Sunday Song Book #964

2011年04月03日 | Sunday Song Book

<04月03日プレイリスト>
[「静かな棚からひとつかみ」]
元気を出して/竹内まりや "リクエスト" "エクスプレッションズ" '87('08)
WHAT THE WORLD NEED NOW IS LOVE/JACKIE DeSHANNON '65
LALENA/DONOVAN '68
NEVER WOULD HAVE MADE IT/MARVIN SAPP "THIRSTY" '07
I'LL ALWAYS LOVE YOU/BARRY MANN "SURVIVOR" '75
I'M LOVING YOU SOFTLY/SMOKEY ROBINSON "LOVE BREEZE" '78
希望という名の光/山下達郎 '10
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■内容の一部を抜粋
・近況
こうした未曾有の災害の中、緊迫した状態は変わらないので、達郎さんの周りでも緊張した空気というか重い空気があって、体調を崩す人もいるし、関西や九州、海外に行く人もいるそうだが、達郎さんは半蔵門のTOKYO FMから動くつもりはなく、出来る限り続けていきたいとのこと。今年の秋には番組も19年を迎えるので末永く半蔵門でやっていきたいと達郎さん。先週はこういう空気の中、静かめの曲で「静かな棚からひとつかみ」いう感じでやったが、今週もその続編。

・元気を出して
今週はまりやさんの「元気を出して」のリクエストを採用。

・WHAT THE WORLD NEED NOW IS LOVE
リスナーから届くハガキの大部分は、地震のショックでレコードを聴く気力がなかったがラジオのおかげでまた元気が出た、というそういうような内容が多いという。達郎さんもまた、番組の選曲をするためにCDを聴いて、そして曲提供の依頼という仕事がなければ、音楽を聴いたり作ったりするような心の余裕が持てなかったので、リスナーの気持ちがよくわかるのだとか。
ジャッキー・デシャノンは美人作曲家で、シンガーでもある。名作をたくさん作曲してるが、歌手としてもヒット曲がたくさんある。「WHAT THE WORLD NEED NOW IS LOVE」は1965年、全米7位の彼女の代表作で、バート・バカラック/ハル・デイヴィッドによる作品。「いま世界に必要なものは愛」というハル・デイヴィッドの思想が現れている。ほかにもディオンヌ・ワーウィックなど、いろんな人が取り上げてるが、ジャッキー・デシャノンのヴァージョンがNO.1でしょうと達郎さん。なぜかアルバムには入っておらず、シングルのみのリリースなので、達郎さんは持っておらずアレンジが誰かわからないという。アル・デローリーかアーニー・フリーマンといったカリフォルニアのアレンジャーじゃないかと思ってるそうだ。

・LALENA
スコットランド出身の吟遊詩人、ドノヴァン。こういう機会でなければかからないと達郎さん。もともとはボブ・ディランのようなプロテスト・ソングを歌っていたが、だんだん独自の耽美的な歌世界に移行していった。この曲もベスト・アルバムにしか入ってないシングルのみの曲。1968年、全米33位だが、日本では深夜放送でよくかかっていて大ヒットした。

・NEVER WOULD HAVE MADE IT
3月20日の「鎮魂プログラム」は仙台と福島が緊急震災特別放送だったため、翌週の27日に振り替えて番組が放送された。そのおかげで今週は被災地から多くのお便りが届いてるという。「鎮魂プログラム」でいちばん反響があったのはゴスペルだったとか。達郎さん自身はコンテンポラリー・ゴスペルよりトラディショナル・ゴスペルのほうをよく聴いてるそうだが、せっかくなので今週は最近のゴスペル、2007年のマーヴィン・サップの作品から。この人は1967年生まれなので比較的若いゴスペル・シンガーになる。彼の2007年のアルバム『THIRSTY』は全米ゴスペル・チャート1位、R&Bチャート4位、全米チャート28位の大ヒット作。シングル・カットされた「NEVER WOULD HAVE MADE IT」は全米ゴスペル・チャート1位、R&Bチャート14位、全米チャート82位というゴスペルとしては異例のヒット。
「SUNDAY SONG BOOK」はオールディーズの番組なので'90年代以降の作品はほとんどかからない。こういう機会でなければオンエアされなかった曲。ゴスペル・ソングは歌の力があるので「サウンド・シャワー」といわれる。

・I'LL ALWAYS LOVE YOU
「サウンド・シャワー」といわれる作品は黒人音楽だけではない。達郎さんのいちばん好きなアメリカのソングライター、バリー・マンの作品からそういった曲の紹介。1975年のソロ・アルバム『SURVIVOR』はブルース・ジョンストン絡みのウェスト・コースト・レコーディング。その中の白眉が「I'LL ALWAYS LOVE YOU」。ほとんどゴスペル・ソングといっても差し支えないくらいのソウルフルな作品と達郎さん。アメリカの'60年代、'70年代、'80年代を代表する大作曲家バリー・マン。奥さんのシンシア・ワイルと共に数限りないヒット曲を持ってるが、ソロ・アルバムはそれとはうってかわって、ひじょうに内省的な内容のアルバムが多い。

・ZIP!
日本テレビ系で4月1日から朝の新情報番組「ZIP!」(午前5時50分 - 午前8時)がスタートした。毎週月曜日から金曜日の帯番組で、そのテーマソングを達郎さんが担当している。曲のタイトルは「MY MORNING PRAYER」。
http://www.ntv.co.jp/zip/

「私の朝の祈り」という意味の新曲だが、先週も話したように完成間近に東日本大震災が起こり、詩曲ともに全面的に書き換えたという。そういう意味では緊急避難みたいな感じなので、当分このままだけれど、事態が落ち着いたらまた違うことになるかもしれないとのこと。六本木のレコーディング・スタジオで震災直後に録音したが、通常の電圧117ボルトのところ113ボルトしかなく、シンセサイザーのチューニングが合わず、もっと下がったらお釈迦になるところだったとか。レコーディング中はピッチが上がったり下がったりへろへろで、そんな中をかいくぐってのレコーティングなので、詩も曲も技巧的なテクニックが通じなくて、むき出しのような曲になったという。それでも思ってることを込めた、ひじょうにシンプルな内容の曲になったと達郎さん。来週くらいになるとオンエアできるかもしれないが、今のところ売り物にする気が起こらないという。フル・ヴァージョンがとりあえず出来てるので、オンエアはする予定とのこと。

・SONGS
今週の水曜日、4月6日にNHKの音楽番組「SONGS」で「歌で届けるメッセージ」と題した東日本大震災特別番組がオンエアされる。番組が届けたい歌を選んだ中に達郎さんの「希望という名の光」とまりやさんの「人生の扉」が含まれており、ミュージック・ビデオがコメントとともにながされることになったそうだ。
4月6日水曜日、23時10分からで、通常より15分遅れのスタートとなる。
http://www.nhk.or.jp/songs/songs.html

・I'M LOVING YOU SOFTLY
スモーキー・ロビンソンのソロ・アルバム・CD化シリーズ Vol.4から。達郎さんのいちばん好きな1978年のアルバム『LOVE BREEZE』が待望のリマスタリングでCD化された。B面のラストに入っててシングル・カットされR&Bチャート68位。

・希望という名の光
今週もたくさんのリクエストがあったそうだ。

■リクエスト・お便りの宛て先:
〒102-8080 東京FM「山下達郎サンデー・ソングブック」係
■今後の予定
04月10日は、レギュラープログラム「棚からひとつかみ」
http://www.smile-co.co.jp/tats/
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