小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

米中第二の冷戦あるかないか?〜「馬鹿」の語源こそが中国共産党の本質です。

2020-05-29 09:25:36 | Weblog
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先日の火曜日、zoom会議で行ったタマダのお題に上がったのが「米中第二の冷戦、あるかないか?」でしたが、両国がぶつからないはずはありません。
現に舌戦による前哨戦は 始まってるしね。

実際の戦争になるのか、経済戦争や冷戦で済むのかは、わかりませんが、アメリカにしてみれば勝てる時に手を打っておくというのが、今までの歴史から見て定石です。

今後どうなるか、素人の私にはなんともわかりませんが。

中国の外交官が「中国5000年」などと仰っているようですが、実際には中華人民共和国の歴史はたかだか71年。それ以前にしても、新しい王朝ができるたびに、前の王朝を破壊するという歴史の繰り返しなので、継続性が希薄なことは事実です。

ただ5000年は盛りすぎにせよ、およそ3000年ほど…あの大陸の中で受け継がれてきた遺伝子があることは確かです。

膨大なチャイナの歴史に受け継がれてきた遺伝子ですが、残念なことに、それらは中国以外の外国と相性が良いとは言えません。

その遺伝子の筆頭に挙げられるのが、制度こそなくなりましたが皇帝の存在です(事実上、現在の中国共産党が皇帝に当たります)。あの大陸は、ひとつの権力が統括しないと動かないようになっているのですね。

個々に見れば、中国人もある程度は普通の人たちですが、それを統括する存在はそうではありません。皇帝、あるいは中国共産党は神であり、絶対的な存在です。それに逆らうことなどは決して許されず、あの文化大革命の時代は親でさえ、密告によって売ることも少なくありませんでした。

「馬鹿」という言葉は、秦の時代…始皇帝亡きあとに権勢をふるった宦官・趙高が、自分の権勢を示すために、鹿を「馬」と言って皇帝に献上し、それを「馬」だと言わなかった家臣を粛清したことに由来すると言われています。

文字通り、馬鹿な話ではありますが、コロナ禍について中国共産党やWHOなどが主張しているメッセージは、この話の延長に他なりません。

黒いものもトップが「白」と言えば白くなるカルチャーは、あらゆる嘘や無理も聞かなければならず、とても私たち日本人に受け入れられるものではありません。

話し合いをしようにも、最初から「鹿」が「馬」だという結論が決まってる相手に、会話は意味がないのです。

今回の香港の一件については、左翼系の人たちもさすがに非難しているようですが、コロナを全世界に拡散した彼の国を、どう考えていくのか、歴史をひもときながら考えていきたいところでしょう。

そうは言いながら、今回の写真アップは中華料理のバリエーション(笑)。お店で中華料理を頂きたいこの頃です。中国共産党とカルチャーは別物ですからね♪

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ジョージアのディスカッション「タマダ」をご存知ですか?〜zoom会議で一度お試しあれ!

2020-05-27 15:58:53 | Weblog
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昨日は火曜恒例になった、zoom会議ならぬ飲み会。

柔道仲間で今はまったく稽古ができない状態なので、会議と称して飲み会をしているのですが、やはり実際に顔を突き合わせて飲むのとは少々お勝手が違います。

とはいえ、ネットを介在して会話がリアルにできるのは有難いお話です。
五人以上で実際の飲み会だと、 席の関係で話があちこち飛んでしまいますが、zoomの飲み会だと、それこそ会議みたいに、ひとつのテーマを決めて一人一人発言できるところが趣の違うところでしょうか。

柔道の火曜会はうるさ方の論客が多く、若い頃には飲み会などで政治討論などをはじめると、収拾がつかなくなることも少なくありませんでした。

そこで、取り入れられたのが、ジョージアの宴会で行われる「タマダ」と呼ばれるディスカッション形式です。

といっても、実際にジョージアでどんなディカッションをしているかは知りませんが、私たちが行っているのは以下のようなルールです。

1、宴会に集まった人の中で司会者を立て、メンバーにそれぞれお題をお願いする。
お題の例 アベノマスク、是か非か 。種苗方是か非か。

2、集まったメンバーがそれぞれ「お題」について、是か非かを言い、2分以内でその理由を言う。意見は2分以内で原則延長は認められない。

3、最後に「是か非か 」の決をとり、どちらが多かったかを数える。

4、最後が肝心で、お題の決を取ったあとは、次のお題に移り、それ以上の議論はしない。

タマダ・ルールでディスカッションを初めてから、酔っ払ってケンカ越しになることがなくなりました。もっと話したい人は別にやってくれというわけです。

飲み会で議論になるグループの方は、一度タマダをお試しください。面白いし、雰囲気がわるくなることは、まずありません。

昨日のzoom会議では「米中、第二の冷戦。あるかなしか」というお題でした。
これに関しては、また別の機会に(笑)。

 

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「政治と宗教と野球の話はするな」とは誰が言った?〜芸能人の政治的な発言、是か非か (続き)?

2020-05-25 16:38:16 | Weblog
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昨日のちょっとした続きです。フェイスブックに投稿したところ、友人の駒形克哉画伯からこんなコメントが。

私も素人なので漠然とした印象ですが、種苗法は著作権の保護と似たようなことに思えます。芸能人でも文化人でも発言は結構ですが、所詮素人の発言ですから、そのつもりで聞くなら聞くべきでしょうね。

そうそう。
私の言いたかったことって、そこだったんだよね(笑)。

けっきょく聞き手がどう取るかですよね。 芸能人や文化人の発言は影響力がありそうですが、それこそ所詮素人の意見ですからね。

ただ、自分が正しいと思ってる素人どうしが、ぶつかり合うと泥仕合になります。

議論、ディベートは勝ち負けではなく、違う意見をどう言い交わすかが本質ですが、勝ち負けにこだわると、自分を曲げない方に力を注いでしまいますからねえ。

ちょっとそんなことを補足しておきたくなって、記事を書きました。

さて、これから緊急事態宣言解除に向かいそうですが、これからどんな方向に向かうかどうか。数ヶ月前と世界が変わってしまった感がありますので、あわてず考えていきたいと思います。

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「政治と宗教と野球の話はするな」とは誰が言った?〜芸能人の政治的な発言、是か非か ?

2020-05-24 09:14:23 | Weblog
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東京では売ってない551蓬莱の豚まん&焼売を通販で取り寄せました♪

「政治と宗教と野球の話はするな」とは誰が言った?

相変わらず、8年も前に書いた上記の記事のアクセス数が多いのですが、これはで「アベノマスク是か非か」「検察庁法改正案是か非か」「種苗法改正是か非か 」などの影響があるのでしょうね。

検察庁法改正については、改正しない方向で決まったようですし、種苗法改正も今のところ見送りになったようです。

この辺りのことについて私はまったく素人なので、白黒の意見は控えますが、種苗法改正阻止に関しては、お隣の大陸や半島の都合が働いたのかな、という気もしています。つまり日本の農家が懸命に開発した種を、無断で自国に持ち込み栽培して売る人たちの都合ですね。あくまで“気がする”というレベルではありますが。

巷で言われている芸能人の政治的な発言も、おそらくは大半の人はその程度の感じで発言しているのだと思います。

人によっては「調べてから発言しろ」なんて声もありますが、どの程度調べて言うか、レベルは様々でしょう。また法律は人間が作るものですから完璧でなく、何をしても一長一短になることは間違いありません。

ですから「芸能人の政治的な発言、是か非か」と言われたら、それは「是」に決まっています。言論の自由が憲法で保障されているわが国で、「非」などと言うことがあれば、それこそあってはならない話ですから。

ただ、芸能人という人たちは、メディアに寄り添って生活してますので、その世界の考え方に浸かっていることは確かでしょう。

柴崎コウさんの種苗法発言しかり。
あの人が改正見送りをさせたとも思えませんが、まんまと国外に種を持ち出している人たちにのせられたような気がします。

家にいる時間が長くなり、テレビを見る時間も増えた家庭も多いでしょうが、わが家は地上波のワイドショーやニュースなどは、なるべく見ないようにしています。

見るのはもっぱら旅番組や料理番組。
それもYouTubeが多いかな。

テレビはいらないとまでは言いませんが、現在ほとんどが再放送で番組をまかなっているこの状態…今後、様々なものが再編されていくのかもしれません。

 

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最近、アトリエ・ヨガにハマってます〜過去から後悔がやってきて、未来から不安がやってくる。だから現在のみに集中する

2020-05-22 11:38:19 | Weblog
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未曾有のパンデミックの中、今のところ、わが国の感染者も死亡者数も欧米に比べて少ないですね。

抗体を日本人があらかじめ持っているのか、普段からの衛生概念があるのか、医療者の尽力か、それとも政策が実は良いのか(笑)、理由はまだ明らかにならないでしょうし、このまま振り切れるかどうかはわかりませんが、早い日常生活の再開を願うばかりです。

私の方といえば、仕事の点では流れたものが多々あったり、当然ながら影響は世間並みにはありますが、生活の点では充実しています。というより、充実する方向に持っていかないと肉体的にも精神的にもよくないので、なにごとも良い方に考えられるようにしています。

そんな意味で、今わが家の健康とメンタルに貢献しているのが、3600円ほどで購入した2枚のヨガマットです。

81万人の登録者がいるB-LIFEのヨガレッスン

妻が在宅勤務の日は、夕方仕事を切り上げてから家ヨガです。
場所は私の仕事部屋、いわばアトリエ。

今のところ仕事は、秋口に出る「アチャールくん 完全リニューアル版」が中心なので、油彩やフィギュアの制作と違い、大きく部屋が散らかることはありません。

簡単に部屋を片付けてからYouTubeに登録しているチャンネルから、その日の気分に合ったレッスンを選び、1時間ほどの家ヨガをします。

これが肉体的にも精神的にも実に良い!

ヨガに関しては、私もジムのレッスンでやってる程度で、妻はまるっきりの初心者ですが、YouTubeのレッスンはなかなかクオリティが高い。
もちろんインストラクターの指導があった方が良いに決まってますが、家ヨガの魅力は終わってすぐシャワーや風呂に入ってご飯がいただけることですね。

部屋も片付けないといけないので、家がきれいだとストレスもたまりません。また、何より妻がヨガにハマってくれてるのが嬉しいですね。

ヨガの考え方のひとつに、「過去から後悔がやってきて、未来から不安がやってくる。だから現在のみに集中する」ということがありますが、まさしくこの時期にふさわしい教えですね。
ヨガ効果なのか、仕事はいくつも消えましたが、 おかげさまで不安はそんなにありません。毎日やることがいっぱいあることも良いのかもしれません。

家でご飯を作るのも楽しいものです。
とはいえ、外のご飯が恋しいこの頃。早い日常生活の復帰が待たれますね。

▼こちらは昨日いただいた551蓬莱豚まんとラ王しょうゆ味の昼食です♪

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「星の王子さま」河野万里子訳で読みました〜「いちばんたいせつなものは目に見えない」

2020-05-18 10:24:23 | Weblog
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「7日間ブックカバーチャレンジ」で選んだ「星の王子さま」ですが、今回は3つ目の翻訳、河野万里子訳で読んでみました。

結論から言うと、この翻訳が一番読みやすく内容がすらすら頭に入ってきました。
河野万里子先生が、原文と先人の翻訳をつけあわせて、いろいろ研究した成果もあるのでしょうが、さすがという感じでした。

名訳の決定版と呼んで差し支えないかと思いました。

それにしても読めば読むほど迷宮に入っていく不思議な物語ですね。
作者が王子さまに出会った話を、思い出して書いてるだけのストーリーなので、ドラマチックな展開があるわけではありません。
一見、王子さまが出会った相手を、 並べて書いてあるだけなのですが、それなのに引き込まれて読んでしまう。

こんな本は「星の王子さま」以外にないでしょう。

本文中には短いストーリの中で、王子さまと作者、わがままなバラやうぬぼれ男、王さま、キツネ、ヘビなど、さまざまなキャラクターが登場します。

面白いことにキツネ以外は、考えていること、思っていること、見ているものが、各々でまったく違うのです。

卑俗なたとえになりますが、今回のコロナ騒動では「アベノマスク是か非か」「検察庁法改正案是か非か」など、さまざまな意見がSNSにアップされています(私自身が、その「是か非か」をどう考えているのかは別の機会に申し上げましょう)。

ただSNSの意見などに目を通すと、自分が見ている世界と、いかに違う見方をしている人たちが、この同じ世界にどれだけ多く混在しているか思い知られます。本来、人どうしは本当の意味で理解しあえるものではないということですね。

「星の王子さま」の中で書かれているキャラクターたちは、「大人って変だ」と王子さまが思うように、一つのものでもそれぞれまったく違う見方をしています。

ただ、キツネだけはちょっと違うようです。

キツネが言う、「いちばんたいせつなものは目に見えない」という、あの有名な言葉は、それをあらわしているような気がしました。

ただ、目に見えないたいせつなものが、いったい何なのかという答えはありません。

ある人は「愛」だと答えるでしょうし、ある人は「絆」というかもしれませんが、そもそも目に見えないものなので、人によって違うでしょうし、その答えがひとつとは限りません。

ただ、多くの「星の王子さま」読者が、この言葉に言い知れぬ美しさを感じるのは確かなようです。

「星の王子さま」全編に流れる、人が持ついちばん美しい感情が、この「いちばんたいせつなものは目に見えない」という言葉に集約されているのかもしれません。

たいせつなものは美しい。
ドストエフスキーが、人の心にあるいちばん美しいものを書こうとして「白痴」を書いたのは有名ですが、それと似た美しさをこの言葉に感じました。

「7日間ブックカバーチャレンジ」、チェーンメールみたいで嫌だという声もありますが、今回はこの名著を何度も読み返す、いい機会になりました。

この本が世に出て70余年、残るものはやはり素晴らしい。

絵描きとしては、そこまで行かずとも本当に美しいと思われる作品を、一度くらいは世に出したいと思った次第です。

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100分de名著「カラマーゾフの兄弟」は面白かったなあ〜さて、フョードル殺しの真犯人は誰?!

2020-05-14 10:17:36 | Weblog
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▲こちらは学生時代の作品です。ドストエフスキーの「白痴」第一部のラストを絵画にしたもの。若かったので、いっぱい描き込んでますな(笑)。

さて、100分de名著「星の王子さま」には失望したものの、勢いで「カラマーゾフの兄弟」を見てしまいましたが、こちらは抜群に面白かったなあ。
何と言っても、以前にも翻訳が話題になって累計100万部を超えた、亀山郁夫先生の解説つきですから、つまらないはずがありません。

よく言われる話ですが、「カラマーゾフの兄弟」も「罪と罰」も、話の展開的にはミステリーの手法を使っているので、いったん引き込まれると面白く読めてしまいます。

よく知られていることですが「カラマーゾフの兄弟」は、「偉大な罪人の物語」という未完成になった作品の第一部として書かれた作品です。

その書かれなかった第二部への伏線の話が、亀山先生から聞かれるのですから、これは面白い。

ホストの伊集院さんも、よく読んでなかった「星の王子さま」にくらべ、多分ドストエフスキー好きなんでしょうね。なかなか良い指摘をしていたのが印象的でした。

以下ネタバレ注意 

さて、100分de名著では、「カラマーゾフの兄弟」最大のミステリーである、父親であるフョードル殺しの真犯人は誰か?…ということですが、これについて、あえてでしょう。亀山郁夫先生は言及しませんでした。

長男のドミトリー? いやいや、自殺してしまったフョードルの私生児(と言われている)、スメルジャコフ?

いやいや。私の考えでは、真犯人はアリョーシャではないかと思っています。
(これは私の友人に指摘されたことですが)。
亀山先生はどう思われているのでしょうか。番組の中で指摘された伏線に、それを思わせる指摘がありましたが、これはご本人に聞かないとわかりませんね。

まあ、作者のドストエフスキーが言わない限り、これは永遠のミステリーなのですが…そんなわけで10年ぶりくらいに、この世界文学の4番バッターを読み返してみようと思っています。

かのゴルゴ13の中でも、いくつか説のある出生の秘密のうち、アレクセイ・スメルジャコフの息子か、ラスコーリニコフの息子かという、二つの説をドストエフスキー作品の登場人物の名が独占しているほどですからねえ(笑)。

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100分de名著「星の王子さま」〜参考にはなったけど、番組の作りが “数字を聞くと納得する大人”と一緒でした。

2020-05-11 09:32:53 | Weblog
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3日連続で「星の王子さま」ですが、ご興味ある方だけお付き合いを。

今更ながら、翻訳の違いでエラく違うことがわかり、いったい原文はどうなっているんだろうと、ぐぐって見たところ「100分de名著」の中でフランス語の先生が、解説していると知りました。

フランス語はまったくわからないのですが、この本の中では「apprivoiser(アプリポワゼ)」という単語が重要で、「飼いならす」「馴染みになる」「絆を作る」といった意味があるのだとか。

早速、昨日4回に分かれた100分de名著「星の王子さま」を通して見てみました。

ふーむ。

結論から言わせてもらうと、参考にはなったけど、なんだか原作者に失礼な感じがしました。

つまり、番組の作り手が「結論」や「答え」を用意していて、それに合わせて番組を作っていた感じがしました。例えて言うなら、国語の試験に出てくるような「作者は何を言いたかったのか?」に対して、「正解」を用意しているようなものでしょうか。

「星の王子さま」くらいの作品では、どのフレーズについて、ひとつの正解で語られるものではありません。

「星の王子さま」を語っているのに、番組の作り手が “数字を聞くと納得する大人”と同じになっているではありませんか。

以下、本文からの引用(倉橋由美子訳)

私がこんな風にB-612の星の話をして、番号にこだわるのは、実は大人のためなのだ。大人は数字が好きだ。新しくできた友人のことを話すとき、大人はほんとに大切なことを訊かない。「どんな声の人?」「一番好きな遊びは何?」「蝶のコレクションをする人?」などとは絶対に訊かない。「その人はいくつ?」「兄弟は何人?」「体重は?」「お父さんの収入は?」などと訊く。それでどんな人かわかったつもりになる。
「赤レンガでできていて、窓のゼラニウムの鉢がおいてあって、屋根には鳩がいる、きれいな家を見たよ……」といったって、大人は何も想像できない。大人には 「十万フランもする家を見たよ」といわなければならない。そしたら大人は大声をあげて、「なんて立派な家だ」という。

こうした番組に限らず、メディアの取材というのは、自分の期待する答えに合わせたことが多いのですが、それと同じものを感じて少々失望した次第です。

「テグジュペリは何を言いたかったのか」と言いながら、「十万フランもする家を見たよ」みたいな、著者の意図勝手にを作ってしまう、番組の作りは感心しないなあ。

正解を一言で済ませるのは簡単ですが、まずは原作に目を通すのが必要かな。

▼こちらは大学時代の友人、イラストレーターのご主人、中里研さんの作品。
15年ほど前に鎌倉の画廊で購入したものですが、昨日はじめて「わがままなバラ」だったことに気づきました(笑)。

 

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「星の王子さま」倉橋由美子訳を読了〜素晴らしかったけど、まるで違う話を読んでるみたいでした!

2020-05-10 15:58:06 | Weblog
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「7日間ブックカバーチャレンジ」の6日めに選んだ「星の王子さま」ですが、以前から内藤濯(ないとう・あろう)訳が、昔の翻訳であることに加え、横書きで読みにくかったので、作家の倉橋由美子訳を注文し読了しました。

結論の感想を言えば、倉橋訳の方がはるかに読みやすく、また文字組が縦書きだったこともあり、まるで違う話を読んでいる感じがしました。

それにしても「星の王子さま」は深い世界ですね。
子どもの頃に読めなかったわけもわかりました。

今、読み返しても、わからない部分が多いので、もう1種類くらいの翻訳を読んでみようかと思っています。

あとがきで倉橋由美子氏が書いているように、この物語は星の王子さまや「私」が成長していく、いわゆる童話ではありません。

以下、倉橋由美子のあとがきより。

王子さまはいくつかの星を訪れていろんな大人に出会うのですが、それによって自分を変えるとか、大人の間で生きていけるような強さを身につけて「成長する」といったことは一切ありません。王子はどこまでいっても純粋な「反大人」の子供のままです。 

ふむふむ。

いわゆる主人公が成長していく教養小説、ビルディングス・ロマンの類ではないということですね。加えて訳者は、童話のようなものではないとおっしゃっていますが、まさにその通りでしょう。

また以下訳者いわく。これは私は一部与しない意見ですが、実に興味深い。

そんなわけで、この小説は子供が書いたものでもなく、子供のためのものでもなく、四十歳を過ぎた男が書いた、大人のための小説です。これを読んで大量の涙が出てくるというのはちょっと変わった読み方で、それよりも、この小説は、大人が自分の中にいる子供の正体を診断するのに役に立ちそうです。この作品が広くかつ長く読まれてきた秘密の一つはそこにあるのではないかと思います。

二〇〇五年六月

原文に触れた人ならではの分析的な意見ですが、この小説を読んで「大量の涙が出てくる」とすれば、やはりわがままなバラの部分ではないでしょうか。

この作品全編に流れる寂寥感、寂しさの多くは、砂漠を飛行する間に培われたものであり、またわがままなバラのモデルとなった、テグジュペリの妻に対する愛や葛藤によるものでしょう。

驚いたことに、倉橋由美子氏はこの翻訳を終えた同年同月6月に他界しています。

この方の小説は存じ上げませんが、白鳥の歌が「星の王子さま」となったのは、何か偶然ではない不思議なものを感じました。

 

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「7日間ブックカバーチャレンジ」〜6日目に選んだ「星の王子さま」を久しぶりに再読しました!

2020-05-06 08:20:37 | Weblog
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「7日間ブックカバーチャレンジ」

世間の人に時間の余裕が出てきたため、幼少の頃の写真をアップせよといった、指名して投稿を拡散していく方式がSNSで流行ってきていますね。

幼少の写真はめんどくさいのでスルーしましたが、「7日間ブックカバーチャレンジ」は旧知の編集者からのバトンでしたので

ルールは以下の通りですが、めんどくさいので完全スルー。

「7日間ブックカバーチャレンジ」とは
「読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する」というもの。

ルールは以下の通り。
①本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
②その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。
(参加したい人はコメント欄で申し出ていただけると嬉しいです)

掲載の際には、上記のルールをコピペしてください。

はじめてみると意外に面白かったのですが、若い頃に影響を受けた本が手元になかったりと、ありものを探すのに苦労しました。

池内紀訳の「ファウスト」や手塚治虫の「火の鳥・鳳凰編」などをアップし、6日目にさて何を選ぼうかと思ったところ、「星の王子さま」が目の前にあるではありませんか。

この本は子どもの頃に読むのを挫折し、その後四十路を迎えた頃に再読したものですが、それでもだいぶ月日が経ってしまったな(笑)。
パラパラめくるうちに、2年前に箱根の「星の王子さまミュージアム」に行ったことを思い出し、さらにその後に本を開いてもいなかったことに気がついて、10何年ぶりかに再読してみました。

箱根の「星の王子さまミュージアム」は、実に素晴らしい展示の美術館ですが、自分のブログを再読して思ったのは、あまりに展示が良くできているため、本を再読したような気分になってしまうことですね。

今回、実際に全編を読み返して思ったことは、全部読むとまた印象が違うことです。

わがままなバラ、砂漠のキツネ、酔っぱらいやうぬぼれ男など、印象的なキャラクターが登場するまでけっこうなページ数が割かれているのが意外でした。

それから、文字数はさほどでないのに情報量がものすごく多く、完読するまでかなりの時間を要します。それでも読みきれないので、この本を再読する人が多いのもうなずけるというものです。

今回の再読で一番印象に残ったのは、やっぱりわがままなバラでしょうか。この本のもうひとりの主人公と言って過言でない印象を受けました。

先のブログにも書いたように、 “わがままなバラ“のモデルは、サン=テグジュペリの妻、コンスエロだそうですが、テグジュペリは何だかんだと、奥様が好きだったのですね。

内藤訳は「けんのん」とか、若干言い回しがひと時代前の感じがしましたので、倉橋由美子氏による訳を注文しました。
それでさらにもう一度、読み返してみようと思っています。

 

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パン屋さんが軒並みおやすみなので、フォカッチャ作りました!

2020-05-04 09:16:23 | Weblog
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緊急事態宣言、延長下の東京はパン屋さんが軒並みお休み。

食パンはコンビニで買えますが、バゲットはなかなか入手が難しい。そんなわけで、ネットのレシピを見ながらフォカッチャを家で試してみました。

参考にしたレシピはこちら。プロではない方のようですが、かえってハードルが高くないようで、試してみることに。

▼私のレシピは細かいとこと書いてないので、興味のある方は下のレシピをご参考にしてください。すごく良いレシピだと思います。

フォカッチャのおいしいレシピ

先ずは材料を準備します。

小麦粉、強力粉3+薄力粉 計400gを用意します。

  • ぬるま湯(40℃程度)…240cc
  • エクストラバージンオリーブオイル…40cc
  • 塩…8g
  • 砂糖…8g
  • インスタントドライイースト…4g
  •  
これをよく混ぜ混ぜします。
 
最初はフォークで混ぜて…。
 
手で混ぜます。最初はネトネトします。
 
まとまってきたら…。
 
オーブンで40度、50分発酵させます。
 
指に小麦粉をつけて、生地がしぼまないようであれば一次発酵が十分とのこと。
 
オリーブオイルと小麦粉をまぶしたトレーに生地を移し、同じ温度と時間で第二次発酵いたします。指で凹ませたところに、ローズマリーやドライトマト、アンチョビーを入れます。
 
230度で30分ほど焼いたら出来上がり。
ほんとは焦げ色をつけてはいけないので、参考レシピ通りの210度、19分がオススメかな(笑)。
 
本来副菜のフォカッチャが、この日はメインでした♪
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