「KOBE Sound Falling "A WEEK"」 矢野顕子

2011年04月09日 | Live

4月1日、神戸朝日ホールで行われた矢野顕子のピアノ弾き語りコンサートに行ってきました。
ネタばれしてますので、4月27日のCotton Clubに行かれるという方は、
ライヴの楽しみを損なってしまうかもしれないので目を通さないでおくことをお勧めします。

会場の神戸朝日ホールは神戸朝日会館って映画館だった場所でした。
1994年4月にオープン。1995年1月17日の阪神大震災では幸いにもホール、そして人的な被害もほとんどなく二ヶ月後に再開。
しかし震災の影響で興行関係の市場が低迷して2004年3月末から休館していたという。
昨年、改装されてホールとしてこの春7年ぶりにグランドオープン。フェスティバルホールの姉妹ホールになるそうです。
http://www.kobeasahihall.co.jp/



3月27日(日)からは「KOBE Sound Falling "A WEEK" 」と題して7組のアーティストが日替わりで公演を行う予定だったそうですが、
急遽、東日本大震災の被災者支援活動として、公演の売り上げの一部を寄付するチャリティー・コンサートに変更となりました。
4月1日(金)は矢野顕子のピアノ弾き語りコンサートでした。

ここからはネタばれしてます。

矢野顕子のコンサートを聴きに行くようになって長いですけれど、この夜ほど感動したライヴは経験がないですね。
1曲目の「電話線」から矢野顕子がこの曲に込めた思いというものが伝わってきて心が揺さぶられました。
演奏されるどの曲にも祈りが込められてるように思いました。
もちろん矢野顕子はどんなときでも矢野顕子なんだけれど、いつもと違う雰囲気がしました。

ニューヨークで3月26日の土曜日にオノヨーコやショーン・レノンが参加したベネフィット・コンサートがあったそうです。
発起人はジョン・ゾーンだったらしく、マーク・リーボウから誘われて矢野顕子も出演したとか。
そのときにマーク・リーボウたちと歌ったのがガーシュインの作品「Our Love Is Here To Stay」という曲。
ロッキー山脈がくずれそうになっても、ジブラルタルの岩が落ちそうになっても、私たちの愛はここにある、そう歌われる曲なんだとか。
アイラ・ガーシュインとジョージ・ガーシュインの兄弟による作品で、
アイラはジョージがもう長くは生きれないことを知ってたので、これが二人で作る最後の作品なのだと意識して歌詞を書いたという。
そんなエピソードをリハーサルで聞いた矢野顕子は、もうそれだけで胸がいっぱいになったのだとか。
マーク・リーボウがカリフォルニアからニューヨークに着いたのはコンサート開演の15分前。
コード進行を確認するくらいしかリハーサルできず、ぶっつけ本番で歌ったが、とてもできが良かったと話していました。
しばらくはこの曲をレパートリーに加えて歌い込んでいきたいと。

神戸も16年前に被災しました。聴衆の中から時折鼻をすする音がしたけれど、きっと泣いている人もいたのだろうと思います。
「今夜はこの曲を歌うつもりできました」と言ってはじまったのは「Green Fields」。グッと来ました。感無量でした。

最後の曲となった「ひとつだけ」。
キヨシローと共演したヴァージョンがYouTubeにアップされてて、矢野顕子関連の動画のなかでは断トツのヒット数なんだとか。
歌の途中で「みんなも一緒に歌いませんか?」。静かに唱和する声がホールに響きました。涙がこぼれそうになりました。

■「KOBE Sound Falling "A WEEK"」 矢野顕子
2011年4月1日(金) 神戸朝日ホール
E列13番

1.電話線
2.Evacuation Plan
3.クリームシチュー
4.恋愛宣言
5.温泉に行こう
6.トランスワールド
7.Go Girl
8.Our Love Is Here To Stay
9.All The Bones Are White
10.David
11.Happiness
12.嘆きの淵にある時も
13.Greenfields
Encore
14.春咲小紅
15.ひとつだけ

[おまけ]

ロビーにフェスティバルホールのレリーフと同じ「牧神、音楽を楽しむの図」を再現しています。



ホールのピアノは二年余り倉庫で眠っていたというフェスティバルホールのピアノでした。

終演後、ロビーでT ボーン・バーネットのチームが参加したアルバム『AKIKO』のアナログ・ディスクを購入。
東日本大震災の被災者支援の義援金を募っていたので寄付しました。

三宮センター街の垂れ幕。


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