Music Storage

2007年07月22日 | 佐野元春 Radio Days

■Music Storage
2007年7月22日(日) TOKYO FM(fm osaka) 0:00-0:30
DJ:行達也, KOTOKO
GUEST:佐野元春

Playlist
Wild Hearts
君が気高い孤独なら
荒地の何処かで
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■内容の一部を抜粋
・ソングライター
アルバム『Cafe Bohemia』を出した頃からあまり成長してないと話す元春。
元春「ロックンロール音楽に向かう気持ちとか、それから演奏している時の感じとか、ソングライティングの感じとかね、今でも26、27歳頃の自分にすぐ帰れるというか、ワープできるというかね、ソングライターというのは面白いなと思います。曲を書く中で自分が何歳にでもなれちゃう。舞台でも自分が18際の頃に書いたロックンロール曲を歌うと、なんか18歳になっちゃったような気になる(笑)」
KOTOKO「それはでも、今、佐野さんは簡単に仰ってますけど、誰でもできることではないかなって思いますけどね~」
元春「逆にね、僕は曲の中で自分より年上の人を主人公にして書くこともあるんです。その場合には、その人に成り代わるということではないんだけれども、その人の気持ちにたって歌いますから、やっぱり時間を越えますよね。ソングライターというのは面白いなってつくづく思います(笑)」
行「表現者として、以前に、まずそうやって作るところから...」
元春「ソングライティングだけは自分のいちばん得意としているところなので、過去と同じものを作り続けるのではなく、いつも僕のファンの人たちに新しい何かを感じてもらえるような曲を作りたい、ここだけはきちんと言ってます」

・できるだけよいオーディオでラウドに
行「(6月13日発売ニュー・アルバム『COYOTE』には)[できるだけよいオーディオでラウドに聴いてほしい]というメッセージがありますけれどね」
元春「僕なんかもiPodは使うんだけれどね、どうしても耳に装着して聴くというリスニング・スタイルが流行ってて、それはそれでいいんだけれども、でかいスピーカーで空気に震えた音も最近聴きたいなと。でかい音ってそれだけでメッセージがあると思うんですよ。そこで何が歌われてるとかを超えてね、音自体にすごいメッセージがあるんで、バカでかい音で聴きたいな(笑)」
行「ははは。なかなか住宅事情でね、難しかったりするんですけどね」
元春「僕たち、レコーディングの現場ではね、僕たちの演奏を出来るだけいい音で録音して、工夫に工夫を重ねて、サウンドを作ってるんですね。上手に音をミックスして。今回もマスタリング・エンジニアはニューヨークのテッド・ジャンセンという本当に確かな腕を持ったマスタリング・エンジニアに依頼して、僕のファンにはホントに第一級のよいサウンドを聴いてもらいたいと工夫しているので、できるだけ、iPodもいいんだけれども、別のよいオーディオ機器があったら爆音で聴いて欲しいなっていうのは、僕の気持ち(笑)」
KOTOKO「なるほど~。その録音した時の空気感も感じるような...」
元春「そうそうそうそう。音自体にメッセージがあるので、言葉の意味も、メロディーも大事なんだけれども」

・バンド
元春「深沼くんがひとつのキーになっているんじゃないかな。今回こうした仕事ができる前に、深沼くんがメロウヘッドというプロジェクトで1曲僕に持ってきたんです。『エンプティー・ハンズ』という曲をね。で[佐野さんにも歌ってほしいんだ]ということでデモ・テープ聞かせてもらって。その楽曲がすごくよかった。リリックもよかったし。深沼くんの佐野元春音楽への真摯なリスペクトみたいなものを感じさせてもらって、素晴らしいなと思ったんだよね。僕も個人的にプレイグス大好きだし、深沼くんのゴキゲンなロックンロール、ハイトーン・ヴォイスだよね、それと彼の書く乾いたリリックも個人的に好きということで、自然な形でそのコラボレーションはレコードになったんです。『エンプティー・ハンズ』ですね。それがやっぱりきっかけかなって最近思ってますね」
行「前にね、深沼さんがゲストでこの番組に出ていただい時も、佐野さんへの思いを熱く語っていただいて」
元春「そうですか」
行「バンド名って別にこれないですよね?」
元春「今のところね。ないんですよ。そういえばそうなんですよね」

・君が気高い孤独なら
元春「"Sweet Soul, Blue Beat"ってレコーディングの時、すごく楽しかったんだけれど。片寄くん、それから小松くんと深沼くんとか、最近ステージで一緒にやってるフィーメイル・バッキング・ヴォーカルのTTシスターズとか、みんな集まってゴキゲンに歌ってくれた」
KOTOKO「ちょっと雑誌のコメントを読ませていただいたんですけれど、深沼さんが[佐野さんと音楽をやってるとかわいくなれるんだよね]というコメントを目にしたんですけれど...」
元春「ふふふ。よくわかんないね。それは」
KOTOKO「この曲を聴いてるとすごくその意味がわかってくる感じがしましたね。本当に音楽が好きで続けられてるんだなって思いましたね」
元春「音楽というか、ロックンロールだよね。十何歳かの時に触れてパッと発情しちゃってね。それからずっと発情しっぱなし、ロックンロールに。それがたぶん片寄くんとか深沼くんとか、今回このレコーディングに参加してくれたね、ミュージシャンたちもみんなどっかでそうだと思うんですよ。今の曲でも"Sweet Soul, Blue Beat"って、これは僕の中ではロックンロールの本質ですね。"Sweet Soul"というのはポップな状態。"Blue Beat"っていうのは反逆だよね。"ポップ&反逆"、これはロックンロールの本質なんだよね」
KOTOKO「あぁ、なるほど~。ポップな要素も含まれて、やっとロックなんだ」
元春「反逆だけでも駄目だし、ポップだけでも駄目だしみたいな(笑)」
KOTOKO「それは目から鱗という感じがしますね」
行「大衆性あっての音楽だから、そこは確かにそうですよね」

・DaisyMusic
元春「4年目だね。一作目が『THE SUN』。これはレーベルを発足してドタバタの中で出したアルバムだったので、それはそれでいいんですけども。今回のこの『COYOTE』というアルバムがレーベルからの真の第一作目のような気がしてます」
行「そもそも独立レーベルという形でやろうと思ったのはなんでなんですか?」
元春「そうですね。僕は1980年にレコーディング・アーティストとしてメジャー・カンパニーと契約して、それから随分長い間、メジャー・カンパニーでやってきた。'80年代、'90年代と。レコード・ビジネスも面白かったよね、'80年代とかね。だからメジャー・カンパニーとやっていても楽しいことがいっぱいありました。しかし、最近になって2000年ぐらいに入ってから、メジャー・カンパニーは少し手詰まりになってきている。レコード・カンパニーが誰かアーティストを見つけてきて、デベロップして世に売り出すというのは、これはもう古い業態のレコード・カンパニーだと思うんだよね。僕は新しいレコード・メーカーのイメージというのは、割とみんなスモールなんだけれども、それぞれすごく充実しているレーベルがたくさんあって、基本的には独立独歩で行くんだけれども、必要な時にはユナイテッドするっていう。そこでベテランも新人も等しくデベロップされてゆくという、そういうイメージを描いているんです」
行「なるほど。レーベル自体を大きくしていこうとか...」
元春「資本的に大きくしていこうというつもりは全然ないです。それはもう旧来のレコード会社の在りようなんだよね。それでうまくいってきているかというと、冷静にみて結局うまくいってない。そしてリスナーのほうも随分聴き方が変わってきているよね。お店行ってレコードを買うだけじゃなくて、今ではダウンロードして音楽を聴くといったように。リスナーのほうで聴く環境が変化してるんだとしたら、レコードを作る側、音楽をデリバリーする側もどんどんフットワーク軽く変わっていく時代だと。残念ながらメジャー・カンパニーはあまりにも大き過ぎて、フットワーク軽くできない。自由に楽しくというのが原則ですね。そして音楽を欲している人のところに、彼ら彼女らが欲している音楽をきちんと届けるというのが、最終的な役割だと思っています」

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