雅子(おおかわら まさこ)さん(60)無現
生活者の視点続ける
私は生活者の視点で政治課題を幅広く取り上げてきた。これまでの政策をさらに進めたい。グローバル化や経済最優先だけではこの国は助けられない。
海外の投資家や企業、株主ばかりをターゲットにしたアベノミクスに、格差是正は含まれていない。しかし、日本は貧困問題が深刻化している。自殺者は年間三万人を割ったが、二十代の自殺は増えている。グローバル化のひずみで若者が希望を失わないように、皆さんの一票ででまかせのアベノミクスを退治してほしい。
誰かの被ばくを前提にしないと成り立たない原発はゼロにしないといけない。新しいエネルギー、産業を生み出し、世界に貢献する国になることを目指すべきだ。
◆中松 義郎(なかまつ よしろう)さん(85)無新
党でなく個人選んで
衆院をチェックするのが参院の機能だ。党ではなく、優秀な個人を選ばないと元来の参院選の意味がない。
日本は大変な財政赤字だ。頭のいい政治家が国政に携わらなくては、日本は赤字会社のようにつぶれてしまう。外交に強いことも重要だ。強い外交をするには、外国から尊敬される人が外交をしなくてはいけない。
さらにクリエーターとして、何でも新しくつくる能力のある人が政治をやらないと、新しい産業やビジネスはできない。国益だけでなく歴史や文化を踏まえ、国のために考える人でもあるべきだ。
以上、「頭がいい」「外交に強い」「クリエーター」「国のために思う」という四つを備えているのは中松義郎しかいない。
◆丸子 安子(まるこ やすこ)さん(45)ミ新
原発事故見過ごさぬ
私は3・11まで普通の母親だった。地震、津波、原発事故。あのショック、胸に残るトゲを、痛みのままで終わらせたくない。
原発事故による放射能で、お母さんや子どもたちは今も不安がっている。もう見過ごしたくない。なかったことにしたくない。
私はこの二年間、さまざまな脱原発の活動をしてきた。国会を傍聴し、議員に会い、署名やお願いをしてきた。でも、変わらなかった。だからこそ、私たち一人ひとりの参加によって変えていきたい。一人ひとりが夢や希望を持っている。子どもたちにもっと大きく夢や希望を描いてもらいたい。
皆さんの思いを、私を通して議会に届けさせてほしい。皆であきらめずに頑張りたい。
◆山口 那津男(やまぐち なつお)さん(61)公現
国会のねじれ解消を
国会のねじれ解消が大切。国民は政治の安定を求めている。政治に落ち着きがなさ過ぎた。地に足を着け、難しい課題を解決することが国民の願いだ。
連立政権で経済再生と被災地復興のスピードアップに取り組んできた。経済再生は効果を表しつつあるが、手元に届いていない。実感できる景気回復を目指す。復興は道半ばで首都直下地震、南海トラフ地震も心配。防災・減災に取り組む。
社会保障を続けるため、消費税増税は避けて通れないが、「生活必需品は軽い税率に」というのが生活者の本音。軽減税率を訴えているのは公明党だ。
党代表とは知っていただいているが、東京選挙区の候補者としては知られていない。力を与えてほしい。
◆武見 敬三(たけみ けいぞ)うさん(61)自現
熟年パワー引き出す
高齢化する社会の中で熟年パワーを引き出し、老若男女がともに働き、支え合う、誰もが安心して暮らせる社会を実現していく。世界に冠たる健康長寿社会を実現したい。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」は第一・四半期、確実な経済成長を達成し、大きな役割を果たし始めている。これを確実なものにするためにも参院選は大事な戦いだ。
昨年末の衆院選大勝と安倍内閣の誕生で、世の中が変わった。六月には都議選で全員当選し、自民の基盤は確実になってきた。この参院選でねじれを解消したい。
私は経済と社会に活力を取り戻すために、あらゆる努力を払う覚悟。それが私の使命だ。ぜひ議席を与えてほしい。
◆小倉 淳(おぐら じゅん)さん(55)維新
良識の府を立て直す
テレビ局で二十五年アナウンサーをやった後、大学で教えてきた。学生たちは「選挙に行っても何も変わらない」と世の中にあきらめすら感じている。苦労して就職しても年収二百五十万円ほどで、結婚できないと言っている。いつからこんな国になったのか。
日本は三十年間、負のスパイラル(連鎖)にいる。日本を変えるには、まず国会を変えなきゃだめ。ねじれ国会で何も決まらないと言われるが、参院が衆院のやったことをそのままカーボンコピーするだけでは、意味がない。良識の府として参院を立て直す。
改革の実績がある首長が集まった維新の会だから一緒にやっていける。メンバーを一人でも多く参院に送ってほしい。
◆丸川 珠代(まるかわ たまよ)さん(42)自現
政権安定へ総仕上げ
六年間、多くの皆さまに育ててもらい、二度目の選挙に挑戦できることを心から感謝する。都議選で自民党は史上初めて五十九人全員が勝った。しかし、安倍政権が安定基盤を勝ち得る最後の仕上げである参院選に勝たなければ、都議選で勝った意味もなくなる。
日本は三年四カ月の政治の停滞を経験した。もはや選択肢は二つしかないと思う。
安倍内閣がアベノミクスに成功し改革を進め、もう一度、世界で輝く、尊敬される国になるのか。それとも、仕事を果たすことができず、自分で自分の問題すら解決できない国として、世界の片隅で悩みを抱えることになるのか。
その分かれ目が、これから始まる選挙戦の結果だと思っている。
◆吉良 佳子(きら よしこ)さん(30)共新
ブラック企業なくす
働く人を使い捨てにする社会を変えたい。何よりも許せないのは「ブラック企業」の問題。正規社員だった男性の話を聞いた。休みもとれず、長時間労働や深夜残業を強いられたのに、給料は手取りで月数万円の時もあった。
こういうひどい働かせ方をやめさせたい。「アベノミクス」より賃上げを。働く現場の実態を国会に届け、最低賃金を千円以上にする。国民の声がまっすぐ届く政治をつくるため、全力を挙げる。
消費税増税、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)の進展、憲法改悪がかかる正念場の選挙。共産党は、安倍晋三政権の暴走に対案を示し、真っ正面から対決している。参院選は国民の力で政治を変えるチャンスだ。
◆桐島(きりしま)ローランドさん(45)み新
グローバルな視点で
日本に代々続く文化や伝統を世界に広めたい。米国の大学を出てカメラマンとして活動していたが、「日本を知らない」と思い、三十歳の時にオートバイで全国を回り、地元の人たちと触れ合った。海外生活の長い自分だからこそ、日本をグローバルな視点で見ることができる。
政府は「クールジャパン」と名付けて日本のアニメやアイドルを海外に売り出すが、もっと若手デザイナーやクリエーターが育つ仕組みが必要だ。
不況とはいえ、これだけインフラが整い、まじめな人がいる国は世界にない。でも、報われているかどうか。なぜ「幸せでない」という人がこんなにいるのか。日本を変えるには、自分みたいな人間が役立つと思う。
◆鈴木 寛(すずき かん)さん(49)民現
政府の暴走に歯止め
民主党に大変な逆風が吹き、厳しい言葉をかけられることもあった。そんな中で、公認候補の一本化の話を聞いた。同じ党の仲間で心が痛んだ。
今の政府になり、憲法改正の議論が世の中を跋扈(ばっこ)し、経済政策ばかりが優先される。福島の原発事故はなかったかのようだ。こうした政府の暴走に歯止めをかけるのが、私の一番の使命だと思う。必ず国政に戻り、日本の民主主義を守るため、全身全霊で取り組む。
何よりも子どもたちの未来を守りたい。どんな家に生まれても、どんな地域に育っても、すべての子どもたちに学ぶチャンスを与えたい。彼らが「日本に生まれてよかった」と思える日本をつくりたい。
◆山本 太郎(やまもと たろう)さん(38)無新
原発問題白黒つける
今も原発を続けようと思うことが、理解できない。原発事故の影響がはっきり伝えられていない。どうして国会ではっきり言う人がいないのか。ぼくは被ばくしたくない、愛する人にも被ばくしてほしくない。
東京は福島から約二百キロしか離れていない。汚染していないといえるのか。どこが安全でどこが危険なのか、食品は安全なのかどうかをはっきりさせたい。命がかかっている。だから(住んでいる)東京から立候補しようと考えた。
TPPはこの国を売り渡すもので反対だ。一番力を持つのは消費者であり、有権者のはず。行動力のあるぼくを国会に送ってほしい。しがらみのないぼくに国会で本当の事を言わせてほしい。
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