小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

ルーヴル美術館展とイルカ漁について

2015-05-29 09:47:17 | Weblog

東京ミッドタウン地下にある茅の舎(かやのや)のイートイン。
豚汁と十穀米のおにぎりは体が喜ぶランチです♪

徳川家康四百年祭に合わせて、家康公のご幼少を描いたマンガ
「竹千代君がゆく!」
しばらく巻頭にはこちらを張っておきます。未読の方はどうぞ!

全編 一気読みはこちらから    第1章のみはこちらから

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先日、ご招待で六本木の国立新美術館の「ルーヴル美術館展」に行ってまいりました。

わたくし、堪能ルーヴルという本を出していまして、ちょっとはルーヴルに詳しいはずなのですが、今回の展覧会はほとんどが記憶にない作品ばかりでした。
そこがルーヴルのすごさといえば、すごさなのですが・・・結論から先に言うと、 ちょっと物足りない展覧会だったでしょうか。

今まで、ルーヴルと銘打った展覧会は毎年のように行われていますが、今回のものは「風俗画によるヨーロッパ絵画」というテーマです。

歴史画や貴族の世界を描いたものではなく、ルネサンス以降のヨーロッパの日常生活にスポットを当てた絵ばかりを集めていました。

目玉は何といってもフェルメールの「天文学者」
満員御礼の会場を見てもわかるように、客を呼べる画家として、近年フェルメールの人気のフェルメールは高まっております。

ただ、この絵以外にあまり目玉になる作品が見当たらないのが残念なところ。

展示方法もフランス絵画とオランダ絵画、フランドル絵画、スペイン絵画を並列してますので、初めて見る人にはその違いがわかりません。

風俗画をテーマ別に並べている意図はわかりますが、風俗の背景が違う国どうしを同じように並べているというのは、ややもすると強引ではないか・・・?

わたしも一通り、違いはわかるつもりですが、せっかくムリーリョの「蚤を取る少年」のようなスペイン・リアリズムの傑作も来てるのに、これでは大勢の人と絵の中に埋もれてしまうのが、いかんとも残念でした。

そのなかで印象的だったのは、ジャン・バティスト=グルーズの「割れた水瓶」という絵画です。
隠喩画というジャンルですが、この少女はどうやら純潔を失ったあと(見方を変えればレイプされたあと)の肖像だそうです。

そうした絵を描くのが良いかどうかは、その時代でないとわからないことですが、やはり当時としても議論を呼んだとかで、画家は実はずいぶん非難されたようです。
個人的に好きな画風ではないけど、この展覧会では気になる作品であったのは間違いありません。
ただ、ミュージアムショップには、この絵のクリアファイルが置いてあったけど、この絵に資料をはさむ気になれないかな。

点数的に多かったのが狩猟を描いた作品で、中には自画像の中に猟銃と獲物を描いた作品もありました。
狩りはヨーロッパ貴族のステータスだったし、ジビエ料理もあちらではもっとも格の高いもののひとつ。

当時、画家が狩猟をできるというのは、大変なステータスだったのでしょう。
それを自画像として描いたわけですが・・・

そんな歴史がある人たちにイルカ漁のことを言われたくないですよね。
実は、この展覧会で一番感じたのがその点。
風俗画には猟の獲物を誇示する絵が多いです。見る機会があったら、注意してみてくださいませ

次回は同じ六本木のサントリー美術館で行われた「乾山、見参!」を取り上げます。

 
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栗原類くんのカミングアウト

2015-05-27 10:20:09 | Weblog

先日、あ@花さんのブログにも書かれていた、朝イチのカサンドラ症候群特集ですが、わたしが反対に驚いたのは栗原類くんの発達障害カミングアウトです。

いや、だってカミングアウトするまでもなく、どう見てもグレーゾーン以上が入ってるだろうって。 この番組ではじめてそのことを公開したという方が、逆に驚きでした。

ただ、たしかにいつものこの人の自虐ネタはあまり感情が入っておらず、ト書きを読んでるみたいでしたが、どうもやっぱりト書き読みだったようです。

番組の最後では自分の言葉でしゃべっていたのが印象的で、ああ、言いたいことが言えて良かったねとは思いました。ただ花風社の本にあるように、社会の理解も大事だけど、自分が楽になることを先に考えた方が良いよって思いましたけどね。

この人も20歳とまだ若いので、 まだいくらでも変わっていけるでしょう。

栗原類くんがどんなタイプの障害だかわかりませんが(調べれば名前は出てきますが、ここではあまり意味ないので割愛します)、今まで人前で見せなかった感情的な様子は、これから自分が変わろうというあらわれだったのでしょう。

でも、類くん。
アゴが細すぎだな~。あれでは食べるものが限られますね。
分厚いステーキなどは、どう見ても食べられそうにありません。
フランスパンもどうかな~?

吉田類さんのガッチリしたアゴが、この人にも欲しい・・?

そんなことを考えながら、この子にも栗本さんやもりしーさんの本を読んでもらったら、随分良くなるのに・・なんて余計なお世話を思ってしまいました。

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田子ノ浦部屋、リベンジを誓う!

2015-05-25 10:13:05 | Weblog

徳川家康四百年祭に合わせて、家康公のご幼少を描いたマンガ
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照の富士の初優勝で幕を閉じた五月場所。
同部屋の兄弟子・日馬富士の必死の相撲が、同部屋の結びつきの強さを感じさせて、口惜しさはあるもののサバサバした気分で15日を見終えました。

日馬富士vs白鵬の相撲を見終えたあとは、あ@花さんのご招待で田子ノ浦部屋の打ち上げパーティーに出席させてもらいました。

会場は御茶ノ水の銀座アスター。
千秋楽の直後のパーティーとあって、比較的簡素に行われましたが、田子ノ浦勢・・・モンゴル力士たちにリベンジを誓う親方のお話に、強い決意を感じました。

われらが稀勢の里は何度めの準優勝?っていうところで、今場所も栃ノ心やら落とさないで済む星をすいぶん取りこぼしているのですが、そこはパーティーの参加者も言わずに遠巻きに見ているというところ。

きせ関も高安関も、優勝の機会がありながら出来なかったというのは口惜しいところではあるのですが、写真でも見られるようにサバサバした表情と、全身から発散される力強いオーラには、来場所につながる期待を感じさせました。

国技館で見る力士は、当然ながら場所中の気合いから殺気だっている様子もうかがえるのですが、15日間の取り組みを終えた力士のいる空間というのは、神社の中にも似た良い空気が流れているのを感じました。

それにしても、以前鳴戸部屋だった時に比べると、下位の力士の人数が少なくなっているようで、いなくなったお相撲さんも多いのでしょうね。
隆の山がチェコに帰ったというのも、少しさびしい気持ちになりました。

その中で、稀勢の里関の付け人をしている田辺くんと言いましたか。

細くまだ頼りない下位の力士ですが、細い体型から力をつけていくにはうってつけの体型です。
白鵬も最初は70kgくらいだったと言いますから、もしかすると将来化けるかもしれないという気が。

パーティーに来ていたお姉さまがたは、この付け人と一緒に写真を撮っていて(よく見るとなかなかのイケメンです)、さすが目が高いというか先物買いをしてるというか。

ともかくも今後、モンゴル勢に対抗できるのは田子ノ浦部屋しかないと思わせる千秋楽のパーティーでございました。

 

 

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「士農工商」は身分制度ではなかった

2015-05-24 11:41:38 | Weblog

もっきんばーどの鶏ユッケです♪ 痛風にはよろしくないので一口だけ(笑)

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「竹千代君がゆく!」の執筆に合わせて調べていくうちに、学校の教科書で習った江戸時代についての記述が、必ずしも史実に一致しないことがわかってきました。

知っている人は知っているような話ばかりですが、このブログではじめて聞くといった人も多いと思いますので、段階的にUPしていこうと思います。

以前、トカナに掲載された歌麿の記事に「江戸時代に鎖国はなかった」という文章を寄稿したことがありましたが、鎖国同様「士農工商が身分制度である」もまた、序列を顕すものではなかったのです。

巷では「士農工商エ○タ非×人」「士農工商印刷屋」「士農工商デザイナー」などと言って、自分の職業を卑下する時に「士農工商」を用いることがありますが、そもそも日本のアウトカーストは、平安時代以前からあったもので、江戸時代にできたものではありません。

江戸時代は当然、将軍を頂点として武士が政を司っていたわけですが、侍は名誉と誇りはあっても禄は低く、藤沢周平の小説にあるような困窮生活を送っていました。
ほかの身分から武士になることはできたそうですが、なっても下級武士の暮らしは貧しく、良いことはなかったので、なり手はあまりいなかったようです。

それ以前、戦国時代は武士と農民の身分はそれほどハッキリしませんでした。
普段は農耕作業をして、戦があると武装をしたいわゆる野伏せりがいて、それが武功を上げて出世したり、はてまた敗れては散っていたのですね。

それが今から丁度400年前の大阪夏の陣で、戦国時代の幕が降りると、戦いを業とする武士たちは一斉に失業となりました。

戦国時代を舞台にした「七人の侍」では「クマだって腹減りゃ、山降りるだよ」なんてセリフがありますが、人間腹をすかすと何をするかわかりません。

せっかく平和になった世の中なのに、失業した侍たちが食い詰めて、また戦がはじまってはかないません。失業者に必要なものは何と言っても「職」であります。

そこで計算の得意なものは商人となり、手先の器用な者は工人となり、田畠のつてのあるものは百姓に振り分けわけたというわけです。

私が子どもの時分は「百姓は民に欠かせない食べ物を作るから2番目。工人はその次。商人はモノを生産しないため、身分は一番下」と習いましたが、よく考えたら、これって共産主義の考え方ですね。

家康公がそんなこと言ったかどうか甚だ疑問ですが、明治維新と戦後によって、改竄されたことも多かった。
そんなことを実感しました。

次回はキリシタン弾圧について書こうと思いますので、お付き合いいただければ幸いです。

 

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「竹千代君がゆく!」いよいよ公開です!

2015-05-22 11:53:01 | Weblog

徳川家康四百年祭に合わせて、家康公のご幼少を描いたマンガ「竹千代君がゆく!」が、一昨日静岡市のサイトにUPされ、公開されました。

どなたでもアクセスすれば無料で読むことができるので、お楽しみいただければ嬉しいです。

上にあるような紙芝居風パラパラマンガが半分以上なので、わりと読みやすく出来ているとは思いますが、131ページある、ちょっとした大作なので、お時間ある時にでもお読みいただければ幸いです。

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ではお楽しみくださいませ!

 

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福島の絵地図、ようやく進行ちう!

2015-05-20 07:58:59 | Weblog

福島は郡山の福・ケッチァーノに展示する3枚、ようやく進行しつつあります。

締め切りは落とさないわたくしでございますが、締め切りの緩いもの、ないものはどうしても後回しになります。

この調子で行けば、夏頃には納品できる・・・かな?

 
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地中海式ダイエットって?

2015-05-19 09:33:53 | Weblog

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 23

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早いもので5月も下旬。
今週半ばにいよいよ「竹千代君がゆく!」が静岡市hpにUPされます。

連休あけの5月は、大相撲も含めてやることの多い日が続いていますが、打ち合わせや食事会などが多く、もう少し絵を描く時間がほしいところ。

ずっと手を付けられずにいた福島の絵も、ようやく描ける状態になってきたので、一一気に仕上げたいところです。

本日は「医食同源・マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ!」の23話目をUPいたします。丁度、10年前の記事ですが、食材の話だけあってさほど古い情報にはなってないようです。

どうぞお楽しみを! 

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 23
地中海式ダイエットって?
掲載日:2005年5月11日

まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!

お客さんがたは、この大型連休をいかがお過ごしだったかい? あっしは例によって仕事に追われる毎日だったが、それでも1日だけ都合がついたもんで、今年小学校に上がる孫を連れて横浜の中華街まで行ってきた。

中華街はどこも芋を洗うような混雑ぶりで――あっしがエビやフカヒレを卸してる店も、なかなか良い仕事をしていたねえ。おかげさまで息子夫婦も孫も大満足、あっしもしっかり充電できたわけさね。

ところで天気にも恵まれ、久方ぶりに良い休日を過ごすことができたワケだが、行く途中、乗り物好きの孫が「おじいちゃん。この電車、コストダウン軽量車輛だからダメ。次の各駅に乗って行こう」なんて言いやがるんで、いやはや驚きだったなあ。

福知山線で事故に遭われた方は、GWを楽しみにされていた人も多かったろうに、何とも痛ましいことで、かける言葉も見あたらない。ここに、心からご冥福をお祈りいたしやす。

あっしも人さまの口に入るものを扱う人間として、今一度、気持ちを戒しめ、さらに安全で良い食材をみなさまに提供しようと思うこの頃さ。

そんなわけでGW明けも、どうぞごひいきにお願いいたしやす。

医食同源は炭水化物から

今回のマンマミーア・イタリアンは、ご好評いただいている「地中海式ダイエット」の続き――まずはダイエットの大敵と「誤解」されている糖質、炭水化物(※1)の話からはじめよう。

お米でもパンでも麺類でも、炭水化物の食材は「主食」と呼ばれるほど、あらゆる食事の中で、最も大切な要素のひとつと言って良いだろう。

タンパク質が血肉を作るなら、糖質はその体を動かす動力だ。こいつらを不自然に削ることは、生き物としての活動を制限することになる。運動してダイエットをしようにも、燃料をきちんと体に入れなければ、脂肪も燃やしようがないからなあ。

また糖質ってえのは、体温維持や筋肉運動はもちろんだが、脳の活動にも不可欠だ。なんせ脳ってヤツは、人間が使う全カロリーの30~40%を消費するほど、燃費のわるい部位だからな~。

それなのにダイエットに夢中になっている人――特に女性は、炭水化物を控えたがる傾向にある。だが、そいつはホドホドに願いたいモンだ。(そこのお嬢さん! ご飯をちゃあんと食べないとバカになるから、お気をつけなせえよ!)

繰り返すが、Dietの本来の意味は「1日の食事」。人がこの先、何10年と生きていくために通過しなきゃならねえ、1日1日のおまんまのことさね。人間ってえのは実にだらしないもんで、寝るのと食べるのをガマンすることはできない。体を壊したり、リバウンドで苦しんだりしないためにも、健全な食事は必要だ。

そんな中、オススメの食材はご存じ南イタリア式パスタなのさ。今まで、何度も取り上げてはきたけれど、まずはパスタによる医食同源から話をはじめてみようかい。

※1 糖質とは炭水化物および、その周辺の総称。そのため並べて書くのは正確ではないが、栄養学的に完全に分けて記述するのも難かしい。ここでは食材に関して使う場合は「炭水化物」。栄養素に関して使う場合は「糖質」といったように、ニュアンス的な感覚でとらえていただきたい。

太るパスタ、やせるパスタ

なに、ゲンさん。以前、パスタが体に良いって言うから、毎日ナポリタンやミートソースを食べてたら、体重が7kgも増えちまったって?

うーん。あっしの言葉が足りなかったのか、どうやらお客さん――太るようなパスタの食い方をしちまったみてえだな~。そいつは、まっぴら御免なすっておくんなせえよ。

本来は、地中海式のパスタってえのは太らないようにできてるもんだ(理由はあとで申し上げるよ)。だが、世界中に広がっていったパスタ料理の多くは、高カロリーで高飽和脂肪の食事に変わってしまったかもしれねえや。

お客さんの食べていた、ナポリタンやミートソース然り。

ピッツァならぬピザパイ然り。パルミジャーノ・レッジャーノならぬ粉チーズ然りだ。

みなさん先刻承知なように、最近まで日本でイタリア料理に思われていた洋食は、実はアメリカ経緯で入ってきたものが殆どだ。もともとは南部イタリアの移民たちが伝えたレシピだったが、ハンバーガーをこよなく愛す彼らの舌に合わせ、次第にアメリカナイズされていったというワケさ。

これらのレシピだと、あらかじめ茹でておいたスパゲッティを水で冷やして作り置きし、調理の時に暖め直してソースに絡める方法がとられている。

たしかにこの方法は効率的で、特にアメリカのドライブインなどでは、大量の客を次々にサバいていくことができる。

だが、一方で食感としては、どうしても芯のない軟らかいものになり、ソースも大量に吸い込んでしまう。そのソースもベーコンやソーセージなど、肉類を大量に用いたものが中心で、しかもサラダオイルやバターで炒めたものを使っていれば、どうしたって高カロリーの高脂肪食になっちまうって寸法よ。

まあアメちゃんたちの多くは、ハンバーガーとアイスクリームがなしでは生きていけない。南イタリア風の軽やかなパスタより、高カロリーのスパゲッティの方が舌に合うのかもしれないがね~。

パスタは噛むことを極意と心得よ!

南イタリアのパスタがダイエットに良い理由は、アル・デンテ(al dente)――つまり「歯ごたえのある」茹で加減に由来する。わずかに芯を残して茹であげるアル・デンテは、ソースを絡めた時に、余分なソースを吸うことがなく、しかもよく噛んで食べるために満腹感を得られて、食べ過ぎを防ぐにも丁度良いわけさ。

その上、南イタリアのソースの基本はシンプルだ。

ペペロンチーニと呼ばれる、茹でたパスタにニンニクとトウガラシ、オリーブオイルを絡めたもの。あるいはマリナーラ・ソースという、トマト(赤)、ニンニク(白)、オリーブオイル(緑)という、イタリアの三色旗の食材を使ったソースがベースなんだ。

こいつを日本で言えば、ご飯をよく噛んで食べることに似ている。

それも白米ではなく、玄米や胚芽米、五穀米といったものを固めに炊いて、ゆっくり噛んで咀嚼する食べ方さ(あっしなんざは、江戸っ子なもんで銀シャリ――白米が大好きなんだがねえ)。

またパスタの原料になるデュラム小麦には、糖質以外に良い成分が実に多く含まれている。特にパスタ類はタンパク質が豊富で、ほかにも食物繊維やカルシウム、鉄分、ビタミンB1などの含有率がすこぶる高いんだ。食材として玄米に近い価値があるのも、そのあたりにあるんだろうな。

またパスタの糖質は吸収が穏やかなので、食後の急激な血糖値の上昇を抑えることができる(糖尿病患者さんに最適だね)。

また一方で、パスタの糖質は食べてすぐにエネルギーになるから、運動選手では試合の前にパスタを食べる人も少なくない。ともかくも栄養学的に見てオススメの食品であることは、間違いないってことさね。

(もっともあっしらの年代だと、アル・デンテの一方で、弁当に入っていた軟らかいナポリタンにノスタルジアを感じることも少なくない。あれはあれで旨いもんだからな~。最近の料理人の中には、アル・デンテでなくって、美味しいパスタを出す――という考え方の人もいるようだ。フレンチなどはソースの味を重視するし、洋食屋さんもしかりだ。まあ、食には「これ」って決まりがあるわけじゃねえ。要は美味しくって、体に良ければいいんじゃねえかな)。

肉にもアル・デンテがある?

不思議なもんで食感の好みというのは、お国によってさまざまに異なる。

パスタにしてもアル・デンテを好むのは、イタリア人以外では最近の日本人くらいのもんで、アメリカでもフランスでもドイツでも、パスタを注文すると、だいたいがクタクタに軟らかくなったものを出してくる。

日本人の場合、麺類はシコシコ、野菜はシャキシャキといったように、歯ごたえのあるものを好むのに対して、肉類は「舌の上でとろけ」「箸でちぎれる」ほど柔らかいものを好む傾向がある。

また、あっさり味を好む日本人だけど、肉に関して言えば、スキヤキやしゃぶしゃぶに使う霜降り肉や、トンカツのロース肉のように、適度に脂身が入った濃厚なものを好むようだ。これは肉ってえものが高級なもので、しっかり食べておきたかった時代の名残りかもしれねえな~。もちろん外人だって、スキヤキやトンカツを旨いと言って食べるけど、彼らにとっての肉のスタンダードは、霜降り牛でもなければ、ロース豚でもない。

欧米人は全般に歯ごたえのある肉を好むのさ。

特にステーキなどで柔らかい肉は、連中にとっては物足りないみたいで、いかにも「肉を食べてる!」っていう感じにはならないらしい(それでも本当に美味しい和牛は、彼らも喜ぶけどね)。

まあ、アル・デンテの本来の意味が「歯ごたえ」とするならば、肉にもアル・デンテがあるってことかもしれねえな~。

 

肉も体に良いぜ!

日本で食べられる機会は少ないが、ヨーロッパの肉ってえのは実に旨いもんだ。特にイタリアやフランスのは、牛にせよ豚にせよ独特の香り、フレーバーがある。

特に仔牛などをソテーにして食べると感じることだが、ちょっとミルクのような甘い香りがするんだ。それは和牛とは違う味わいだし、米国産やオージービーフとも一味違った、別の上品さがあるんだ。

さて南イタリアの場合で言えば、人気があるのは仔牛肉や仔羊肉といった、クセも脂身も少ないものが好まれる。脂が少ないせいか、肉本来の持つ旨味がタップリ凝縮されており、

生命をそのままいただく有難さってえのかなあ・・・そらあ実に旨いもんさね。

最近の研究では高齢者の場合でも、肉も適度に食べた方が良いと言われているが、こうした赤身の肉ってえのは、実に体に良い。脂肪分の少ない肉は高タンパクの低カロリー食だし、加えて言えば、そんな肉には人間を幸福にしたり、元気にさせる酵素が含まれているそうだ。

さて、南イタリアには豚肉の赤身を使ったレモンソース炒めがある。

赤身の肉を大量のレモン汁に漬け、塩胡椒で味付けをしたあと、オリーブオイルでレモン汁が蒸発しするまで炒める、実にシンプルなレシピだ。

こいつは低カロリーで満足感も得られるため、ダイエットする娘さんにオススメの逸品だ。だまされたと思って、いちど試しておくんなせえ(ただしレモンには、防カビ剤不使用のものが良いだろう)。

さ~て、時間が来やがった。

それじゃお客さん。次回をお楽しみに!

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ!
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小学校クラス会~子どもは大人の蕾

2015-05-17 09:58:16 | Weblog

ジャガイモのニョッキ 白ラグーソース 爆弾焼き。
ピッツァの生地でニョッキを窯焼きいたします♪

昨日は小学校のクラス会を赤坂5丁目のイタリアン、ギタローで行いました。

私の出身校は旧赤坂小学校。
現在の赤小は昔は檜町小学校と呼ばれ、子どもの数が減ったことから20年ほど前に旧赤小と氷川小学校、檜町小学校の3校を統合したものです。

2年前から、幹事をやっていた友達が岡山に引越したため、私が幹事を引き継いでいるのですが、ここ何年かは親の介護やら何やらで、参加者は一桁代のことが多く、昨日も7名と少数の集まりでした。
ただ、それだけにお互いに話が出来て楽しい時間を過ごすことができました。

私たちの小学校は、当時から子どもの数が少なく、1クラス30人ほどだったでしょうか。6年間1クラスでずっと一緒という、今考えるとかなり変わった環境でした。

白アスパラのフリットは今が旬♪

集まった7人のうち、自営業が4人。3人がお勤めですが、そのうち1名は演劇集団で働いているという、わりと変わった組み合わせです。

よく「クラス会に出られるのは社会的地位のバロメーター」なんてことを言いますが、6歳からの6年間を一緒に過ごしていて、ほぼ毎年クラス会をやっていると、自分が社会でどんなポジションにいるかということは、お互い話題に出ることは少ないようです。

それより、子どもの頃の時間を共有していることで、時空を超えて、その時お互いに何を考えていたのか・・・今だから、わかること、納得できる話がいっぱいありました。

意外だったのは、当時学級委員になった回数が多く、先生からもまわりからも「真面目で良い子」と思われていた友だちが、ホントは天然で何も考えてなかったということでしょうか(ほめてます)。

世間では「良い子は辛い」「良い子を演じているのが辛かった」という「良い子」が多いようですが、どうやら、そればかりとも言えないようです。

当時は「気取ってる」と思われていた、その友だち(男女複数)が、実は余計なことを考えてないので、そういう振る舞いに見えたようです。

余計なことを考えない、余計な欲をかいていなかったおかげでしょうか。
本人にとっては色々あるのでしょうが、普通に幸せな人生を享受しているように思えました。

自分の人生も含めて、子どもの頃とは今の自分の姿の蕾のようなもの。

綺麗に咲くかどうかは、個々それぞれですが、バラが桜になることはありませんし、ユリはひなげしになることはありません。

4時間たっぷり話、実に楽しい時間を過ごせました。
来年も夏頃にしようと思っています。

ローマ風カリカリ生地のマルゲリータです!

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疲労のたまった耐熱ガラスが、遂に・・・

2015-05-16 12:33:24 | Weblog

昨日、朝ご飯を食べて一服していたら、長年使っていた耐熱ガラスの鍋蓋から「クワッ」と悲鳴にも似た音が鳴りました。見ると鍋蓋には細かいヒビが入っており、取っ手を持つとポロリと取れてしまいました。

あの何とも言えない音は断末魔の悲鳴だったのでしょうね。

昨日の「ストレスみなおし道場」の記事で、ストレスとは「歪みのかかった状態」といった意味を申し上げましたが、この耐熱ガラスの鍋も相当ストレスで疲労していたに違いありません。

今月初めくらいに突然取っ手が固定せず、クルクル回るようになったのですが、あれはその前兆だったのですね。

鍋蓋とは別に、取っ手がとれてしまったの塩入れも欲しかったので、天気もよかったこともあって、購入した外苑前のフランフランで買い足しに(TOPの写真)。

ついでに、同じように取っ手が取れていたザルも購入。
どれも取っ手が、”とって”もやわくなってます・・・なんて、ウフッ♪

ザルに取っ手は必要ありませんが、取れたところがささくれ立って、当たるたびに痛かったので、前から変えたいと思ってたので丁度良かったところ。

ついでに立てて使えるスワン型のお玉も買いました。道具を変えると、整理下手な私でも少しは片付けようという気になりますが・・・家に帰ってみて、思わず声を上げました。

いかん、いかん。
肝心の鍋蓋を買うのを忘れてた。

当面は 前から使っている金属のフタで代用しよっと(苦笑)

 
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ミッドタウンにゴジラ出現!

2015-05-14 08:54:35 | Weblog

こちらの写真は東京ミッドタウン前に設置されたゴジラのフィギュアです。
なかなか良く出来ていますが、記念撮影する人が多過ぎて通りのジャマ。

わたしは誰が撮影してようとしてまいと、自転車で「前を失礼」と言ってスルーして通ってますが、観光的にはツーリストに満足してもらえる設置でしょうね。

恒久的に置くのか、それとも時期限定か。
かなり精巧にできているので、ずっと置いておくつもりかもしれません。

↓ こちらは拙画の大阪ナニワ涅槃図。バックにネオンのゴジラがおます♪

 
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イタリア三色国旗は健康の源

2015-05-13 08:59:05 | Weblog

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 22

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昨日の稀勢の里は、何度も苦杯を飲ませれている安美錦が相手。

立ち合い前は目をパチパチどころか、額を上下させてパチクリしていたので、イヤな予感がしましたが、何度か危ないところはあったものの、最後は力強く攻めて勝ちました。

琴欧洲の鳴戸親方も「攻めたら強い」と評価していました。

さて、本日は久々に「医食同源・マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ!」の22話目をUP。全29話も、あと7話を残すのみになりました。

それではお楽しみのほど!

  

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 22
イタリア三色国旗は健康の源
掲載日:2005年4月27日

まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!

早いもんで、こないだ新年の挨拶をしてたと思ったら、もうゴールデンウィークが近づいてきやがった。世間は海外だ、国内だと騒いでいるが、客商売のみなさまにとって、このGWは大事なかき入れ時に違いない。

この時期、あっしも大忙しで、ここ何十年もGWに休みをとった記憶がありゃしない。

先日も中国旅行を予定していた団体客が、例の騒ぎでキャンセルが相次ぎ、急遽国内旅行に変更なんてケースがあったようだ。そのおかげか、このところ旅館さんやホテルさんからの、注文が殺到しているところさ。

まあ、中国と取り引きのあるあっしらにとって、今回の騒ぎはまったくもって歓迎できる話じゃねえが、別のところで利益を得ているお客さんには、せいぜい儲けていただきてえもんだ。

ところで、スイサンドンヤ・ドットコムさんは市場と冷蔵庫の関係で、何日かお休みになる。みなさまにはご迷惑をかけて、誠に申し訳ないけど、ご了承していただければ有難えってもんで・・・。

お休みの詳細はトピックスを見ていただくことにして、ともかくもご注文はお早めにお願いいたしやすよ!

女性の美しさは「健康」から

さて、前々回だったか――マンマミーア・イタリアンで「地中海式ダイエット」の話をしたところ、少なからずの反響があった。ダイエットというと、どうしても痩せる方に目がいきがちな中、”diet”――つまり「1日の食事」という本来の意味に則した食事法が、最近になって注目されたということだろう。

あっしの娘・サヨリの友だちに、我流のとんでもないダイエットでおかしくなった娘がいるんだが、その食生活とやらを聞いて、びっくり仰天しちまった。

朝はコーヒー1杯にはじまり、昼食のメニューはヨーグルト1個にもずく1パック。晩は具のないベーグル1個と切り干し大根1パック、アミノ酸飲料を1本に、あとは大量のサプリメントで済ませるといった具合さね。

だが彼氏とケンカした時に限って、夜中にアイスやバームクーヘンなどのお菓子を買って来ては、ドカ食いしてたらしいやな(そうしちゃあ、『0.5kg減った』『0.3kg増えた』とか言って、一喜一憂してたそうなんだが)。

それが先日、とうとう大ゲンカの末に別れちまったそうで・・・今では朝昼絶食しては、夜中に食いまくる生活を続けてるって話さね。娘を持つ親とすると、まことに胸の痛くなる話なもんで・・・今一度、医食同源とやらを見直してもらいてえもんだ。

ダイエットに夢中になってる方に「痩せる=美しい」じゃないと、いくら説明したところで聞いてくれやしないだろうが、美しさの必須条件が「健康」であるということは、どなたさまも納得してくれるだろう。

よっく考えておくれよ。言うまでもないけど人間の体ってえのは、すべて食べ物で構成されている。もずくやヨーグルトがいくら体に良いと言って、「それだけ」で済ませる貧弱なメニューが、平均的な成人女性の体を維持できるかどうかを。

そんな意味で、地中海式ダイエットってえのは、しっかり食べて健康管理をするという文字通りの医食同源だ。南イタリアにはデブも多いが、美人も多いし、平均寿命はすこぶる長い。食べる量さえ間違えなければ、素晴らしい健康レシピだってわけさね。

今回は、そんな医食同源とダイエットを兼ね備えた、南イタリアの食事法をさらに踏み込んでお話いたしやしょう。

イタリア三色国旗は健康の源

南イタリアで味を整えるソースの基本は、イタリアの三色国旗だと言われている。

つまりトマトの赤、ニンニクの白、オリーブオイルの緑。この3色が味の基本というわけだ。こいつらは体に良いのは言うまでもないが、南イタリアで使われる、さまざまな食材が持っている栄養素をすみやかに吸収させるよう促進してくれるんだ。

中国における医食同源は、陰陽五行説にのっとった五色――青・赤・白・黄・黒をした食品をまんべんなく摂るのが基本だが、食材の彩りが栄養バランスにつながるというのは、どこでも同じなんだな。

そんな医食同源の要素として欠かせないのが、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維という6つの栄養素だ。中でも大切なのが、3大栄養素と呼ばれるタンパク質、脂質、糖質で、こいつらは体を作り、動かすためのエネルギー源になる重要な栄養素だ。

その中心になるのが、肉や魚、乳製品に穀類。子供の好きなハンバーガーやカレー、トンカツ、寿司にケーキ・・・体を作るばかりじゃない。美味しいものに3大栄養素は欠かせない存在なのさ。

だが、こいつらは周知の通り、摂り過ぎると糖尿や動脈硬化などの生活習慣病の元になってんで・・・昨今はビタミンやミネラル、食物繊維ばかりに注目が集まる傾向にある。肝心の3大栄養素はなおざりにされるばかりか、ダイエットの大敵と目の敵にされることもしばしばだ。

だが、それは誠に本末転倒な話。ビタミンやミネラルも、体を作る土台があって、はじめて生かされるわけで――しっかりとした食事を摂らずに、サプリメントばかり飲んでも効果は期待できないってわけさね。 

南イタリアの5大食材って?

どこの国でも医食同源の基本とは、デンプン質、魚や肉、野菜、乳製品などをまんべんなく食べることがだろうが、南イタリア料理の素材にはいくつかの特徴がある。

それは・・・

1、デンプン質は、硬質小麦のセモリナを原料にしたパスタやパンが中心。硬質小麦には糖質の吸収を穏やかにする働きがある。

2、海に囲まれているため、魚の摂取量が多い。その中でもイワシなどの青魚がメニューの中心で、これらにはサプリメントでも注目のDHAとEPA(※1)が豊富に含まれている。

DHAとEPAは共に、血栓と動脈硬化予防効果があるとされている。加えてDHAには記憶力の向上効果が期待できると言われている(あっしの感触では、マグロの目玉なんぞを食べると、ホントに記憶力は上がるように思えるな~)。

3、肉は飽和脂肪酸(※2)の少ない仔牛や仔羊が中心。鶏肉もよく食べる。

4、ホウレンソウや赤黄ピーマン、ズッキーニ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜を豊富に使う。またフンギ(キノコ)類も好んで食べるので、ガン予防にすぐれている。

5、乳製品はチーズが中心。バターはあまり使わない。

チーズも低脂肪でカルシウムの多いものが多い。パルミジャーノ・レッジャーノのようなハードタイプより、ソフトタイプが中心。ペコリーノやリコッタのような羊の乳からとったものや、モッツァレッラのように水牛の乳を原料にしたものが少なくない。

南イタリアの料理は、これらの食材を短時間でシンプルに仕上げるから、栄養素を壊さずに摂ることができるのさ。見てもわかる通り、南伊の食材は日本料理と共通点が多い。

和食が健康に良いのは言うまでもないが、日本人にイタ飯が受け入れられるのも、うなずけるってことさね。

※1 DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略で、どちらも不飽和脂肪酸の一種。不飽和脂肪酸とは、植物に多く含まれる脂肪酸で、心臓、循環器、脳、皮膚といった重要な器官や組織に必要な栄養成分のひとつでもある。 

※2 温度が下がると固まり不透明になる脂肪酸。バターやベーコンなどの動物性脂肪に飽和脂肪酸が多く含まれる。ただし、植物性=不飽和脂肪酸。動物性=飽和脂肪酸と完全に分けられるわけではなく、あくまで含有量の多い少ないといった傾向があるという話である。

健康の源はサカナにあり

中でも、南イタリアと日本料理との共通点として注目したいのが、サカナだろう。

あっしもマグロの買い付けに、南伊からシチリア、サルディニアには何度となく足を運んだことがあるが、海沿いの人たちは実によく魚を食う(水揚げされたばかりのサカナを、強い陽射しの下にさらしたりと、刺身で魚を食べる日本人から見ると、管理面で気になるところはあるけどな)。

前に申し上げた通り、地中海は海が穏やかなため魚の身肉が柔らかい。そのため、レシピも加熱してからレモンをかけるといった、身を締めるものが多いのが特徴だが、その中で注目したいのが、イワシやサンマ、サバといった青魚の調理法だ。

南イタリアからシチリアで一般的なのが、「アッラ・グリッリア」と呼ばれるレシピで――これは、イワシなどの青魚にオリーブオイルをかけ、パン粉で包んでから、オーブンでグリルする調理法だ。

これは熱による身肉の変質を守り、その上、魚の良い油分を逃がさないメリットがある。

青魚の類にEPAが豊富に含まれているのは、みなさま周知の通りだが――実はEPAが変質した過酸化脂質は、血液サラサラどころか、反対に動脈硬化などを引き起こすとも言われている。

もちろんお客さんがたの中に、古いイワシを食べる方など、いるわけねえから、そんなことを心配することはねえだろうが――サカナをオーブンで焼く方法は、もっとも脂の変質を少なくするレシピのひとつなんだ。

加えてオリーブオイルやニンニク、オレガノ、ローズマリーといったハーブ類は、青魚独特の臭みを消し、塩分の軽減させるってワケで・・・舌も体も喜んでくれるってわけさね。

まあ旨いものの欠点は食べ過ぎてしまうこと。

それさえ気をつければ、サカナで寿命が伸びることは請け合いさね。

さーて、時間がきやがった。地中海の医食同源――続きは次回にいたしやしょう。

それじゃあ、お客さん。次回をお楽しみに!

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ!
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「竹千代君がゆく!」は、今月下旬UPします!

2015-05-12 09:09:39 | Weblog

昨日、静岡市のホームページに5月下旬UP予定「竹千代君がゆく!」、すべて原稿をUPしました。上のイラストはその大扉です。

というわけで、好天の中を家康公建立の愛宕神社に参拝。
セブン区議の当選祈願をかなえてくれた縁起の良い神社には、家康公建立とあって、自然と良い気がめぐります。

絵馬を奉納し、おみくじを引いたら「大吉」が♪
幸先良い一区切りですが、家康公にあやかり、かえって気を締めて行きたいと思います。

昨日は、われらが稀勢の里は初日白鵬に金星をつけた逸ノ城に快勝!
ゆけゆけ竹千代! ゆけゆけ稀勢の里!

 
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大相撲、座布団舞う初日!

2015-05-11 09:56:33 | Weblog

昨日は大相撲初日。
あ@花さん、愛甲さん、栗本さんと花風社カルテットで観戦に出かけました。

専門が違う人と行くと、それぞれ感想が違うのが面白いところ。
栗本さんは力士の体型からケガなどをどこに抱えているのか推測しますし、 愛甲さんは国技館の持つ場の「気」について語ります。

愛「国技館って、とっても良い気が流れてますね~」

あ「そうなんですよ。お相撲は神事ですから、雰囲気が神社と同じなんですよね」

栗「ぼくもこの雰囲気、大好きです。野球観戦だと、もっと殺気だってますよね~」

小「東京ドームは特にそうですね。巨人vs阪神戦は特にそうですね。今年は横浜が良いけど、海が近いことも横浜スタジアムは雰囲気良いですよ」

愛「横浜はもう優勝したんですか?」

一堂「・・・え??」

こんな具合に珍道中というか、4人のかみ合ってるんだか、かみ合ってないんだかわからない掛け合いは続きました。

ほかにも栗本さんの過去、面白い話がいっぱいあったのですが、さすがにブログに書けませんので、知りたい方は講座の二次会の際にでもご本人に聞いてくださいませ(苦笑)。

入り待ちで撮影した隠岐の海関です♪

今や相撲人気は大変なもので、田子ノ浦部屋のちゃんこも行列で食べられず。

閑古鳥が泣いてる頃の国技館を知ってる者にとっては驚きです。
今までこんなことなかったのですが、初日の取り組みは見応えも十分。

入り待ちでやってくる関取衆も大勢のギャラリーに気合いが入るのがわかります。

大関取りの照の富士は、佐田の海を起重機のようにつり上げた直後、もっていきそこねてたちまち逆転。

稽古で好調だった稀勢の里は、宝富士に快勝。

そして、注目結びの一番。
白鵬vs逸ノ城は、白鵬が逸ノ城の右まわしを取った瞬間の突き落とし。

白鵬が初日黒星というのは、3年以上なかったことだそうで、もちろんあ@花さんと私は(隣のおじさんが大酔っ払いで、途中で姿を消したこともあって)座布団2連発。

愛甲さん、栗本さんはなにか遠慮して座布団は飛ばしませんでしたが、ひいきも勝って大満足の初日でした♪

 
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本日、これより国技館♪

2015-05-10 08:32:27 | Weblog

しばらくブログをサボってましたが、特に理由あってのことではありません。

外に出れば百花繚乱のこの頃。
ツツジにアマリリス、バラと、本日は珍しく花の写真のUPいたします。

ツツジだけに、この花はドウダン?・・・なんて、ウフッ♪

本日、これより国技館にて大相撲初日を楽しんでまいります。

 
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今朝は山菜朝ご飯

2015-05-07 08:52:30 | Weblog

昨日は休肝日。早起きして、筍ご飯とウドのキンピラ、キノコのみそ汁を作りました。山菜朝ご飯で血液の掃除をいたします♪

そろそろ痛風発症してから、この5月で丸3年。
再発はしたことありませんが、過食や飲みが続いたあとは、つい慎重になります(笑)。

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