小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

熱海の一夜~家に戻ればそれぞれ事情・・・

2010-05-31 10:38:07 | Weblog
土日は熱海で一泊。
はじめて泊りで中学時代のクラス会をやろうという企画です。

赤坂小学校時代は1学年1クラス、赤坂中学校でも1学年3クラスという、
当時から少人数の編成でしたから、わりあい皆仲が良い。
またマメに幹事を引き受けてくれる人がいるため、クラス会も頻繁に行われます。

クラス会は社会で成功した人が多く集まるなんて言いますが、
赤小、赤中のクラス会というのは、特にそういうわけでもありません。
(まあ、ホントに困っていたら熱海で一泊もできませんが)。

赤坂という土地柄がそうなのか、
それとも頻繁にあってるから今さらミエ張っても仕方ないのか、
素のままだった中学生時代に戻るのか。

悩める歯科医、衛生士。
(同級生には、なぜか歯科関連の人が多いのです)。
30年近く公務員として勤めたのち、中途退職を願い出た人。
夫がリストラに遭い、家庭内離婚中の働く主婦。
健康食品の店を起こし、孤軍奮闘するシングルマザー。
会社が消滅寸前の危機にさらされた某大手航空会社の人。
不況にあえぐエカキ。

食事を終えて部屋で酒盛り、宴もたけなわ。
やがて女性陣が入浴に行ってしばらくすると、
なぜか男性ふたりが襟をつかんでの大口論をはじめます。
仲裁に入ったやつも反対に怒り出して、口論はいよいよヒートアップ。
(半分私は寝ていたのですが、あとで聞いたら
 話す価値もない、あまりに下らない原因だったので、ここでは非公開といたします)。
男って、女性がいなくなると荒れるんだよね。
歳関係なくさ。

それも女性陣が戻る気配と同時に、ハッと我に帰りすぐに仲直り。
野郎同士、イタリア人もびっくりするくらい熱~い抱擁を交わしました。
あー、男とは何と愚かで浅ましい生き物であることよ。
女性たちは、それ見て喜んでましたけど、世の中・・・男と女がいるわけだよね。
(みんな良い歳をして煩悩のカタマリですな)。

うーん。
みんな明るく元気に飲んでいたけど、きっと家に戻ればそれぞれ事情があるんだろうね。
それでも誰もグチも泣き言も言わなかったのが、いちばんのミエなのかもしれません。

宿は駅からすぐの志ほみや旅館という旅館。
建物が古く煤けているけど、それを補おうと従業員の感じはすこぶる良し。
料理は普通に美味しいという感じかな。
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もとは琉球王国。しかし・・・

2010-05-29 13:10:23 | Weblog
昨年でしたか、赤坂に某稲川会系の事務所が引っ越してくるという時、
住民が集まって決起集会を開いたことがありました。
赤坂には某住吉会系の本部があって、万が一越して来られたら大変なことになるというわけです。

幸いというか、事務所の引っ越しはない話になりましたが、
別に暴力団がなくなったわけではありません。
事務所がなくとも、某稲川さんたちは第三京浜を通って赤坂に来ることができますし、
今まで通りに赤坂で商売をすることはできるわけです。

そんな意味で住民運動は、ババを引くのはイヤだから、
ジャマな奴はどこか目の入らぬところに引っ越してくれという、
ある意味身勝手な話ではあるのですが、ヤクザが隣に引っ越して喜ぶ人はおりません。
当然、私も決起集会に参加いたしました。
住民として当たり前の話です。


沖縄の基地問題も同様でしょう。
もちろん基地はヤクザではありません。
個人的には日本に必要なものだと思っていますが、
普通の人なら付き合わなくて済む暴力団と違い、
基地の近くに住む人にとって、毎日まき散らされる騒音は、
避けられませんからある意味ヤクザより始末がわるい。

しかし基地は歓迎できないとはいえ、
中国や北朝鮮の脅威から、今の日本の軍備だけで十分とはいえません。
戦争がはじまりそうな朝鮮半島の状況を横目に、
「基地はいらない」というのは、日本が侵略されてもかまわないと同様の意見です。
(フィリピンでも米軍が撤退したとたん、中国がやってきたものね)。

誰もが納得する解決法はないでしょう。
私自身は現行の状態を何も変えないことが、いちばんマシな解決法に思いますが、
それなら最初から基地移転など言わない方が良かったという話になります。

話がややこしくなるにつれ、沖縄文化圏が日本文化圏とますます違ったものに見えてきます。
いや、もともと沖縄は琉球王国だったのですから、違った文化圏で然るべきなのですが、
その点が浮き上がって見えてきて、
対立するポイントになるというのが、何とも残念なところです。

でも、沖縄の人が怒るのは当たり前だよね。


写真は先日、花風社社長と食事したバンコク酒場のメニュー。
南国シンハビールの味は、沖縄オリオンビールとよく似ています。
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神田橋先生お顔のひみつ

2010-05-28 09:59:27 | Weblog
昨日「発達障害は治りますか?」を取り上げたところ、
花風社さんからのリンクがあったおかげでしょう、アクセス数が倍近くまで上がりました。
アクセスが多ければ良いというものではありませんが、ギャラリーは多いほど嬉しいもの。
お越しいただいたみなさまに御礼を申しあげます!

神田橋先生については、最初に花風社さんからお話は伺っていましたが、
なぜかはじめは治療の話ではなく、見た目の話から入りました。

「いや~。大大大先生はね~、小暮さんだったらすぐに描けちゃいそうな顔だよ~」
「見た目、お酒が大好きってわかる。
 酒飲みどうし、すぐわかるじゃん。そーゆーの」
「顔に独特のかがやき(てかり?)があるんだよね~」

ふむふむ、だいたいどんな感じで描いてほしのか、わかってきたぞ。
で、肝心の神田橋先生のお顔はと、治療の様子を撮影したDVDを見てみると・・・
おお! この方がそうか! 

私の第一印象は、何とお顔の明るい方なのかということでした。
表情やしぐさがそうなのはもちろんなのですが、見た瞬間、
ぱあ~っと何か開いたようなイメージがあるのです。
やはり南国出身で、太陽がいっぱいある場所で生まれ育った方だからでしょうか。

余談ながら、日本のお能が地にひそむ精霊に語りかけるとすれば、
ギリシャ・ローマ劇は天に向って語りかけると言います。
神田橋先生は日本的、東洋的な方だし、喋り方も穏やかだけど、
見た目がどっちのタイプか分けるとすれば、後者のタイプ。
両手を広げ、ぱあ~っとすべてを受け入れるとでも言うのかな。

神田橋先生のイラストは、
そんな先生の明るさを描いてみたいと思いながら筆を走らせたものです。

写真は先日行った大相撲五日目、国技館で撮った”せきトリくん”のきぐるみとご贔屓の女性。
みんなバカにしながら、いざ本物を前にするとパチパチ写真を撮っておりました。
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発達障害は治りますか?

2010-05-27 09:32:21 | Weblog
昨日は東麻布の花風社さんに、イラストとマンガを担当した新刊本
「発達障害は治りますか?」(神田橋條治etc。・著)を受け取りに行きました。

こちらの本、神田橋先生の講演会では用意した本がすべて完売するなど、
市場では品薄状態のため私の分はとりあえず1冊。
残りは後日ということですが、どうやら大変な反響なようですね。

マンガを起こす関係で、ゲラの段階で原稿はすでに読んでおりましたが、
本の形でお目にかかるのは昨日がはじめて。
パラパラめくってみたけれど、いや~、何ともいえず良い感じです。
当然ながら、ゲラ段階と製本された書籍とでは、
手に取って読む感触がまったく違うのですが、今回の本は特に違う!
すでに初めの方を読みはじめましたが、何か不思議な力を感じます。

内容に関しては、実物を読んでいただくとして、
私がこの本のマンガとイラストを描く際に考えたこと、思ったことを申しあげましょう。

最初に私が取り組んだのは、
神田橋先生が患者さんたちを相手に実際に治療をするDVDを見ることでした。
全部で11時間以上あるため、必要な部分以外は見なくても良いということでしたが、
一部見ただけでは、全体は把握できないと思い、すべて見ることにしました。

映像は据え付けっ放し。
見せるための工夫は何らなされてない記録映像でしたが、
それは門外漢の私が見ても興味深く面白いものでした。

その中でも特に、藤家寛子さんの治療場面には興味をそそられました。
(同著の中ではマンガに置き換えています)。

藤家さんはアスペルガーの障害を持つ若い作家で、私は花風社さんを通じて、
彼女とお会いし、何度か彼女の著書のイラストやマンガを描きました。
”ちゅん平”という眼鏡をかけたスズメのキャラです。
フラッシュバックなどが起こると、泡をふいて倒れたり、
はてまたちゅんちゅん泣きながら、羽をパタパタさせて飛んでいくキャラクターで、
みなさまの中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

ところが、映像に映っていたちゅん平は、私の知っているちゅん平とは別人でした。
私の知るちゅんちゅんは、食事も満足に通らないちゅん平。
青白く痩せ、1~2時間ほどの会話にも疲労を覚え、
あげく机の下で冬眠に入ってしまうような人だったのが、
何とスリムで健康的な八頭身美人に変わっているではありませんか。
(誤解がないように言うと、この人はモトから背が高くスタイルが良い)。

何よりもいちばん違ったのが目でした。
最初に会った時には、やや焦点の定まらない目をしていたのが、
真っすぐと見るべき方向を向いて見ている。

うーん。
ちゅん平は一度、モデルチェンジしてるけど、
今回ばかりはスズメ姿のキャラに無理があるなあ。
で、花風社社長の指示もあって、ちゅん平は人間の姿で再登場と相成ったわけでございます。

そのDVDの中身がどうだったのか?
どうぞ、みなさま。それは本の中でお目にかかっていただければ幸いです。

今、私は再度、この本を読み返しはじめましたが、どうやらホントに凄い本みたいだぞ。
読み終わったら、障害者関連の仕事に従事する、わが山の神にも読んでもらわないとね~。
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必殺仕分け人~天下り、是か非か?

2010-05-26 08:33:28 | Weblog
昨日は火曜会。柔道の稽古あとに恒例の一杯です。

で、その時に事業仕分けの話題になったのですが、
30年来のつきあいになる親友が、天下りについて興味深いことを言ってました。
今日はそれについて、彼の意見をアップします。
知ってる方にとっては先刻ご承知かもしれませんが、ご興味ある方はおつきあいのほどを。


競輪事業のお金の流れを見ると、私などは単純に廃止で良いと思うし、
天下りはすべて廃止にすれば良いと思ったのですが、彼の意見を聞いてやや考えが変わりました。

世界的に見ても日本の省庁の次官は50代と若い。
60代70代がわるいわけではありませんが、次官の激務に耐え、
グイグイ省庁を引っ張っていくには、やはりそのくらいの年齢が良いというのです。

一人が次官になれば、その上役や先輩だった人たちは早期退職を余技なくされる。
新しく次官になる人だって、先輩が自分の下にいたらやりにくいからです。
早期退職したほかの人の能力が低いかといえば、決してそんなことはなく、
次官の周辺まで行ったのですから、それなりに優秀だと考えなければなりません。
そうして早期退職をした官僚の受け皿が「天下り」だというのです。

天下りを廃止し、そういった人たちを定年まで省庁に置いておくやり方だと、
本当に優秀な人間を登用できなくなるし、役所自体が高齢化してどんどん動きが鈍化する。
20年前にマスコミは「政治家は二流、官僚が一流」と、さんざん持ち上げておきながら、
今では官僚のことをクソミソに言うけど、今、天下りを完全に廃止して、
また20年後にマスコミは「日本の官僚は高齢者ばかり」と非難するのか?
持ち上げて引き落とすマッチポンプをここでもするのか?
その友人はそう言っていました。

たしかにそれは一理あります。
ただ、を天下りのためにいらん事業を作って税金をつぎ込むのは問題だと思いますが、
彼に言わせれば、国家予算全体から見れば微々たるものとのこと。
ホントに必要な事業なら、高額の収入は退職金は当然の報酬だと言っていました。

天下りを非難する陰には、高額の退職金を何度も受け取ることに対する、
ひがみややっかみもあると思います。
メディアというのは大衆の嫉妬心をいちばん反映して煽る性質がありますから、
時代に合った話題作りと言えるかもしれません。

いずれにせよ、見えてる部分だけで、それがすべてと思うのは危険なこと。
事業仕分けは中身が乱暴な上、相当にショーアップされていますから、
簡単に「あいつは悪い」「あの人はカッコイイ」と決めつけない方がよいかもしれませんね。


写真は昨年六本木にオープンしたインド料理店スワガット
好みが分かれる味だと思いますが、これはホントにインドの味。
私はこの味、かなりハマるな~。
南インドっぽい味付けだなと思って聞いてみたら、シェフややっぱりチェンナイの人でした。
客のほとんどはインド人でしたが、地方が違うのか、みな英語で会話をしてました。
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ゲゲゲの女房~食べるということ

2010-05-25 11:04:28 | Weblog
自営業としてエカキ業やらモノカキ業やらで暮らすようになって、
ちょうど丸14年経ちます。
毎日「ゲゲゲの女房」を見てますが、水木夫妻のやりくりが他人事に思えません。
今日も村上弘明さん扮する山海社の社長がぶっ倒れちゃうしさ~。
鬼太郎も河童の三平も消滅だし、あああ、見ちゃおれんわい。

ところがブログで食べ物の話などをしていると、
よほど毎日旨い物ばかり食べているかのように思われるようですね。
昨日もプール友の正ちゃん帽さんから、
「最初にブログを見た時、”何だこの人? 毎日何を食べてるんだ?」
なんて思ったと言われました。
ブログを見ると毎日旨い物ばかり食べてばかりいるように思い、びっくりしたみたいですね。
同様の感想をお持ちの方も、このブログのお客さまがたに多いかもしれません。

いや~。そら誤解でんがな、正ちゃん帽さん~。
まあ、別に誤解されてもかまいませんけど、
たとえば今週に限って言えば、私はここ1週間は一度も外食をしておりませんのよ。
アップした写真は、家めしだったり、過去の食事や旅行の写真。
まあ、そう思われるだけ、うまくレイアウトしたんだなと勝手に思ってはおりますが。


ところで役者というのは大したもので、
はじめはイメージの合わなかった向井理さんですが、だんだん喋り方といい、目つきといい、
水木しげる先生に見えてきます。

朝ドラなので、ビンボーくささの表現は生ぬるい感じもしますが、
私にとって共感できるツボが満載です。
うちの女房も土曜などたまに見てると、自営業の妻というところでわかるみたい。

ドラマの中で大杉漣のお義父さんが、お見合いの席で
「ありゃ飯の食い方がええ! 飯の食いっぷりがええ奴は大丈夫じゃ」
と言うセリフがありますが、たしかに食事は生きてることの証です。
私は自分にそのセリフを当てはめ「その通り」だと思っています。
(実際に水木先生は御年八七歳になられる今でもご健啖でいらっしゃるとか。
 若い頃は、それはそれは大変な大飯食らいだったそうです)。

頭のてっぺんからつま先まで、私たちの体はすべてごはんから作られています。
お金のない時も、ないなりに、気持ちをビンボーにしない食事を摂りたいもの。
日本語では、食べていく=働くという意味です。
これからも私はご飯を食べるために、ずっと働いていきたいものです。

写真は昨年、台湾の雨港・基隆(キールン)で撮った市場のようす。
たべてもいない蟹などの魚介類が溢れてますが、ねえ~!
こうすると色々食べ歩いているように見えるでしょう?
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山菜とハンバーガー

2010-05-24 10:58:53 | Weblog
山口瞳のエッセイに「蕗の味は四十路を過ぎてはじめてわかる」とあり、
むか~し、父がそれにいたく共感していたのを覚えてますが、
その当時、中学生だった私は何を言ってるのかわかりませんでした。

味覚は二十歳を過ぎていくと鈍化する、なんて言いますが、
鈍化した挙げ句、苦味や渋味が平気になるのでしょうか。
それとも反対に、経験とともにさまざまな味覚を許容できるのかわかりませんが、
明らかに若い頃の好みとは変わってくることはたしかです。

まあ、子供が味覚に敏感なのは確かですが、中高生に上がる頃にはそんな感覚は消えてしまう。
それから大人になるまで、何を食べるかが大切なのかもしれません。

私個人のことを言えば、銀座にマクドナルド1号店の出来る時には
すでに味覚の形成期を過ぎていましたから、あまりファストフードには執着がありません。
赤坂で最初のファストフードは、「ハンダス・バーガー」という
赤坂見附駅前のSUBWAYとハーゲンダッツのある場所にあったもの。
1983年くらいまで営業していた記憶あります。

私はハンバーガーといえば、ハンダスだと思っていましたが、
あれはミツカン酢のアンテナショップで、わりと素材を選んで作っていたみたいです。
そのせいか、思春期を迎えた時にはじめて食べたマックを
「紙みたい」と感じた記憶があります。
赤坂の小竹と小梅と呼ばれた、祖母2人にももちろん不評でした。

物心ついた頃には、すでにマックがあった年代の人が高齢者になった時、
みんな、こういう食事をするのかな?
それともアメリカ人は高齢者でもマックを食べるから検証済みかな。

それにしても巷に溢れるファストフード店の食事は、若者にはいざ知らず、
ある程度以上の年齢の人には体の負担が大きな食べ物です。
私は大食いだし、ステーキもトンカツも大好きだけど、
ファストフードを食べると必ず胸焼けするしね。

写真は山形で買ってきた月山筍(がっさんだけ)にワラビなどの山菜類。
ただし1品はスーパーで買った肉餃子ですが、
必ずこういう重たいおかずを入れることにしています。
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南インドの生ウニ堪能記

2010-05-23 14:25:34 | Weblog
20年以上前になりましょうか。
南インドのコーラバム・ビーチという海岸で、
インド人にしても色黒で目つきのわるい男につきまとわれたことがあります。

男はインド客引きの例にたがわず
「ダラーチェンジ」(ドルの闇両替)
「ジキジキ」(売春の斡旋)
「ハッパ、ハッパ」(これは日本語の葉っぱ。麻薬の斡旋です)。
など、あの手この手と近づいてきます。

はじめ私は無視して歩いていたのですが、
そのうち「ウニ、ウニ、タベルウニ」と、どうやら日本語らしき単語を言います。
ふと足を止め、「何だ、ウニって?」とたずねてみたところ、
男は漁師でウニやカキ、魚を捕って生計をたてていることがわかりました。
目の前でカキやウニを捕ってくるから、食べてみないかというのです。

毎日のカレーにうんざりしていた私は、
採りたてだから大丈夫だろうと思い、男に採ってもらうことにしました。
はたして男が素潜りで採ってきたウニはムラサキウニに似た、
それがゲンコツのような立派なウニでした。

ところがところが、口にするとそれがちっとも旨くない。
吐き出すほど不味いわけじゃありませんが、ウニ独特の濃厚さも味もない。
味のついてないプリンを食べる感じかな。


帰国してその話を水産会社に勤める友人にしたところ、
「そりゃ、そうだよ。ウニっていうのはコンブを食べるからウマミが出て美味しいんだ。
 そんな南の海で、何食べてたかわからないようなウニが旨いはずはないさ」
 腹をこわさなかっただけ運が良かったんじゃないか」とのこと。

考えてみれば、飲みすぎたり食べ過ぎたりすると、
より、をじさんの体臭をかもしだしたりいたします。
臭いのがわるいとばかりは言えませんが、これで食べ物というのは、
体にとって即効性があるものと考えて良いでしょう。


そういえば最近、アメリカで育てられている遺伝子組換えのトウモロコシを食べた人が
「ベエッ!」と吐き出してる様子をテレビで見たことがありました。
なんでもチョークを食べてるような食感なんだそうなんです。

いくら飼料にするとはいえ、そんなコーンを食べた牛さんや豚さんが体に良いとは思えません。
私が5年に1回もファストフードを食べないというのも、そんなわけもちょっとある。
マク○ドナルドなどでも、食べると必ず胃がもたれてイライラする。
胃腸は丈夫なはずなのに・・・いや、ホントは胃が弱いのか?
なんて、余計なことを考えてしまうのですが、
やはりファストフードは、こうした肉や水素添加した油を多用しているはずで、
その点では妙な油が体に蓄積される。

同じムダ肉をつけるなら、少しでもマシな脂でムダ肉を作った方が良い・・・
なんてことを考える今日この頃です。

写真は銀座で見かけた氷点下のスーパドライ店。
一度くらいなら試して飲んでみてもいいけど、何となく気にくわない企画だな。
すげー行列してたけどさ。
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地中海ダイエット~オリーブオイルの話

2010-05-22 09:37:23 | Weblog
本日もお日柄がよろしいようなので、地中海ダイエットの続きです。
今日はオリーブオイルの話です。

あらかじめ申しあげておくと、オリーブオイルを摂れば痩せるワケじゃありません。
オリーブオイルは文字通り油ですから、摂り過ぎれば、そらデブになります。
ただし、その油の中身がとっても良いということかな。

よく言われることですが、オリーブオイルは果汁で作られる唯一の油です。
良いオリーブオイルは果実の香りがしますけど、それもそのはず。
ジュースなんだから当たり前のことですね。

大豆油にしても菜種油にしても、植物油の多くは油脂がタネの中に包まれているので、
油を取り出すに少々複雑な化学的工程が必要だったりします。
その点オリーブの場合、油を取り出すプロセスは至って単純!
オリーブの実を石臼で潰し、取り出した果汁を遠心分離機にかけるだけ。
加熱処理をしないため、果汁に含まれたさまざまな成分がそのまま残される。
基本的な製法はローマ時代と変わらないオリーブオイルですが、
そいつが、この力強い植物の生命力を、そのまんまいただける一番の方法というわけです。


オリーブオイルの健康効果といえば、あのオレイン酸を豊富に含んでいること。
オリーブを語源にするオレイン酸は、あの地中海式ダイエットでも注目された成分で、
血中にある悪玉コレステロールを低下させる効果があります。
善玉コレステロールまで下げないところがポイントで、
体に必要なものはきちんと残してくれるみたいですね。

それよりオリーブオイルの素晴らしいところは、オレイン酸の効果なのか、
油がなかなか酸化しないこと。
フタを開けなければ、2年くらいは品質が変わらない。
また熱にも強く、かなり高温にしても油の成分が変化しない。

そのあたりが、ファストフードに多用されている油とは大きな違いです。
ショートニングなどは、液状の植物油を固形状にするため水素を添加してるそうで、
できればあまり体には入れたくない。
 
脂質というのは、体を作る大切な成分なので、
同じ摂るなら、水素添加されたショートニングよりも、
自然のオリーブオイルの方が、そりゃ良いに決まってますわ。


オリーブの歴史は古く、地中海ではBC6000年にはすでに栽培されていたとか。
いまだにオリーブオイルの世界生産の9割は地中海沿岸で、
その中でイタリアの生産量は、全体の3分の1から4分の1にあたるといいます。

オリーブの木は実にガマン強い。
この木は実にゆっくり生長するんですが、
根っこがすこぶる強く、石ころだらけの不毛な地でもジッと耐えて、
地下深くまで伸ばしていく特性があると言います。

中には数千年かけて巨木にもなる木もあり、南イタリアのゴツゴツした大地でも、
オリーブさまは喜んで大きくなり、その実をもたらしてくれるわけですね。

もっともオリーブの実はチェリーやプラムといった核果類と違って、
生で食っても苦く酸っぱく旨くない。
そこで古代人たちは塩水に漬けたり、潰して調理に使うなど工夫するうちに、
実より油の方が使えることに気がついたのです。

オリーブの油は食用としてのみならず、薬や石鹸、化粧品、潤滑油やランプの燃料など、
地中海沿岸に暮らす人々にとって、なくてはならない存在になっていったワケです。

このオリーブは実に神秘的な生命力を持った植物。
その力を丸ごといただけるということで、わが家は揚げ物以外のほとんどは
近所の”やまや”で格安に売っているオリーブのエクストラバージンを使っています。
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お命、頂戴いたします!

2010-05-21 10:06:30 | Weblog
本日はお天気もよろしいので、地中海ダイエットの続き。
(ただしオリーブオイルの話はあとまわしです)。

ところでダイエットなんて一口に言いいますが、「痩せる」という意味だけじゃありません。
もともとダイエット(diet)とは「1日の食事」ということで、
食事制限や健康維持が本来の意味だそうです。

地中海式ダイエットというのは、いわば地中海式「医食同源」です。
痩せ過ぎの人の場合は、当然、逆に体重を増やす(健康的に)こともあるわけです。

なんでも1960年頃にヨーロッパで国勢調査をしたところ、
南イタリアやギリシャのクレタ島の住民が、妙に平均寿命が長いので、
「これはなぜだ?」と研究者たちが目をつけたのが出発だそうです。

そのウラには、アメリカやヨーロッパの金持ちは、クレタや南伊の貧しき人々が、
自分たちよりずっと健康で長生きだったのが、相当ショックだったみたいですね。
昔から日本じゃあ「粗食は長生きする」なんて言われていたから、驚きゃしませんが・・・。
(もっとも粗食といってもバランス良く、食い過ぎないってことですが)。

そこで地中海に暮らすの貧しき人々の食事や生活習慣を徹底的に調べた結果、
たどりついたのが地中海式ダイエットだったんだとか。

で、その極意といえば実にシンプル。
それは適度に食べ、適度に動き、適度に休息をとることだというのです。
食事は野菜と果物、そして穀物が中心。それを毎日十分に食べる。
油はオリーブオイルを使い、チーズやヨーグルトなどの乳製品を適量。
タンパク質は豆と魚介類が中心で、肉も適量なら大歓迎。
仕上げは食事と一緒に適量のお酒を飲む。
こいつはなかなか嬉しいダイエットだけど、ほんまかいな?


地中海式ダイエットの優れている点は、人間の営みに逆らわないってことでしょうか。
人間は食べたいのをガマンできないし、眠いのもガマンできない。
1日2日徹夜したり、飲まず食わずでも死にはしないが、そんなこといつまでも続きません。
普通の人は、余分なカロリーを意志の力で節制したり、運動で燃焼させるなんて言っても、
苦行を覚悟しない限り、そんなことはできません。私はできないぞ。
地中海式ダイエットの特筆すべきは、食べることを極端に抑制しないことでしょう。


南イタリアの食においては、色のついた野菜や果物を多く摂るのが健康の秘訣。
これは中国の医食同源に基づく、青・赤・黄・白・黒の五色(ごしき)の食べ物を
バランス良く食べなさい、という考えに近いです。

ちなみに色のついた食べ物を摂ることには、きちんとした意味があると思います。
リコピンやカロチンの赤や黄色の効能といった、化学的分析はもちろんですが、
それよりもっと根源的な「食べること=命をいただく」
という意味につながるからだと私は思います。

フランスで大ベストセラーになった科学書「世界でいちばん美しい物語」によれば、
生き物に色がついてるにはそれなりの理由があそうです。
つまり色素というのは変化しやすい物質だから、
環境のちょっとした変化に最小のエネルギーで対応できるというのです。
トマトは短期間で緑から赤に変わるし、イカやタコなどは瞬間的に色を変えられる。
サカナでも生きて泳いでる時と水から揚がった時では、まるで色が違う。
あまりに安定している成分ばかりだと、生物として命を保つことができないんだそうです。

難かしい理屈は色々あるだろうが、色のあるものをいただく=命をいただく。
そんなことが、どの国にせよ医食同源の基本にあるのかもしれません。


手前味噌ながら、世界でいちばん美しい物語」は、
拙著「シエスタおじさん」が深く影響を受けた本でもあります。
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男の焼焼

2010-05-20 08:19:56 | Weblog
昨日のコメントからの続きです。
今週の龍馬伝に、杉本哲太扮する龍馬兄が
「女ばかりの所帯じゃけ、ワシの立場も弱いけえのお・・・」
というセリフを、さりげなく言っていました。

当時の土佐といえば男尊女卑的なイメージもありますが、
それでも家の中に入れば、やはり女が強いんでしょうな。

男尊女卑がコーランにも明記されてるというイスラム圏でも、
実際は家の中ではご夫人が実権を握っていて、いばってると聞きます。
かかあ天下は平和の象徴とも言うべきでしょうね。

それにしても3人も妻を持つイスラムの男性はすごい。
私などは1人でも持て余しているというのに・・・。
コーランによれば、どの妻も平等に愛さないといけないそうで・・・
んなこと出来るはずないだろってね。 

これでかみさんが強いというのは家庭円満につながりますが、
反対に男の威張りすぎはシャレになりません。

写真は先日、大相撲観戦の帰りに寄ったホルモン焼き屋の中。
客引きさんに連れられて入ったので、店の名前覚えてませんでしたが、
店名をレシートで確認したら、男の焼焼(おとこのやきやき)だって。
食べログの書き込みには「女性には入りにくい店名だ」とありましたが、
半分以上は女性客だったような記憶が・・・。
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ぬうう、な女房

2010-05-19 10:05:24 | Weblog
こないだ行ってきた庄内のスケッチや写真をまとめ、
下絵としてアップしたものを山の神に見せたら、
「この絵で、アンタ庄内の何を見せたいの?」
「空が狭いんじゃない? これじゃ絵に広がりがないわよ」
「海のある方角はこんな方角じゃないでしょ。
 庄内の人が見たら変だと思うに決まってるじゃない」
などと生意気なことを連発。
一緒に行ったこともあって、けっこう細かいことを言います。

「おいおい、オレはプロだぞ。専門家に何を言いゆう!」
と、一瞬ウヌとばかりにムッとしましたが、
言われてみれば、モノ足らない部分は山の神の言うとおり。

仕方ないので、修正を加えて見てもらうと
「まだ空が狭い!」
「まだ海の方角が変!」
「庄内の心がわかってない!」
などと、相変わらず攻撃の手を緩めません。
ぬうう! いつもながら厳しい攻めをするな~、この女。

紙と格闘すること数時間。
アップしてみると、最初に描いたものより良くなっている。
うーむ、ちょっとくやしいけど、まあしょうがないか。

仕方ないので、
「名画は恐妻家ゆえに誕生した」と言って悪態をついたら、
「なにが名画よ。いい気なもんね」と、笑いながら怒ってました。

ま、ほんとに名画になるかどうかは、これからですが、
そのつもりで取り掛からんといけません。
まだクライアントに見せてもいないしね~。
コメント (10)
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男性の好み

2010-05-18 09:29:48 | Weblog
地中海ダイエットの話はお休み。
世間の女性が意外に知らない男性の好み(あ、食べ物ね)を申しあげます。

男性は酸っぱいものとホクホクしたもの、芋や豆、カボチャの類が苦手な人が多い。
ただこれだけの話ですが、
既婚者で子供3人がみんな男・・・
なんて女性でも、意外にスルーして知らなかったりするんですね。
(知ってる人には、どーってことない話ですが)。

わが家でも、以前ずっと芋ご飯を出ていたのですが、
かみさんは、私がガマンしてたとは知らず、ずっと芋ご飯を好きだと思っていたんですな。
(私も芋ご飯、きらいというほどでもないけど、できればほかのご飯の方が良い)。
また、かみさんが「美味しいから食べてみて」というから、
何かと思えば干しイモだったりすると、私などは「ふーん」と思ってしまう。
女性の多くは、自分がホクホクした食べ物が好きなものだから、
「どうして、こんな旨いものを」と思うらしいです。

だから、若い独身男性は「肉じゃが」に弱いなんてウソ。
どこかの大手メーカーが何かを売ろうとして考えた広告文句でしょう。
世の多くの男性は、肉じゃがよりフレンチポテトやじゃがバターを好むと思います。

もっとも「ゲゲゲの女房」では、水木先生の好物は蒸かしたサツマイモ。
石焼き芋や蒸かし芋は、男がもっとも冷淡な食べ物じゃないかと思いますが、
人によって好みがあるということでしょうな。
ちなみに私は、世の男性がガマンして食べるという玄米ご飯や五穀米が大好きです。

写真は赤坂通り近くで見かけた看板。
何となく店主さんとはウマが合いそうですが、反面、二の足を踏むなあ。
コメント (17)
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今日のお題は「地中海ダイエット」

2010-05-17 11:02:53 | Weblog
なんかブログに医食同源の話題を挙げると、アクセス数が上がるみたいですね。
好評につき・・なんてこともないでしょうが、今回も医食同源の話の続きをいたします。
今日はテーマはちょっと趣向を変えて地中海ダイエットのお話。
長寿の多い南イタリアの食生活を参考に、最近になって考案された医食同源のメソッドです。

中国の医食同源が陰陽五行説にのっとった五色――青・赤・白・黄・黒なら、
南イタリアにおける健康の源は、あの三色国旗です。
つまりトマトの赤、ニンニクの白、オリーブオイルの緑ですが、
ただし、これはあくまで味を整えるソースの基本。
これら三色旗のソースが、南イタリアで使われる食材の栄養素を、
すみやかに吸収させるよう促してくれるわけ。

医食同源の要素として欠かせないのが、
タンパク質、脂肪、糖分、ビタミン、ミネラル、食物繊維という6つの栄養素。

中でも大切なのが、3大栄養素と呼ばれるタンパク質、脂肪、糖分で、
おもに肉や魚、乳製品に穀類に含まれ、
体を作り動かすためのエネルギー源になる重要な栄養素です。
体を作るだけじゃなく、美味しいものには欠かせないモノですね~。。

でも周知の通り、そいつらを摂り過ぎるのは、糖尿や動脈硬化などの生活習慣病の元。
だから昨今はビタミンやミネラル、食物繊維ばかりに注目が集まる傾向にあって、
肝心の3大栄養素はなおざりにされるばかりか、
ダイエットの大敵と目の敵にされることもしばしば。
ビタミンやミネラルも、体を作る土台があってはじめて生かされるわけで、
キチンとした食事を摂らずに、サプリメントばかり飲むのは誠本末転倒な話です。


どこの国でも医食同源の基本は、
デンプン質、魚や肉、野菜、乳製品などをまんべんなく食べることですが、
南イタリア料理の素材にはいくつかの特徴があります。

 それは・・・

1、デンプン質は、硬質小麦のセモリナを原料にしたパスタやパンが中心。
 (硬質小麦には糖質の吸収を穏やかにする働きがある)。

2、海に囲まれているため、魚の摂取量が多い。
 その中でもイワシなどの青魚がメニューの中心で、
 これらにはサプリメントでも注目のDHAとEPAが豊富に含まれている。
 (DHAとEPAは共に、血栓と動脈硬化予防効果があるとされている)。

3、肉は仔牛や仔羊が中心。鶏肉もよく食べる。
 (これらは温度が下がると固まり不透明になる飽和脂肪酸が少ない。牛脂のヘットは多い)。

4、ホウレンソウや赤黄ピーマン、ズッキーニ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜を豊富に使う。
  フンギ(キノコ)類も好んで食べるので、ガン予防にすぐれている。

5、乳製品はチーズが中心。バターはあまり使わない。
  チーズも低脂肪でカルシウムの多いものが多い。
 
南イタリアの料理は、これらの食材を短時間でサッと仕上げるから、
栄養素を壊さずに摂ることができるというわけです。

見てもわかる通り、南伊の食材は日本料理と共通点が多いですね。
和食が健康に良いのは言うまでもありませんが、
日本人にイタリアンが受け入れられるのも、うなずけるってことでしょう。

次回は未定ですが、オリーブオイルの話の予定。
コメント (2)
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「蝉しぐれ」~藤沢文学の哀愁

2010-05-16 09:41:33 | Weblog
先日、庄内の映画村で藤沢周平・原作の「蝉しぐれ」のセットを見てきたこともあり、
さっそくTSUTAYAで借りてきました。
庄内もホントに羽黒町の映画村周辺で撮影されていて、
先日堪能した風景を再度楽しむことができました。
やっぱり藤沢作品はいいね~。

と、先日の大相撲観戦の帰り、新橋のガード下であ@花さんにそう言ったら、
「え~! 藤沢周平? ウソ言うなよ、ミエ張っちゃダメだよ」と言われてしまいました。
どうやらあ@花さんにとって、藤沢周平はスルーしちゃう作家みたいです。

たしかにサラリーマンの哀愁を、武家の世界に置き換えた藤沢文学と、
”女朝青龍”の異名を欲しいままにする、あ@花さんがリンクしないのは当然のこと。
でも私は藤沢作品、ホントに好きなんだけど・・・
人から見るとそういう風には見えないのかね~。

藤沢周平、ご本人が言うには
「三十代のおしまいごろから四十代のはじめにかけて、
 私はかなりしつこい鬱屈をかかえて暮らしていた。
 鬱屈といっても仕事や世の中に対する不満といったものではなく、
 まったく私的なものだったが、私はそれを通して世の中に絶望し、
 またそういう自分自身にも愛想をつかしていた」とのこと。

藤沢文学は、そういった日本人的な感傷がベースになっているんだけど、
それが評価に分かれることもあるようです。

さて藤沢作品の、別の魅力というのは、話の展開がほぼミステリー仕掛けにあることかな。
「蝉しぐれ」では、さまざまな人間関係が折り重なっていますが、
ストーリーの核は緒方拳扮する牧助左衛門が、なぜお家騒動に巻き込まれ
切腹をしなければならないか、という謎解きにあります。
(謎は自然にわかってくるのだけど)。

人間をテーマにしながら、ストーリー展開はミステリー、という作家で有名な人といえば、
真っ先にドストエフスキーが思い浮かびます。
もちろん、その辺はきっちり意識していたのでしょう。

そんな四方山話を考えながら、2時間。庄内の美しい風景に見入ってしまいました。
写真は映画の中でも印象的な使われ方をされていた、羽黒山に至る2446段の石段です。
コメント (4)
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