昨日は矢島吹渉樹(やじま・ふぶき)さんの1年ぶりのピアノ・ソロコンサートに行ってきました。
場所は西日暮里のやなか音楽ホール。100人定員の小ホールですが、それだけにスタインウェイの音響が直に聞ける音楽堂は魅力です。
▼選曲のラインナップはこの通り。
どれも耳にする機会の多い曲ですが、リストやラフマニノフといった難曲ぞろい。
前半にベートーベンのテンペストがあるという、濃厚なプログラミングです。
前半にベートーベンのテンペストがあるという、濃厚なプログラミングです。
全席自由席で、14時半の開場時間ぴったりに行ったところ、ほぼ良い席は埋まっている人気ぶり。まあ、コアなファンに席を譲ったと思えば良いですね。
矢島さんは以前、十条の梅の木さんで個展を開いた際、バイオリニストの西垣恵弾(にしがきけいた)さんとのデュオコンサートをお願いしたことがあります。
2019年9月13日(金)西垣恵弾&矢島吹渉樹 デュオコンサート
in 小暮満寿雄展は大成功のうちに終了しました!
in 小暮満寿雄展は大成功のうちに終了しました!
十条・梅の木のコンサートはポップスを交えた、ごく軽めのものでしたが、この日のラインナップはベートーベン、ショパン、リスト、ラフマニノフなどの難曲ぞろい。
この日はバイオリニストの西垣さんも駆けつけていて、なんと私たち夫婦の真後ろの席に座っていたという偶然に、思わず嬉しくなりました!
そして、矢島さんのピアノは本当に聴かせてくれました。
通常、ピアニストにはよく「ピアニッシュモが美しい」という形容がなされますが、矢島さんのピアノはフォルテがとてつもなく美しく響く不思議な音です。
大ホール向きのスタインウェイが、目の前でグイングイン響くその音ときたら…。
ドライブ感満載のベートーベンのテンペスト、特に第三楽章は圧巻!
ドライブ感満載のベートーベンのテンペスト、特に第三楽章は圧巻!
難曲で名高いリストのラ・カンパネッラを舌なめずりするように楽しんで弾く姿はさすがというべきでしょう。
アンコールで演奏されたパッヘルベルのカノンは、矢島さん自身の編曲でしょうか。
なにやら聴きながら、頭の中で宇宙の組成のようなイメージが広がってきました。
なにやら聴きながら、頭の中で宇宙の組成のようなイメージが広がってきました。
音楽に向き合う、ひとしずくのウソのない矢島吹渉樹のピアノ・ソロコンサート。
いや、こんな素晴らしいミュージシャンをお呼びできたなんて、私も果報者です。
コンサートに立ち会ったすべての人も大満足の様子でした。
コンサートに立ち会ったすべての人も大満足の様子でした。
コンサートは曲の解説を矢島さん自身がしてくれて、演奏の間にトークを入れるなんて大変だろうに…でもあった方がわかりやすくて嬉しいな。
9月にはあの王子ホールでもコンサートをするという話をしたら、ファンの女性からこんな声が。
「矢島さん、王子だものね」
「いや、王子には年齢がちょっと…。王子でなく、王ということで」
「いや、王子には年齢がちょっと…。王子でなく、王ということで」
場内爆笑でしたが、まさに矢島さんはキングの風格でした。