小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

五重塔と漢方&東洋医学

2010-05-09 08:12:32 | Weblog
昨日のコメントに、「五重の塔は地・水・火・風・空の五大にかたどった・・」
という投稿がありましたので、今日はそのことについてちょっとお話いたします。

そう。五重塔は中国から来た、陰陽五行説に基づいたものだったのですね。
陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)は万物を陰と陽、
そして5つのエレメントに分けて考える思想です。
もちろんこの考え方は万能ではありませんが、
漢方や東洋医学を考えると、理にかなった考え方であります。
インドの古代医学アーユルヴェーダなども、この流れを組むものです。

陰陽五行では、色も赤・青・黄・白・黒の五色(ごしき)に分けます。
色はそれぞれ方角や味覚、人体の部位などに当てはめられます。
それは以下の通り。

・東は”青”で、青龍という聖獣が方位を守ります。人生の季節は青春。
・南は”赤”で、朱雀(すざく)。人生の季節は朱夏(しゅか)。
・西は”白”で、白虎。人生の季節は白秋
・北は”黒”で、玄武(亀の体にヘビの頭を持つ)。人生の季節は玄冬。
・中心は”黄”で、これが中国皇帝の色になります。

色に厳格な決まりはなく、青が緑であっても、黒が紫であってもかまいません。
この五行に乗っ取って、食べ物のメニューを組み立てると、
見た目はもちろんですが、栄養バランスもすこぶる良いものができます。
たとえば白いご飯に、青菜。赤いマグロの刺し身。黄色いカボチャの煮付け。
それに黒いワカメを入れた味噌汁。
ああ、完璧な定食の完成ではないですか!

たとえば西洋医学を見ると、人体でも薬でもあまりに細分化、分業化されていて
木を見て森を見ずに陥りやすいのですが、
漢方やアーユルヴェーダでは、その人の健康はもちろん、
住んでいる環境や毎日の食事なども含めた療法を行います。
生活を含めてトータルに健康管理ができるよう出来るのですね。

生物に色がついてるのには理由があって、
たとえば葉っぱが緑から赤に変化するのも、
ごく少ないエネルギーで済むからだといいます。

つまりは、食べ物の色にはそれぞれ意味があるということですね。
(食材はすべて生き物から作られる)。
陰陽五行説の五色について詳しくは、拙著「堪能故宮」をご参照くださいませ。

写真はアル・ケッチァーノ近くにある鶴岡の直売場あぐりの定食です。
刺し身定食と海鮮丼。これまたびっくりするほど美味しいです。
コメント (5)
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