Sunday Song Book #971

2011年05月22日 | Sunday Song Book

<05月22日プレイリスト>
[「ゴスペルで棚からひとつかみ」]
幸せのものさし/竹内まりや "エクスプレッションズ" '08
OUR FATHER/THE ORIGINAL FIVE BLIND BOYS OF MISSISSIPPI '50
THE BEST IN ME/MARVIN SAPP "HERE I AM" '10
WHY/KIRK FRANKLIN WITH STEVIE WONDER "HERO" '05
THINA SIMNGOBILE/SOWET GOSPEL CHOIR "VOICES FROM HEAVEN" '05
NEAR THE CROSS/THE MISSISSIPPI MASS CHOIR "THE MISSISSIPPI MASS CHOIR" '90
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■内容の一部を抜粋
・近況
「(ニュー・アルバムの)レコーディングをずっとやっておりまして。いちばん大変な詩を書く作業でございます(笑)。うんうん(唸って)やっております(笑)。なのでテレビ、その他もあまり見ないような状態で、缶詰で、家に引きこもってしこしこやっておりますがですね。そんな中、冷房等も弱めにしておりますが、けっこう大変だったりします(笑)。そんでも被災地のみなさんに比べればまだ楽でございます。順調に、と言っておきましょうか。レコーディングはやっております。月末に入りまして佳境に入ってきました。一生懸命やっております、引き続き」と達郎さん。

・ゴスペルで棚からひとつかみ
先週に引き続いて今週も「ゴスペルで棚からひとつかみ」。先週の放送は予想以上に反響が大きかったと達郎さん。ゴスペルは60年近い歴史があり多岐に渡っているのでどのようにフォローしようかと思案しているそうだ。時代時代のサウンドのトレンドを貪欲に吸収してゴスペルというものが変化しているので、どこに焦点を絞るか実はひじょうに難しいのだとか。

・幸せのものさし
俳優の児玉清さんが亡くなった。まりやさんの2008年のシングル「幸せのものさし」のカバーが児玉清さんの切り絵で、まりやさんが自分で手紙を書いて依頼したところ、快く引き受けてくれたのだという。達郎さんとは直接の面識はなかったのだとか。

・OUR FATHER
1950年の作品でR&Bチャート10位。オリジナル・ファイブ・ブラインド・ボーイズ・ミシシッピーはリード・ヴォーカルのアーチ・ブラウンディーの超絶的なヴォーカルが有名なグループ。ほとんどアカペラ。

・THE BEST IN ME
マーヴィン・サップの2010年のアルバム『HERE I AM』から。長いのでクライマックスの部分だけ。1967年、ミシガン生まれ。4歳のときから教会で歌ってるという。

・WHY
カーク・フランクリンは私生児だという。グレて廻り道したが神の道に入り牧師になった。コンテンポラリー・ゴスペルの旗手として知られている。2005年のアルバム『HERO』はエイズや戦争がテーマになった曲が入ってて、ゴスペルとしてはネガティヴな内容だという。スティービー・ワンダーをフィーチャーした「WHY」はデニス・ウィリアムスの「FREE」という曲をサンプリングして使ってて全くEW&Fのサウンドになっている。

・THINA SIMNGOBILE
南アフリカのゴスペル・グループ、ソエット・ゴスペル・クワイアは2002年に結成された26人編成のグループ。アメリカで大変人気があって2005年のアルバム『VOICES FROM HEAVEN』からワールド・ミュージックのグラミーの常連となった。デビュー・アルバム『VOICES FROM HEAVEN』からズールー語のトラディショナル・ソング。とても清らかなアカペラ・ハーモニーが聴ける。「THINA SIMNGOBILE」は「我らは悪魔に勝利した」という意味だとか。

・風評被害
達郎 : 震災後、プログラムの内容がガラッと変わりましてですね(笑)、それまでのお気楽なやつとは一転してますが。それでもまだ緊迫した情勢が続いておりますのでですね、当分はこういったかたちでやっていかなきゃなりませんが。特に原発問題はどうなってゆくのか予測がつきませんですのでですね、完全に冷温停止になるまでどれくらい時間がかかるのか、我々素人ですので祈るしかありませんがですね。先週も同じようなことを申し上げましたが、こういうときに党利党略、どこの党が誰の党を批判してですね、批判してる暇があったら、期間限定で大連立政権でみんなで協力してなんかするとかそういうことできないんでしょうかね。何だか知りませんけれどあっちが悪いだのこっちが正しいだのばっかり言っておりますけれども。こういう震災関係、特に原発関係の(話を)番組でなんかコメントしますとですね、どっかのメディアから必ず原稿依頼だとか、コメント依頼というのが来ます。私はそういった文化人でも知識人でもないので、一介のミュージシャンでございますので、自分の番組で発言するというスタンスですので、そういうこと一切やりませんが。それでも私に限らず、周りが全部同じこと思ってるんだなという、頂くおハガキでもそういうこと感じます。私は中古レコードが好きなので、中古レコード屋さんという友だちがたくさんおります。全国にもいますし海外にもいます。中古レコードというのはですね、市場としては小さい、零細な業界ですけれど、でもそういうところにまで福島の原発の影響というのは波及しております。私の友人で広島にCOOL HANDというセコハンの(レコード屋さん)がありますが、そこの竹内さんという方がメールをくださいまして、そのメールがなかなか考えさせられるものでした。「海外の放射能汚染監視グループが今回の震災後の放射能分布図を公表し、それによりますと北半球の30ヶ国以上が震災後には通常より高い放射能数値を残してるということで、福島原発に対してレベル7の発表よりも前から私の店も風評被害を受けておりました。それによって次々と海外のオーダーがキャンセルされ、あげくの果てには被爆してレコードが破壊されるとオーストラリア人の客に言われ、オーストラリアは世界でもっとも地震がない国と言われてますし、大きな国土の国から見たら福島と広島の距離ですら隣の街で起きた事件だろう的な見方をされています。私はそれを是正するために不眠不休で海外の顧客たちにレポートを繰り返していたのですが、例のチェルノブイリと同等のレベル7発言で私のレポートも言い訳のように感じられたのか、それまでのオーダーもキャンセル、同様にオーダーもなくなっていきました」というですね、こういうメールを頂いたことがあります。私なんかの周りでも細かいところでいろんなことが起きておりますのでですね、早いとこ政治にしろ、官僚の人にしろ何とかしてください。お願いします、宜しく。

・エルヴィス・プレスリーのゴスペル
ホワイト・ゴスペル、特にエルヴィス・プレスリーへのリクエストがたくさん届いてるそうだ。
「機会があれば。エルヴィスのゴスペルはなかなかよろしいのでですね。ホワイト・ゴスペルの特集はできないだろうな」と達郎さん。

・NEAR THE CROSS
先週のゴスペル特集でもアレサの「AMAZING GRACE」に圧倒的な反響があったそうだ。そんな中でリスナー自身の「人生のベスト・オブ・ゴスペル」5曲をリクエストした人がいた。その中から達郎さんが'90年代死ぬほど聴いたCDという1曲。
ミシシッピー・マス・クワイアはミシシッピー州のゴスペル・グループ。フランクリン・ウィリアムスが設立した総勢100人の大クワイア。1990年のライヴ・アルバム『THE MISSISSIPPI MASS CHOIR』から10分の長尺の曲「NEAR THE CROSS」。ヘッドフォンで聴くと心が震えるそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM
「山下達郎サンデー・ソングブック」係

■今後の予定
05月29日は、レギュラー・プログラム「棚からひとつかみ」
http://www.smile-co.co.jp/tats/
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