2015/10/06 OnAir - 私のメインストリーム宣言 #2
01.Eagles:Take It Easy
02.Van Morrison:Domino
03.Steely Dan:Dirty Work
04.Alabama Shakes:Shoegaze
05.Los Lobos:Made To Break Your Heart
06.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:バイ・ザ・シー
07.佐野元春 & ザ・コヨーテバンド:境界線
08.Gabe Dixon:Holding Her Freedom
09.U2:Beautiful Day
10.Phil Collins:Going Back
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■内容の一部を抜粋
佐野元春 : こんばんは佐野元春です。この番組は東京赤坂TBSのスタジオからお届けしています。先週、第一回目が終わってたくさんのみなさんからメールをいただきました。ありがとうございます。来年3月までの期間限定の放送となりますけれども応援をよろしくお願いします。さて、季節はすっかり秋ということでみなさんはどんなふうに過ごしてますか? 僕は今頃になってなんとなく夏の疲れが来てるんですよね。今夜はそんなダウナーな気持ちをちょっと引きずりつつ、でもグッとくるレコードをたくさん用意してきました。みなさんと一緒に楽しんで行きたいと思います。火曜の夜はMotoharu Radio Show。DJ、佐野元春でお送りします。
・Take It Easy
1972年に発表されたイーグルスのデビュー曲「Take It Easy」。イーグルスのグレン・フライとソングライター、ジャクソン・ブラウンの共作。「カントリー・ロックの名曲と言っていいと思います」と元春。
・Domino
ヴァン・モリソンの'70年代のヒット・レコード「Domino」。「いい感じですよね。まぁ、Radio Showではこのヴァン・モリソンのレコードよくかけています。イギリス、北アイルランド出身のミュージシャン、現在70歳です。じぶんもミュージシャンなのでよくわかるんですけれども、ヴァン・モリソンのソングライティング、そしてヴォーカルとバンドの演奏。どれを取ってみても最高です。ただ残念なのはまだ一度も日本に来てライヴをやってないんですね。聞くところによると、飛行機が嫌いであまり国外のコンサートとはやらないという話です。そうであれば仕方がないのかもしれませんけれども、個人的には是非観てみたいアーティストの一人です」と元春。
・Dirty Work
スティーリー・ダンの「Dirty Work」。
佐野元春 : スティーリー・ダンも僕が大好きなバンドのひとつ。ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーのふたりがやってます。やはりブルースが基本の音楽なんですが、そこにジャズやR&Bのフィーリングを加えて、とてもモダンな音楽になってます。それと僕のアメリカの友人も言ってたんですが、リリックですね、歌詞がとっても面白いです。先ほど聴いてもらった「Dirty Work」という曲もフックのところではこんなことを言ってます。「君のその汚れた仕事にはもう手を貸したくないよ」、世の中そんなふうに思ってる方、きっとたくさんいるんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?
最近の音楽から元春が気になってるレコード。ひとつがアラバマ・シェイクス、そしてもうひとつがロス・ロボス。それぞれ新しいアルバムが出ている。アラバマ・シェイクスは5年くらい前にデビューした新しいバンドで、ここ最近のバンドの中で元春が個人的にいちばんピンときているバンドだとか。ソングライターでギタリストの女性、ブリトニー・ハワードを中心にした5人編成のバンド。ブルースを基本にした渋い音楽だが、2013年のグラミー賞で新人賞と最優秀ロック演奏賞で候補にあがった。ロス・ロボスには5年ぶりに出した新作『Gates Of Gold』からリクエストも来ている。ロス・ロボスも魅力的なバンドでメンバーはメキシコ系アメリカ人で5人編成のバンド。基本的にアメリカのルーツ音楽やメキシコの音楽が土台にあり、ときどき新しい試みを入れたりして、ちょっと不思議なバンド。
・Shoegaze
・Made To Break Your Heart
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
佐野元春 : 今夜はみなさんにちょっと聴いてもらいたいレコードを持ってきました。つい三ヶ月前になるんですが僕の新しいアルバムが出ました。タイトルは『Blood Moon』。先週に続いてこのアルバムから何曲か聴いていただきたいと思います。
ここ10年くらいコヨーテバンドと一緒にやってます。メンバーはドラムスが小松シゲル、ノーナリーヴスのドラマー。ベースは高桑圭、元グレート3、現在、カーリージラフとしてやってます。ギターは深沼元昭、元プレイグスですね。現在、メロウヘッドでやってます。最近ではchayという女性シンガーが注目されてますけれども、そのchayのプロデュースを手掛けて活躍しています。もうひとりのギターは藤田顕。バンド、プレクトラムのメンバー。そしてキーボードは渡辺シュンスケ。主にシュローダー・ヘッズというバンドで活躍しています。みんなソングライティングもするし、演奏もしてプロデュースもするというスーパー・バンドですね。全員、血液型O型、僕だけB型というちょっと珍しい構成なんですけれども、僕ら結束すると物凄く大きな力を出します。そんな連中たちと作った、これが僕ら3枚目に当たるスタジオ・アルバムですけれども、アルバムのタイトルは『Blood Moon』。すごくいいアルバムなので是非、多くの方に聴いていただけれたらなぁと思っています。では新しいアルバム『Blood Moon』から2曲、このアルバムはアナログ盤も出しているので今夜はそのアナログ・レコードの音で聴いてみてください。「バイ・ザ・シー」そして「境界線」2曲続きます。
・バイ・ザ・シー
・境界線
現在、全国ライヴハウスでのサマー・ツアー真っ只中の元春とコヨーテバンド。「今夜は青森でのライヴが終わったところになりますね。明日は埼玉でやります。チケットを持ってる方、是非、楽しみに待っていてください。そして年末12月から来年3月までは35周年アニバサリー・ツアーとして全国主要都市のホール・ツアーがあります。35周年のメモリアルなコンサートになるので是非、みなさん集まってください」と元春。
今、レコードが売れなくなってるので、レコーディングするミュージシャンは資金不足で悩んでる人が多いという。「プレッジ・ミュージック」という仕組みは画期的でリスナーからファンドを募って作品を作る。言ってみればファウンドしてくれた人たちは株主なので、アーティストはその株主に心のこもった贈り物をする。「芸術ごとというのは昔からパトロンがいて成り立っていた時代もありました。案外このプレッジ・ミュージックという仕組み、これから世界的に広がってゆくような気がします」と元春。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。radikoを使って全国どこででも聴くこともできます。詳しくはインターネットradiko.jp プレミアムで検索してください。
http://radiko.jp
・Holding Her Freedom
リスナーからのリクエストはプレッジ・ミュージックという仕組みで作品を作ったゲーブ・ディクソンの「Holding Her Freedom」。
・Beautiful Day
「この季節、秋晴れ、気持ちいいですよね。明日是非、晴れることを祈って、U2。ダニエル・ラノワのプロデュース、曲はBeautiful Day」と元春。
火曜の夜はMotoharu Radio Show。番組ではみなさんからリクエストをお待ちしています。聴きたい曲があれば是非リクエストをお寄せください。宛先はメール・アドレス mrs@tbs.co.jp 。
佐野元春 : 誰にでも自分にとってのメインストリームの音楽というものがあると思います。僕にとってメインストリームの音楽。それは聴いたときからずっといつまでも心に残ってる曲のことです。次に聴いてみたいこの曲。オリジナルはキャロル・キング。'60年代にザ・バーズが歌ってヒットしました。そうですね、この曲はとってもよくって、いろいろな人がカヴァーしてるんですけれども、今夜はフィル・コリンズのカヴァーで聴いてみたいと思います。ザ・バーズのヴァージョンもいいんですけれども、僕はもしかしたらザ・バーズよりもこのフィル・コリンズのカヴァーのほうが好きかもしれません。歌の中ではこんなことを言ってます。「若いころ学んだことを思い出してみよう。今はもう人生の勝利を目指すゲームはできないけれど、僕は少しずつあの頃に戻ってゆく」。今夜最後の曲はフィル・コリンズのレコードから「Going Back」。この曲を聴いてお別れです。
・Going Back
佐野元春 : こうしてTBSでじぶんがDJできることとてもうれしいですし、光栄に思ってます。そうですね、TBSラジオで思い出すのは今はもうお亡くなりになったTBS伝説のDJ、林義雄さんですね。彼がご自身の番組の中で"ユア・ヒットしないパレード"というコーナーを持ってらっしゃったんですけれども、僕のデビュー曲「アンジェリーナ」がその"ユア・ヒットしないパレード"でになんとNO.1を獲ったという懐かしい思い出があります。林義雄DJ、天国でこの番組を聴いてくれてたらいいなと、そんなふうに思ってます。DJ、佐野元春、ではまた来週。