小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

アーユルヴェーダは、風・火・水の三重奏

2010-05-12 10:18:06 | Weblog

昨日に引き続き、インドの古代医学アーユルヴェーダについてお話します。
(数千年の歴史がある古代医学ですが、編纂されてまとまったのは実は1945年以降)。
以前、あるサイトに載せた原稿をもとに書き直しました(承諾済み)。
耳学問に過ぎませんが、ご興味あるかたはご一読を。


アーユルヴェーダには、ごく単純な2つの目的があります。
1つめは健康を守ること。
2つめは病気を取り除くことです。
なに、当たり前のこと言うなって?
いえいえ、だからその方法が、私たちの知ってる西洋医学と少し違うのです。

西洋医学が2つめの「病気の症状を取り除くこと」を目的にしているのに対し、
アーユルヴェーダは「病気にならない体作り」を重視しています。
これは漢方で言う「未病」に近い考え方ですが、
アーユルヴェーダの場合には、さらに医学をマクロの目で見ています。
もともとインドには人間の体を小宇宙として捉える考え方がありますが、
周囲の環境や自然をも含めた上で、人の心と身体のバランスを保ち、
生命力を高めていく健康医学がアーユルヴェーダというですね。


古代中国人がこの世のすべてを陰陽五行説によって組み立てたように、
アーユルヴェーダでは3つのドーシャと呼ばれる3原則があって、
それによって宇宙が成り立っていると考えられています。

「ドーシャ」というのは、生体エネルギーの一種で、 
3つのドーシャは、それぞれヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)と呼ばれ、
そのバランスを保つことで人間の健康を維持していこうって考え方が、
アーユルヴェーダの医食同源です(画像を参照のこと)。

・風の要素「ヴァータ」は、運動エネルギーを司どる。
・火の要素「ピッタ」は、物質を燃焼させる働きがある。
・水の要素「カパ」には、物質を結合させ安定させる働きがある。

健康とは、3つのドーシャのバランスが良い状態。
反対にそのバランスが崩れた時、病気が起こりやすい状態とされています。
 

たとえば口から入ったものを、唾液によって粘りを与えるのが、
物質を結合させ安定させる「カパ」の働き。
それを胃液や胆汁によって消化するのが、物質を燃焼させる「ピッタ」の働き。
さらに人体に必要な栄養を吸収し、余分なものを尻の穴へとプリッと運び出すのが、
運動エネルギーを司どる「ヴァータ」の働きとされています。
だから食事の時に冷たい水を摂り過ぎると、燃焼を司るピッタの力が弱まり、
消化バランスが崩れてしまう、なんてことになるわけですね。

もっとも、この3つのドーシャは絶対的なものではなく、
また3つのバランスが均一なら良いというものでもありません。
人にもそれぞれヴァータ体質、ピッタ体質、カパ体質といった違いがあり、
時間帯や季節によって食事の取り方は千変万化というわけです。

一口にドーシャ(生体エネルギー)といっても、
ここではポジティブな意味もネガティブな意味も両方持っています。
アーユルヴェーダでは健康の反対が病気、といった単純な図式を書いてません。
健康と病気の間には、いくつものステップがあるというのが、そのスタンスです。

風邪ひとつ取ってみても、鼻水とくしゃみくらいなら、どーってことありませんが、
発熱や喉の痛み、関節の痛みを伴うと、キチンと休んで治療をしないといけなくなる。
僅かなシグナルをひろうことで、大病を未然に防ごうってわけですな。

もっとも、この私。
大酒、大飯を食らうこともしばしばで、あんまり東洋医学云々とエラそうなことは言えません。
わが家では、朝にヨーグルトを食べ、晩は食べないとか・・・
実行してることは、その程度のことかな~。
コメント (6)
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