2015年05月03日プレイリスト
「棚からひとつかみ+リクエスト」
1. あまく危険な香り / 山下達郎 '82
2. STAND BY ME / BEN E.KING '61
3. ブルー・ジーン No.1 / 寺内タケシとブルー・ジーンズ '65
4. 青空のある限り / ザ・ワイルド・ワンズ '67
5. WHEN A MAN LOVES A WOMAN / PERCY SLEDGE '66
6. THE GIRL DON'T CARE / GENE CHANDLER '67
7. RAINY NIGHT IN GEORGIA / TONY JOE WHITE "CONTINUED" '69
8. 片想い / 山下達郎 "アルチザン" '91
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■内容の一部を抜粋
・近況
番組は直近の収録で終わったらまたスタジオに戻るそうだ。「私は相変わらず(笑)。すごく雑多に仕事が来ておりまして。こういうのがいちばん疲れるんですよね。スタジオだったらスタジオ、なんか曲を作るだとか、アレンジするとか、シングルの締め切りとか、そうやって同じ仕事をずーっとやってるわけじゃなくて。毎日毎日細かく細かく仕事が違うというこの一週間であります。こういうの(笑)、いちばん疲れます。連休が済んだら一段落しますが。連休中はバダバタしておりましてですね。ちょいと健康に気をつけつついかなきゃなんないと」と達郎さん。
・棚からひとつかみ+リクエスト
こういうスタジオ暮らしのときはおなじみの「棚からひとつかみ」。ほんの少しリクエストをまぶしつつ「棚からひとつかみ+リクエスト」。
・あまく危険な香り
今年3月下旬から番組を聴いてるという1976年生まれのリスナーから、1982年の「あまく危険な香り」にリクエスト。
・STAND BY ME
ベン E. キングの訃報が飛び込んできた。4月30日逝去。本名はベンジャミン・ネルソン。享年76歳。生まれはノースカロライナ、ニューヨークのハーレムに移ってきてムーングロウズという有名なヴォーカル・グループのメンバーになり、その後、ファイブ・クラウンズというドゥーワップ・グループに参加。このファイブ・クラウンズがドリフターズに名前を変えさせられて、それまでいたドリフターズから全然違うグループがドリフターズを名乗り、ここのリード・ヴォーカルとしてたくさんヒットを出した。その後、いろいろとマネージャーと揉めたりしてソロへ。自分が書いた曲「STAND BY ME」(プロデューサーのリーバー / ストーラーが「Elmo Glick」のペンネームで共作)で1961年に全米NO.1の大ヒット。今から54年前の曲だがこの曲でベン E. キングは不動の地位を獲得した。アトランティック・レーベルのトム・ダウドによる素晴らしいエンジニアリングでとても54年前の作品とは思えない仕上がりになっている。
・ブルー・ジーン NO.1
加瀬邦彦さんが亡くなった。享年74歳。ということはベン E. キングと同世代ということになる。加瀬邦彦さんは寺内タケシとブルージーンズからはじまって、ワイルドワンズを結成、その後、作曲家として沢田研二さんを筆頭にいろいろな人に曲を提供した。ギタリスト、作曲家、プロデューサー。「私若い頃に加瀬さんといくつか作品をご一緒させていただきまして、コーラス・ボーイなんかもやりまして、かわいがってもらいました。特にワイルドワンズのみなさんには本当に仲良くしていただきました」と達郎さん。加瀬邦彦さんの作曲家としての草分けは1965年、彼が24歳のとき。寺内タケシとブルージーンズのメンバーの頃で代表作のインストゥルメンタル「ブルー・ジーン NO.1」。
・青空のある限り
加瀬邦彦さんは寺内タケシとブルージーンズを脱退して、ワイルドワンズを結成するが、脱退の理由は「ビートルズを客席で観たかった」だった。達郎さんは中学生の頃にジャズ喫茶でワイルドワンズを観ていたそうだ。ドラムの植田芳暁さんがドラムでリード・ヴォーカル。当時、達郎さんはドラムを叩いていたので植田芳暁さんに憧れたという。1967年のシングル「青空のある限り」。達郎さんはライヴでこの曲を初めて聴いたのだけど、加瀬邦彦さんが弾くファズギターに「かっこいい!」と思ったそうだ。
・WHEN A MAN LOVES A WOMAN
パーシー・スレッジが4月14日に亡くなった。享年73歳。パーシー・スレッジといえば1966年のミリオン・ヒット「WHEN A MAN LOVES A WOMAN」。邦題は「男が女を愛する時」。達郎さんが中学生のときにラジオで聴いた「STAND BY ME」や「男が女を愛する時」がR&Bという世界に足を踏み入れたとっかかりになったとか。パーシー・スレッジはバラード・シンガーで、アップテンポになるとちょっと音程が悪かったりタイムが悪かったりする。「男が女を愛する時」のクレジットでは一緒にいたメンバーが書いたことになってるが、本当はパーシー・スレッジが書いたと今では言われている。アラバマ生まれのパーシー・スレッジがアラバマで当時勃興してきたマッスルショールズのスタジオでレコーディングした不朽のスタンダード。アトランティックのプロデューサー、ジェリー・ウェイクスラーはパーシー・スレッジの歌が気に入らなくて録り直して出したのだが、出たシングルは元の歌だったというオチがついてるという有名な逸話が残っている。
・今後の予定
リスナーからの「一曲を通してコードを1コしかつかってないワンコード特集というのはいかがでしょうか?」というお便りに乗って来週は「ワンコード・ソングで棚つか」。豊中市の超常連のリスナーからのお便り「猫で棚つか」も楽しいので予定しているそうだ。
・SONGS -40th Anniversary Edition-
1975年4月25日にナイアガラ・レーベル第一弾アルバムとして発売されたシュガーベイブの『SONGS』が40周年を迎えるので7月8日に『SONGS -40th Anniversary Edition-』が発売になる。最新リマスター盤。1994年にCD化して、その後2005年に30th Anniversary Editionが発売。通常盤と初回盤があり、初回盤は1994年盤と2005年盤の2枚を統合するかたちでそれぞれのボーナス・トラックをすべて収録して、さらにボーナス・トラックを加えられたらと計画中。そうすると1枚のCDに収まらないのでボーナス・ディスクが付いた二枚組仕様。新しく書き下ろした原稿を含むブックレットを加えたコンプリート・ヴァージョンが初回限定盤。ボーナス・ディスクは今まだ内容は未定で、いっその事、全部新しい音源にしたいという気になってるのと、LFデモは入れておいたほうがいいかなとか、内部で意見が分かれてるという。詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/
・京都人情捜査ファイル
テレビ朝日系のドラマで木曜ミステリー『京都人情捜査ファイル』の主題歌を達郎さんが書き下ろした。タイトルは「マイ・ガーディアン・エンジェル」。高橋克典さん主演で、京都を舞台に実際に実在する警察組織で犯罪被害者支援室、被害者のメンタリティをフォロー・アップする組織で奮闘する警察官の職員の姿を描いたドラマ。4月30日のよる8時からスタート。
「マイ・ガーディアン・エンジェル」のTVサイズの着うたフルは現在配信中。番組では来週TVサイズのオンエアを予定している。詳しい情報はワーナーの山下達郎のサイトで。
http://wmg.jp/tatsuro/
・THE GIRL DON'T CARE
このところブランズウィック・レーベルが日本のインディ・レーベル「ULTRA VYBE」から再発されている。
http://www.ultra-vybe.co.jp/y/brunswick/
ジーン・チャンドラーのブランズウィックのコンプリート・シングル・コレクションが4月15日にリリース。この中から1967年、全米R&Bチャート16位、全米チャート66位の代表作「THE GIRL DON'T CARE」。
・RAINY NIGHT IN GEROGIA
リスナーからのリクエスト。トニー・ジョー・ホワイトは南部人。達郎さんはトニー・ジョー・ホワイトとかジョー・サウスとかの顔立ちが好きで、シュガーベイブ時代に憧れてもみあげを伸ばしていたそうだ。1969年のアルバム『CONTINUED』に収められている「RAINY NIGHT IN GEROGIA」。邦題は「雨のジョージア」。1970年のブルック・ベントンのヴァージョンも有名。"スーツケースの横で迷いながら 夜を過ごすために暖かい場所を探す 激しい雨が降り 君の声が聞こえるみたいだ 大丈夫よって 雨に煙るジョージアの夜 きっと世界中で雨が降ってるんだろう" ギター一本で回るミュージシャンのワンナイトスタンドの歌。
・片想い
この季節になるとリクエストが集まる5月がテーマの「片想い」。1991年のアルバム『ARTISAN』収録。
■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係
2015年05月10日は、「ワンコード・ソングで棚からひとつかみ」
http://www.tatsuro.co.jp