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小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

TPPって、何じゃらホイ?

2011-10-31 09:31:43 | Weblog
昨日、TPPについて「賛成に傾きつつある」と書いたところ、
それじゃイカンと、お頭さんから長大なメッセージをいただきました。
それについてレスを含めて、ここに私の考えをとりあえずかかげてみたいと思います。

TPP(Trans-Pacific Partnership)は、ざっくり言うと、
米国、シンガポール、チリ、ニュージーランドなど、環太平洋の国々で
ほぼすべての産業について、
関税を撤廃して自由貿易ができるようにするシステム、といった感じでしょうか。

ウィキで見ると、農業や漁業、畜産などの第一次産業はもとより、
車や電気製品等の第二次産業、
金融、医療サービス、知的財産権、といったサービス業の入った第三次産業に至ってます。
(表現、不正確ですがご容赦のほどを)。


うむむ。
こりゃ、正直私なんかの手に余るぞな。

ちゅうか、国を二分して色々みなさん言うてますが、
これをキチンと把握してる人って、経済のプロや政治家でも何人いるもんかな。

とはいえ、わかってないヤツは意見を言ってはいけない、
という姿勢は一種のファシズムです。

原発問題にしても、私を含め、たいていの人間は原発のしくみなんてわかってませんが、
だからと言って、原発について意見を言ってはいけないということにはなりません。


それにしても反原発 vs 原発推進と同様、
TPPも賛成反対に二分できるような単純な話ではないと思いました。
なんせ、単純に農業や漁業だけの問題じゃないわけで・・・。

それでも政治においては、参加するか、参加しないかといった、
旗幟を鮮明にする決断が必要です。


個人的にお頭さんの文章を熟読した限りでは、
お頭さんがどう思うか別にして、基本的にこの人は実はTPPに賛成だなと思いました。
(違ってたらゴメンなさい)。
いつかどこかの段階で、自由貿易はしないといけない。
しかし、時期と条件がアメリカに有利すぎる、今はすべきでない。

そんな風に読み取れました。


第一次産業に限って言うと、現在の農業や漁業とも
平均年齢65歳とも67歳と言う高齢化(定年がなくて良いといえば良いけど)で、
助成金による飼いごろし状態です。

そんな状況を打開するためにも自由貿易の考えは必要になってくると思います。
(一方で、第一次産業を殺すとも言われてますが)。

現段階では、シロートの私にこれということは言えませんが、
ある段階での自由貿易は必要だと思います。

しかし、お頭さんの言うような拙速なTPPへの加入は、
米国の言いなりになる危険がはらんでいるわけでしょうね。

それにしてもツイッターを見ると、TPP賛成=売国奴という書きこみも多く、
いくらなんでも内容を吟味せず如何なものかと思いますが、
みなさまはどうお考えでしょうか。


写真はヤマガタ・サンダンデロに飾る「山形十二双図」(六双から十二双にバージョンアップ)の一部。
うぬぬ、だいぶ絵がズレてるぞ(刻印がある方が、すでに完成されてるもの)。
ちゅうことで、修正しました。

11月中旬に完成予定です。
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ハンディキャップ整体師、ベアハグでがんばる

2011-10-30 08:20:59 | Weblog
先日、セブン区議の紹介で整体のベアハグの取締役と食事をしました。

ベアハグは今年になってある障害を抱える人を採用したそうです。
(障害の種類や程度については細かく聞きませんでした。
 話を聞いた感じでは自閉症・・・アスペルガー傾向があるように思えました)。

とにかくその人は真面目に仕事をするそうで、
先日も整体マッサージに来たお客さんに誉められたらしく、
お客さんがその人の仕事に大変満足されていた、という話をしたら、
本人はもとよりご両親が大変な喜ばれようだったとか。

そういった人を雇ってキチンと結果を出しているベアハグさん。
お客さんの話も風通しよく伝わっているところをみても、なかなか良い会社だよね。

会社もそうですが、子供の障害を知りつつ、
キチンと仕事をこなせるように育てたご両親も立派なんじゃないかな。


ベアハグに就職した障害者がアスペかどうかはハッキリしませんが、
整体マッサージというのは、同じことを真面目にこなさないといけないという点で、
自閉傾向のある人には向いた職種に思えます。
(自閉症は同じことを毎日しても平気・・・というか、変化に対応することが苦手)。

あのスワンベーカリーも、大勢そういった障害者を雇用してますが、
製パン業なんかも同様で、狭き門なれど障害者には種類によって向いている職種があるものです。


あ@花さんのブログでもしばしば取り上げられますが、
障害者にそういうことをさせちゃいけない、という考え方の人もけっこういるようです。
(障害者は保護されるべき存在なので、社会が丸抱えすべきという考え方ですね)。


もちろん障害を持つ人に保護は必要なことはたしかです。

重度であれば、それはなおさらですが、ベアハグのハンディキャップ整体師を見ればわかるように、
労働の対価を一番喜んでいるのは本人であるし、両親であるわけで、
人である以上、世の中に仕事の評価ほど嬉しいものはありません。

ニュースでもやってるように、生活保護を受け取りながらパチンコに耽っている人が大勢いる昨今・・・
(ちなみに私はパチンコ撲滅論者)
本当に必要があって保護を受けなきゃいけない人がいることは確かですが、
自立できるものなら、保護は少ないに越したことはありません。

ベアハグの取締役さん曰く、障害を抱える人であっても、
お客さんと社に益を与えてくれる方であれば、これからも前向きに考えていきたいとのことでした。



関係あるかわからないけど、今、国の意見を二分しているTPP。
導入すれば農家や漁業は壊滅すると言われてますが、
これらは労働者の平均年齢が65歳とも67歳とも言われる、いわば衰退産業(じゃあ、困るんだが)。
ある意味、補助金で延命装置をしている感がないでもありません。

最近TPPは積極的に推し進めたらどうか、という考えに傾いています。
(あああ、言ってしまった!)
もちろん反対意見も歓迎しますので、ご教示いただければ幸いです。


写真は赤坂のトルコ料理店アセナの「ヒヨコ豆とラムの煮込み」。
キョフテも食べましたが、どちらも絶品です!
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北杜夫~船乗りクプクプの冒険

2011-10-28 09:44:07 | Weblog
北杜夫さん死去。

どくとるマンボウシリーズ、よく読みましたが、実はあまり覚えてません。
夢中で読んだはずなんだけどな。

「どくとるマンボウ航海記」

読んでるはずなのに、それがマグロ調査船に乗った時の話だった・・・
なんてこともニュースで再認識したくらいです。
どくとるマンボウシリーズを読んだのが、中高生の頃でしたから、そんなものかもしれません。

しかしながらマグロ調査船の中、
ありあまる時間の中で、トーマス・マンの「魔の山」を読んだという記述があって、
そのことは、若い頃にマンの作品を読みふけるきっかけになりました。

そんな意味で、北杜夫さんは読書のきっかけを作ってくれた作家でしたが、
今でも覚えている作品は、「船乗りクプクプの冒険」という子供向けの作品くらいかな。
(なにしろ中学生の時に読んだもので、記憶が定かでないのですが)。

主人公のクプクプ一行が土人のに迷い込んだ時。
(ドジンは差別用語ですが、土人との記載があったと記憶)。

読者の私は、クプクプが土人のを成敗するもんだと、
ワクワクしながらページをめくっていったところ、
あにはからぬや、実は土人の方が文明度が高く、反対にクプクプ一行は、腕も知能も歯が立たず、
土人たちに「見た目でわれわれをバカにするな」と一喝され、大いに失望したものです。


このパターンの話は、たしかドラえもんにもあって、
スネ夫だかのび太が、原始人の集落に入って文明の利器を自慢しようとするのですが、
どれもことごとく使えない。

マッチを擦って火を起そうとしても、湿っていて火がつかない。
「あんな細い棒で火を起そうなんて、何てバカなやつだ」と言われてしまう。

帝国主義の時代なら、土人や原始人は文明人に成敗されて当然の描かれ方をするのでしょう。
昔の西部劇でもインディアン(今はネイティブ・アメリカンか。ああ、ややこし)が悪役でした。
子供はそちらの方が喜ぶものですが、北杜夫や藤子不二雄はその道を選ばなかったのですね。


北杜夫さんは、大学時代の恩師だった奥野健夫先生のパーティーでお見かけしたことがあります。
気のせいかもしれませんが、何やらこちらの方をじっと見ていらしたので、
よほど声をかけようと思いながらできませんでした。

写真のまんまの方でしたが、あの時、思い切って声をかけてれば良かったかな。
(あの時、どくとるマンボウシリーズの話をしようと思ってたのですが・・・
 ということは、作品の記憶があったということか)。

楡家の人々、途中で挫折しましたが、この機に読んでみようかな。
私が冥福をお祈りするより、ひとつでも作品を読んだ方が喜ばれるだろうしね。


写真はダジャレ商品「惚レタス」の包装ラップ。
中身がないのが残念ですが、
赤坂のトルコ料理店アセナでは、いつも使われてるレタスがこのブランドだそうです。

いや、このセンス、きらいじゃないな。
これには惚レタス・・なんて、ウフッ♪
(ダジャレは前頭葉の萎縮だというけど、北杜夫作品の記憶が定かでないということは、もしや・・・)。
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必見、モダン・アート, アメリカン

2011-10-27 10:46:00 | Weblog
今日は久々に絵の話題。
昨日、六本木の国立新美術館に「モダン・アート, アメリカン」展を見に行きました。


結論から言うと、絵の好きな人は必見!
実に素晴らしい展覧会でした。

どこにどう目玉になる絵がある、有名な作品があるという展覧会じゃありませんが、
何が素晴らしいって、絵が本当に好きで集めてきた人のコレクションですね。

別に投機目的で絵を買うのがわるいわけではありませんが、
ダンカン&マージョリー・フィリップスという夫妻が、
1点1点自分の好きな作品をコツコツ集めてきたコレクションだというのが、
ひと目でわかる、絵にたいする愛情を感じる展覧会でした。


絵画の本物を見る楽しさって、現物サイズを確認できることもあるのですが、
写真のホッパーの作品は意外に小さいのにびっくり。

また、この絵の中心に座り込む男性の顔を見ると、
英語でモノを考える人が描いた絵だと確認できるのが面白い。
(男性は精神を病んでいるかのように、黒目が描かれていません)。

どの言語で描いた絵か、というのは線画・・・特にマンガには顕著に出るのですが、
油彩でこれだけ言語の違いが出た顔を見るのは珍しいですね。


また背景の建物のペンキの色も秀逸。

よく外国で撮った写真を見ると、インドだったら赤っぽかったり、
アメリカだったら色のヌケが良かったりしますけど、
あれは光線の違いがそのまま写るからですね。

人間の目はそれを補正して、同じような感じで慣れてしまいますが、
写真ほどでないにせよ、絵画もその地の光線の具合が顕著に出るものです。
(たとえば、ムンクの長い影と光線は、北欧の光りを反映しています)。

やっぱりアメリカ絵画にペンキの色がよく似合います。

ペンキの色と言っても、ひとたびそれがモダンアートとして絵に取りこめれれば、
バカにしたもんじゃありません。
ヨーロッパ絵画ほど重たくないので、
膨大な出品数であるにもかかわらず、見ていてそんな疲労感もないのが嬉しい。

オキーフの描いたニューメキシコのコル・ビジェ風の教会、でっかい葉っぱ。
グランド・マア・モーゼスの素朴な逸品。

おやおや、アレキサンダー・カルダー
(今はコルダーと言うみたいですが)のモビールまであるぞ!

でも、私はジャクソン・ポロックやサム・フランシスといった
アクションペインティングは苦手かな。

なんて、あれこれ2時間近く見ていていましたが、
絵画にはヒーリング効果がありますね。
見終わった後の爽快感が秀逸でした!

12月12日まで開催されています。
興味のある方はぜひ足を運んでください。
知らない画家ばっかりですが、とっても楽しく素晴らしい展覧会です!

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いつも心に贅肉を

2011-10-26 12:06:44 | Weblog
昨日の記事には多くの書きこみがあり、ツイッターからも反響がありまして、
みなさま、ありがとうございました。
(呆れたとか、バカだという声も多し)。

その中で、二夜さんから「プライド系の記事が多いのは最近の課題でしょうか?」
というコメントをいただいたのですが、レスでも書いたように、
世間を見ると了見の狭いプライドで、仕事や人間関係に支障をきたしてるケースが多い。

つまらないからやめろと言いたくて、記事を書いてます。


そもそも簡単に傷つくようなプライドなら、はじめから持たない方がよろしいかと思います。

仕事をしていれば、自分の能力が至らぬことばかりで、
いちいちそれに傷ついていたのでは世の中がまわりません。

そうは言っても、真実というのは厳しいもの。
本当のことを言われると人間というのは腹が立つものです。

数年前のこと。
私自身も綾小路くんのことを言えないことがありました。
(そうめん離婚のあとも懲りぬヤツ!)


長年、火曜会で一緒に稽古をしている親友が、個展に来て作品の批判をしたのですね。

「小暮の作品はなまってきたな。
 今の奥さまと結婚してから、その傾向はあったが、今回はさらになまってきたわ。
 良い作品もあるけど、これとこれは完全にペケやな」

うぬぬ!
言うに事欠いて、「なまってきた」とは何だ!

互いに遠慮のない仲だったので、個展のあとでの居酒屋では侃々諤々。
まあ、そのくらいのことは平気で交わす仲だったので、
その場はそれで済んだのですが、どうにも腹の虫がおさまりません。
しばらく「このヤロー」と思っておりました。

そんな中、火曜会メーリングリストで、
「次回の稽古はバリ島に行くので、休みます」と書いたところ、
「小暮さん、心に贅肉がたまってないか」とのメッセージ。

これには完全に私もブチ切れてしまい、次に会った居酒屋で大口論ですが、
その親友も「間違ったことは言ってない」と一歩も譲りません。
(別にバリ島に行くからいけないってワケじゃありませんが、
 言ったタイミングも良くなかったのではありますが)。

険悪な仲になった直後、リーマンショックの影響もあってちょっとした仕事を失いますが、
人間というのは愚かなもの。
その時はじめて、彼の言ってたことが間違いでないことに気づいたわけであります。
(ま、仕事が消えたのは、別にそのせいじゃありません
 単に世の中の都合でしたが)。

たしかに個展では甘い作品もあったし、心に贅肉もたまってましたわ。
個展で出す作品は、必ずしも買い手がつくわけじゃないんで、
甘い絵も描いていたことはたしかだったのです。

自分じゃ認めたくなかったけどね。
よくぞ言ってくれた、このヤロー。
先日も、その友だちとホルモン食べながらその話題をしましたけどね~。

それにしても「心に贅肉」という表現、破壊力があるので近頃気に入っているところです。


写真は山形十二双図の「鳥海山」。
心の贅肉はひとしずくも入ってない、そう断言できる一枚です。
あ、じまんしちゃった♪



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そうめん離婚の顛末

2011-10-25 09:26:42 | Weblog
昨日、プライドの話をしましたが、
若い頃の私は、同じようにプライドのカタマリみたいな人間でした。

美術系の人間によくあるように、
自分が天才だと思ったことは不思議と一度もありませんが、
(ウソでしょと言われますが、本当です)
自分が何か大事を成せる、大物だ、横綱級だと、何の根拠もなく自惚れており・・・
今でもゴーマンですが、相当にヤな奴だったことは間違いありません。


それがいとも簡単に打ち砕かれたのは、最初の結婚・・・
あれは新婚旅行で能登を旅した、帰りの空港のことでしょうか(遠い目)。

些細なことでやや険悪な状態になっていたのを持ち直そうと、
無難に朝食の話題に切り替えたのですが・・・


「金沢の食事は旨かったけど、能登の朝飯はいまいちだったよね」

「そうね・・・。
 お吸い物も味付けがいまいちだったし」
 
「だいたい、お吸い物にそうめんが入ってる意味がわかんないよね」

「・・・?
 何言ってるの。
 お吸い物にそうめんなんて入ってなかったでしょ」

「そっちこそ、何言ってんだよ。
 しっかり、入ってたじゃん」

「入ってないわよ」

「入ってたよ!」

「入ってないわよ!」


お互いに引かない性格だった上、ケンカのあとということもあり、
お吸い物に”そうめん”が入っていたか、いなかったか、
どーでも良いことで侃々諤々になり、再び険悪な雰囲気に。

私も若かったので、そうめんが入っていてもいなくても、
相手の言うことに合わせていれば良かったのですが、
「それじゃ、旅館に確かめてみるよ!」と、空港の電話から
わざわざ能登の旅館に確認の電話をいたしました。


「もしもし、本日お世話になった小暮ですが・・・」

「はいはい、何でしょう?」

「昨日の朝食ですが、お吸い物にそうめん・・・入っていたでしょうか?」

「・・・はあ?」


妙な質問にいぶかる旅館でしたが、そこはサービス業です。
しばらくお待ちくださいと厨房に聞いたところ、
はたして「そうめん」はしっかり入っていたとのこと。


「どうだ、オレのいった通り、そうめんはちゃんと入っていただろう」
と鼻の穴を膨らましながら言うと、
「そんなに勝って嬉しいか」と怒髪天を衝くとばかり、激怒され、
勝っちゃいけないんだと、この時はじめて理解しましたが、もう後の祭り。

親しい友人の間では、「そうめん離婚」と呼ばれ、
あまりのレベルの低さで名高い一件ですが、わたくしも青かったものですなあ。


青年よ、謙虚であれ。


写真は山形産のアケビ。
皮は肉詰めにするとほろ苦く旨いです。
人生と一緒で、ほろ苦さもまた良し・・・なんてね♪
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プライドはむずかしい

2011-10-24 10:24:11 | Weblog
先日、柔道で相手にケガさせたことを注意したら、
それで辞めてしまった30代男性の話を拙ブログでとりあげましたが、
この手の話は巷で珍しいことではないようです。

この記事を読んで、木下式音楽教育の麻奈先生がブログで関連した別の話も取り上げてくれました。
卒業生がバイト先の尊敬してる人に注意されたら、辞めると言いだした話であります。

どちらもタイトル通り「逃げるが勝ちなのか?」という話なのですが、結果的には大きな違いがあります。

それは柔道の綾小路くんは、完全に辞めて縁を切ってしまったこと。
バイトの大学生は、「辞めたらアカンだろう」と言われて踏みとどまったことです。

この違いは1と0、あるいは100と0のような話で、
縁が続くか、切れてしまうかという話であります。

両者を分けた理由というのが、個人的には「プライド」の問題ではないかと思います。


男性というのはプライドの塊みたいな生き物で、
仕事でも人間関係でも、それで苦労することが少なくありません。

言い方は良くないですが、程度の違いこそあれ、
どんなブ男でも「オレはイケてる」と思うのが男ですし、
どんな能なしでも「オレはデキる」と思うのが男というものであります。

女性からにっこり微笑まれると、
スマイル0円なのに「コイツはオレにホレてる」と勘違いするのが殿方なのであります。
(女性はウソだと言いますが、ホントです。
 でも、近くの男性に聞いてもムダですよ。どうせ”オレは違う”と言われるのがオチですから)。


そうでないと、原始時代に部族は守れなかったわけですから、本能として仕方ないのですが、
この本能が年齢と共に高くなる傾向があるのが仕方ないところですね。

ただ、人間とはどこかで挫折しますから、
その段階で(特に結婚を機会に)妙なプライドを捨て去る男性も少なくありません。

綾小路くんのような、30代半ばの年齢というのはいちばんプライドの旺盛な時と言えますが、
まだバイトの大学生だと、それが形成されてない年齢であります。

女性にその傾向がないとは言いませんが、プライドの問題がこじれるとややこしいのは、
圧倒的に男性の方で、今回の綾小路くんのことは、それで地雷に触れてしまったともいえます。


三国志の諸葛亮孔明が、周瑜の死に際して言う言葉にこんなセリフがあります。

「周瑜の才能は私に劣らなかった。
 彼が私に勝てなかったのは、その高すぎた自尊心ゆえである」

これは、メンツを何より重んじる中国人のセリフとしては、意外な言葉ですね。

しかし一方で、同じ中国で項羽と劉邦の時代、
無頼漢にからまれた韓信が股をくぐれと言われて、言われるままにくぐってしまう、
いわゆる「韓信の股くぐり」の故事があります。

大事を成すためには、その時のつまらぬプライドを捨てよという話ですが、、
意外に中国人は、本当のプライドというものが何であるか、よくわかっているのかもしれません。
(そうは言いつつ、なかなかできないことではあるのですが)。


写真は誇り高き、なまけ蛙くんマイルス。
意外かもしれませんが、この3兄弟こそ、真の男のプライドの持ち主かもしれません。
んなわけないか(笑)。
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原発問題、私なりの区切りがつきました

2011-10-23 09:38:23 | Weblog
昨日は泉岳寺のさる場所で少人数で行う、もちまわりの勉強会でした。

講師役の1人がJAXAの科学者だったので、雑談に原発の話題。
(講義は専門外のユングでしたが、本日は原発の話。
 ユングについては、また後日いたします)。

彼の考えでは、原発は科学としての問題より、ほとんど政治の話ということですが、
考えてみれば、それで腑に落ちるところが多いものです。

放射線による人体の影響は、東京に住んでいる限りでは問題ないだろうということですが、
幼児と高齢者では影響が違うし、ホットスポットと言われる場所がどこにあるのか、
特定はきわめて難しい。
だからJAXAの科学者たちは、こと自分たちに関しては誰も放射線の影響を気にしてないそうです。
でも、幼い子を持つお母さんに気にするなと言っても、それはムリな話ですしね。

以下、その勉強会でかわされた雑談の一部です。


「飛行機事故の場合、乗客乗務員500人だった場合、
 たいていの場合500人が全員死亡だぞ」

「その影響って事故現場のみに限定されるよね。
 事故現場以外は安全ってことじゃない?」

「でも、原発事故に関しては死者が出てないぞ」

「作業員は死んでるよ。
 それに福島県民にも、原発関係者にも、自殺者も何人も出ているじゃん」

「うーん。
 飛行機事故とは単純に比較できないなあ。
 社会的不安と影響が大きすぎるしね」

「原発は風力発電などに比べて、電力供給量がケタはずれに大きい反面、
 事故が起こった場合の影響があまりに恐ろしいよね」

「今回の福島原発の事故なんか、まだ最悪の状態じゃないんだから、
 いちばん悪いことを考えれば、どんなに恐ろしいかってことだよね」



原発職員だった大前研一さんは、今回の事故が起こった直後、
すでに「原発産業はこれでお終いだ」と言ったそうですが、
原発反対 VS 賛成という図式は、すでに意味がなく、
どうやっても原発産業は終息に向っていくのかもしれません。

ただ、今後のエネルギー供給を考えると、いきなりすべて停止というのも如何なものか。
電力の安い外国に日本の産業が流れ、ますます空洞化が進むわけですしね。

ちなみに原発のウソの著者、小出助教授についても聞いてみましたが、
(私自身はあの本に疑問が大いにあったのですが)真面目でキチンとした学者ということです。
ただ、原発産業がこれから終息に向っていくとすれば、
彼の発言は、やはりいたずらに不安を煽っているようにも思えます。

実力はある程度ある学者なんでしょうが、あの発言をしていては教授にはなれません。
本人もそれをわかってテレビ出演などをしてるんでしょうな。
立派といえば、立派ですが・・・。


何はともあれ原発問題・・・
私なりに推進、反対の中を迷ってはおりましたが、自分の中では区切りがつきました。

推進、反対はあまり意味がないように思えます。
それって、科学の話じゃなく、政治と感情の話がほとんどなんですから。

じゃあ、科学は何を言ってるのかといえば、よくわかってないことが多すぎるということです。
とりあえず今後30年くらいかけて、原発は終息に向かっていくんだろうな。

問題は起こってしまったことを、どう捉えて行動するかですね。
簡単に済む話じゃありませんが。


そうそう。
相対論をくつがえすと報道された光より速いというニュートリノ。
どうも彼の話だと計算間違いみたいです。
つまんないの。

写真は、なまけ蛙くんジョン。
原発など、どこ吹く風となまけておりまする♪
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カダフィ死亡~マヤの予言と占星術

2011-10-22 09:34:29 | Weblog
カダフィ死亡。
ちょっと前に「世界ふれあい街歩き」で、平和なトリポリをやっていたなんてウソみたいですな。

gooやYahoo!など大手のサイトにも、
カダフィ最後の映像がアップされていて、
独裁者の末路というのものを、まざまざと見せつけられました。


先の震災といい、タイの大洪水、ドル安ユーロ安など、混迷を極めるこの世界ですが、
マヤの予言では2012年に世界がひとつの区切りを迎える、なんて説もあるみたいです。
(人類滅亡との説もあり)。

1999年ノストラダムスの大予言の大外れがありましたので、
来年に人類滅亡の日が来ると信じる人は少ないと思いますが、大事件の多い昨今、
来年さらに大きな波が来るとしても不思議はありません。

そういえば、以前拙ブログで占星術の話を取り上げたことがありますが、
この勉強会で講師に招かれた占星術師が、昨年の年末に占った結果では、
「今年、3月に土地に悪い変動がある」と言って、
不動産業のギャラリーの方を大いに失望させました。

まさか占った本人も含め、本物の地面が動くとは誰も思わなかったでしょうが、
3月に地面の変動があるというのは、世界中どの占星術師が占っても同じだったそうです。
(天体を規範にしているため、どこで占っても変わらない)
中にはハワイに逃げだした人もいたんだとか。


エジプトのムバラク失脚や、チュニジアのジャスミン革命など、
今年のはじめからアラブでは革命の嵐が吹き荒れていましたが、
その中でもカダフィは間違いなく最大の大物でしょう。

カダフィが死んで、国民は赤飯を炊くほど喜んでるようですが(リビアに赤飯はないだろうけど)、
革命とは、起すことより、その後の方がはるかに大変なもの。
フランス革命も、その後政権が安定するまで100年くらいかかったように、
中東の安定など遠い話のように思えます。

さらに、わずか1ケタの人間が原油の利権をすべて掌握しているナイジェリア。
サウジアラビアやイランといった、中東の大国に同じような革命が起こったら、それはエライこと。
2012年に何か恐ろしいカタストロフが起こらないよう祈るばかりです。

もっとも、行き詰まるこの世界には、何かさらに巨大な破壊が必要なのかもしれませんが。


写真はヤマガタ・サンダンデロに飾られた、山形六双図の空白部分をうめるパーツです。
あぜ道の部分が曲がっていたり、空の色が青すぎたりと、修正しないといけません。
「山形十二双図」になるな、なんて呑気なことを書いてたら、
昨日、気の長い奥田シェフから「いつ出来ますか」と催促の電話が来ました。

今月はじめにシェフに催促される夢を見ましたが、やはりあれは正夢だったのかな・・。
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ぶつけた方が常にわるいのか?

2011-10-20 11:26:50 | Weblog
先日、書いたことを蒸し返します。
その前に以下の記事をお読みいただければ・・・。


「逃げなかったバカなやついる」 東日本大震災の津波避難で平野担当相 

暴行の春日野親方、処分なしに“待った”相次ぐ


これら一連の話というのは、車が歩行者にぶつかったら、
どんな理由があっても車に責任がある、というのを思い出します。


さて、そこで前回までのあらすじ。

柔道の会、火曜会は高齢化がすすみながらも、30代の強者・綾小路くんが時々稽古に来る。
ただ、彼は強い上に力のおさえがきかないので、自分の意図とは別に
還暦前後のメンバーにケガをさせてしまう。

先ずは前回と同じ文章を掲載しますが・・・

綾小路さん
昨日の乱取りを見る限りでは、問題がなかったと思いますが、どういう理由があっても、
高齢の白帯に、黒帯がケガさせてはいけません。

人にケガさせる人は、自分もケガが多いもの。
大老も参段ですが、最近まで、膝の治療に専念していました
申しわけありませんが、留意していただければ幸いです。

前回は掲載しませんでしたが、
それに対して来た綾小路さんの返事は、実はおおよそ以下のようなものでした。

皆様
もう怪我をしたりさせたり、ということには懲りましたので、
私の勝手で申し訳ありませんが、火曜会を辞めさせて頂きます。
今までありがとうございました。


コメント欄にも書いたように、あの時私が注意したことで、
間違ったことは言ってなかったはずですが、
あの場で辞めると言われては、言い過ぎましたというほかはありません。

でも、間違ったことをいってないのに謝るのって、気分の良いものじゃないですな。

私だけでなく、ケガをさせられたAさんも丸くおさめようとしましたが・・・

綾小路様
 
何をおしゃってるのですか?
怪我をしたのは小生の鍛錬が至らなかっただけですよ。
年は関係ありません。体が硬いのは長年運動を怠っていた性ですので、心を入れ替えて頑張りますよ。
貴兄との乱取稽古は迫力があり、楽しいですので、今後もご指導お願い致します。
還暦までには一度技を磨いて一本取らせて戴きたいです(笑)。
 
柔道に怪我は付き物でしょうし、別に危険な技を掛けられたわけではありませんし、
単に小生が1年近くも火曜会で教えてもらっているのに上手にならないという不甲斐なさの性です。
大した怪我ではないですので、お気になさらず、試合に向けて、前進してください。

来週までに直しますので、又、稽古をつけてください。


いやあ、自分がケガをしたのに、なかなか立派ですね。
(仲の良い人なんで「白帯のくせに、自分のせいだなんて思い上がるな」なんて書こうと思いましたが、
 メーリングリスト荒れるのでやめました)。


それにしても、引っ込みがつかなくなってしまったんでしょうね。
あれから綾小路さんからは連絡はありません。

年長者が2人、間違ったことを言ってないのに(しかも片方はケガまでして)謝ってるのですから、
少しくらい顔を立ててほしいとも思うのですが・・まあ、しゃーないわな。

互いにゴメンなさいして顔を出してくれるようなら、反対に大したものですがね~。


写真はヤマガタ・サンダンデロに飾る。空白部分の絵。
けっこうピッタリはまりました。
来月には取付けたいものです。


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猿の惑星・創世記(ジェネシス)

2011-10-19 09:33:48 | Weblog
昨日は六本木に猿の惑星・創世記(ジェネシス)を見に行きました。

いや~、けっこう評判良いとは聞いてましたが、面白かったな~!
前回のティム・バートンによるリメイクはひどい作品でしたが、今回のものは一味違いますね。

もともと、オリジナルの「猿の惑星」は拙ブログでも申しあげたように
もともとの発想が人種差別をベースにしているのですが、
(あるいは米ソ時代の冷戦を隠喩してるという人もいます)
40年もの時間を開けると、まさに隔世の感がある作品になっていました。

少なくとも今回のリメイクでは、猿がどの人種を表しているとかいったものはなかったかと。

配役もそういう配慮をしたのか、強欲な研究所の所長が黒人だったり、
主演女優にインド人のフリーダ・ピントを起用していたりと、
人種問題の雰囲気を払拭しようという配慮があったのでしょうか(考え過ぎ?)。

それにしても渡辺謙さんが言うように、今のハリウッドというのは、
アメリカ1国ではなく、世界中からその得意分野の人たちが集まった人種のるつぼになっている、
そんな時代の流れを感じました。

聖書にあるように、神はあらゆる生き物の霊長として人間を創造した・・・。

ハリウッドが、そんなキリスト教的な考えから脱却した、
人間と他の生物を同等に(同じ有機物として、ですが)考える時代に来たのかもしれません。


映画は高い知能を持つチンパンジーのシーザーに、
恐怖と同情の感情が持たれるように作られています。

モンキーセンターでの劣悪な環境と虐待はひどく、
動物を扱うところの飼育員がこんなことするかなとは思いましたが、
猿が虐待されて復讐心に燃えないと、話が面白くありませんから、
そのあたりは仕方ないところでしょう。

特撮のCGは、CGらしく見えないように作られていて、
猿の軍団が町に出て暴れるさまは圧巻。
まさにこれはハリウッドでないと作れません!


最後にシーザーが飼い主に別れを告げて、思い出の木に登る場面では、
年のせいで涙腺が弱くなっているのか、不覚にも涙が出てきました。
猿の映画で涙が出てしまう自分が情けない!

隣に座っていた母子で、息子の方は猿が町中で暴れる場面に大笑いしていたのにね~。
(人間はコワイと笑う、というアレかもしれませんが)。

ともかくも今回の「猿の惑星・創世記(ジェネシス)」。
一見の価値ありです。
単純に面白いので、ご覧くださいませ!
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隠しおおせぬもの

2011-10-18 10:01:26 | Weblog
昨日、プールでウォーキングをしながら、
プル友の正ちゃん帽さんと他愛のない話をしていたのですが、
「それ、今度ブログにでも書いてよ」と言われたことがあるので、
忘れないうちにアップします。

なんだっけな・・・。

そうそう、人はいくら格好つけても、”隠しおおせぬもの”があるって話でした。

正ちゃん帽さんは、アイビー系の人たちとの付き合いが多いそうですが、
その人たちが、けっこうミエを張るそうなのですが、
ミエを張る人ほど中身がよく見えてしまうと話から、以下のようなことを申しあげたのですが・・。


よく役者は、一にガラ、二に勘、三に慣れなんていいますが、
いちばん大切で、隠せないのがガラというヤツです。

正ちゃん帽さんが若大将シリーズのファンで、加山雄三の話をしたのですが、
あの黒澤明の名作「赤ひげ」で、加山雄三は長崎で蘭学を学んだ若い医師の役をしています。
最初は長崎帰りをひけらかす鼻持ちならない若造が、
だんだん赤ひげに心服していく役どころですが、演技はそんなに上手じゃないのに、
如何にも長崎がえりという育ちの良さが出ていました。

あの若大将シリーズも、その育ちの良さが魅力だったというわけです。

ところが、残念なことに加山雄三は後年、お金で苦労をしたことで、
あの育ちの良いオーラは消えてしまいました(正ちゃん帽さんは失望してるそうですが)。

反対に往年の二枚目スター(今どき使わん言葉か・・・)に、アラン・ドロンがいましたが、
あの「太陽がいっぱい」や「山猫」などでも、
育ちのわるいギラギラした感じが何とも魅力的でした。

それは、どれも隠しおおせないものかもしれません。


一方で、先日アセナのパーティーで、
レベントシェフがテレビに出演した番組をいくつか見たのですが、
小学校中退という、今どきの日本ではお目にかかれない輝かしい学歴を持つのに
(失礼! でも、尊敬を込めて言ってますよ♪)、
さながらスルタンお抱えの料理人、妙に上品に見えました。

というか、ホントの意味でこの人は育ちが良いんじゃないかなって思いました。
(綾子夫人はぜったい否定すると思いますが)。

シェフのご祖父はやはり料理人ということもあり、
ごく若い頃から料理人の水に浸かり成長してきたわけで、
そういう人のオーラも、やはり隠しおおせないものがあるのでしょう。
(レベントシェフ、テレビでいきなり切り替えられるほど器用な人じゃないしね。
 まあ、まわりが大変なことは変わらないのですが)。


カメラの目は冷酷なので、その時のその人を如実にとらえることが多いのです。
(だから役者ってすごいんですが)。

リンカーンじゃないけど、40過ぎたら自分の顔に責任持て、なんて言いますが、
先日のパーティーで写っていた、自分のだらしない顔に少々責任を感じるこの頃です(笑)。


写真はアセナのランチ、チキンの野菜煮込み。
チキンがキチンと煮込まれて美味・・なんて、ウフッ♪

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体のケガ、言葉のケガ

2011-10-17 08:54:10 | Weblog
先日のこと。

私は長年下手の横好きで柔道をたしなんでいます。
毎週火曜日の夕方に集まって稽古をするので、「火曜会」と呼んでいます。

長年続いていると、当然ながら年々参加メンバーの年齢が上がってきて、
それはそれで良い面もあるのですが、頭の痛い面でもあります。

なにせメンバーの最高齢は67歳。
最近の参加メンバーの多くは50代が多く、日によって40代後半が一番若いなんてこともあります。
10代20代もおりますが、毎週決まって来るメンバーの多くは年齢が高い。

良い面といえば、年齢が高い上にケガの経験を持つ人が多いので、
ケガをしないように1時間以上、ストレッチをして、筋力トレーニングもほどほどに行うことでしょうか。

中には還暦近くなってから初めて柔道を経験する人も参加してますが、
そういう人でも十分楽しんで参加できるようになってます。
(中にはストレッチしかしない、なんて人もいて、
 そのあたりも自己判断にまかせてやっています)。

町の道場で強いところに通ってる人からは、物足りない稽古かもしれませんが、
ともかくもケガせず続けることを重視してるので、年齢の行った人が集まってくるのですね。


そんな中、30代で経験のある元気なメンバーも何人かいて、彼らは貴重な存在です。

火曜会は来るもの拒まず、去るもの追わずの方針なので、
ワールドカップなみに4年に1度とか、10年に1度の参加なんて人も多く、
転勤などがあると、ほんとにそのくらいの割合で来る人も少なくありません。


そんな中、30代半ばのメンバーで綾小路くん(仮名)という人がいます。
綾小路は経験者でかなりの強者。
転勤で東京に戻ってきて、何年かぶりに稽古を再開したのですが、
彼の柔道というのは、高齢者にとってはやや荒っぽい。

初めに来た時から心配はしていたのですが、案の定、60代の方に膝をケガをさせてしまいました。
幸い大事には至らず、通院でほぼ完治し、ケガされたご本人は参段ということもあって、
「まあ仕方ない、こういうことある」とのこと。

それが先日、やはり50代の白帯と乱取りをやって足の親指をケガ。
様子を見る限りは、ムリな技などはかけてなかったようで、
相手が勝手に自爆したような感じではありました(白帯なんで仕方ない)。

しかし翌日のメーリングリストには、「やはり痛みます」とのメールがあったので、
これは注意せにゃイカンと、こんなメールを出しました。


綾小路さん
昨日の乱取りを見る限りでは、問題がなかったと思いますが、どういう理由があっても、
高齢の白帯に、黒帯がケガさせてはいけません。

人にケガさせる人は、自分もケガが多いもの。
大老も参段ですが、最近まで、膝の治療に専念していました
申しわけありませんが、留意していただければ幸いです。


これで注意してくれたらいいな。
しかし、ちょっとキツい言い方だったかなと、
少しだけメールを出して良かったかどうか後悔していると、
迷惑かけて申しわけないので、火曜会を辞めるとのメールが届きました。


えええ~!

火曜会は勝手に来て、勝手に帰る会なので、特に入退会の続きなどありません。
ゆえに「辞める」と言いだした人ははじめてで、これには参った。

その場で言えば良かった、
個人的に「言いすぎました」とメールしましたが、あとの祭りです。
これで、ひとり貴重な若く強い経験者が去ってしまうわけですね・・。


私自身、間違ったことは言ってないはずですが(たぶん)、
ほかにも言い方か、注意の仕方はあったはずだよな。

メールでは10倍ていねいにしないといけない、なんて言いますが・・・
まあ、言っちゃったものは仕方ない、
火曜会は去るものは追わずなので、あったことはあったことなのですが。

なんか部下に辞められる上司の気持ちが、少しわかる気がしました。
このくらいの話はいくらでもあるので、「言葉のケガ」とは、やや大げさですけどね。


写真は先日、お客さんのところにお嫁に行った、なまけ蛙フェリックスくんです。
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眉唾・・・反格差デモ? ~ アセナのトルコワインパーティー

2011-10-16 10:08:55 | Weblog
反格差デモ、世界に拡大…ローマでは一部暴徒化(読売新聞) - goo ニュース

今日の東京新聞でも一面トップでしたけど、みんな先進国ですね。
世界80カ国に広がり、190都市で行われたと報道されてますが、
「反格差デモ 参加国」「反格差デモ 都市」と検索しても、ほとんど何も出てきません。

ほんまに80カ国でデモなんか、あったんかいな?


反格差デモだったら、超格差社会のデリーやムンバイあたりで激しくやりそうなのに、
(欧米の比ではありません)比較的、格差の少ない国や都市が出てるのは不思議です。

ただローマでは車を燃やしたり、商店を破壊したり・・・
日本人は震災の時でもそんなことしなかったのにねえ。

イタリアよりは、ギリシャで激しいデモが行われそうですが、
彼の国では、給料引き下げリストラ反対デモの方が大きいみたいですね。
世界経済がキミたちのために、シャレにならない危機に瀕しているのに、
国民の4割が公務員の国って、こうなっちゃうのかと思いますが。


ツイッターでは何100人も集まったフジテレビのデモは報道しないのに、
東京の反格差デモは150そこそこ(しかもサクラという噂も)なのに、
何で報道するんだという声もあります。

おそらくは、メディアは「反格差デモが世界で広がっている」と報道したいのでしょうね。
何を目的にしてるかわかりませんが、メディア好みのニュースなことはたしかです。

それにしても反格差デモでは、
大企業=搾取という、何10年も前の典型的サヨクのスローガンが、堂々と掲げられてびっくり。
(一部の金融などは、言われても仕方ない面はあるが)

国の経済を支えている大手を潰そうといった発言なんて、タコの足食いと一緒なのに。

某大手自動車会社は自殺者が出るほど、社員を追い込んで働かせているそうで、
まわりで見てるほど楽じゃないのになあ。
なんか「羨ましいぞデモ」という感じもしないじゃありません。


写真は昨日、赤坂のトルコ料理店アセナで行われた、
トルコワインを楽しむパーティーのメニュー。
クスクスのサラダ、トマトのスープ、トルコ風ロールキャベツ、トルコ風春巻き、ローストビーフetc。
超人レベントシェフ、顔はコワイけど味付けは繊細で絶妙ですね。

ネットで知り合った人とは会わない方が良いと言いますが、
文は人なりで、まともな人かどうかのある程度は、文章で見当がつくもの。
昨日集まった人たちは、みな気持ちの良い人ばかり。
アセナのパーティーにはずれなしです。

次回はボジョレーの会を11月やるそうです。
ボジョレーヌーボーはそんなに好みのお酒ではありませんが、
何でも樽で出されるので、一味違うとのこと。
ケバブマシンも導入するそうで、綾子夫人の話ではキョフテ以上の味だとか。
こちらも引き続き、出てみようと目論んでます。


コメント (4)
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ガンが治る! 陽子線治療と命の値段

2011-10-15 08:25:12 | Weblog
昨日は知り合いのつきあいで、
まったく専門外ではありますが、ガンの放射線治療のシンポジウムに行きました。
(正式には”筑波大学 陽子線医学利用研究センター 設立10周年記念講演会”)

私の父も亡くなる前にガンを2回、胃ガンと直腸ガンを患いました。
胃ガンは内視鏡による摘出で、術後に手を振るほどの元気ぶりで、
直腸ガンは放射線治療で、ほぼ治癒しました。
(亡くなったのは誤嚥による肺炎だったので、ガンではいちおう克服したことになります)。

今ではガンは治る病。
黒澤明監督の「生きる」の時代と違い、本人だけが知らない時代ではありません。


昨日聞きに行ったのは、この放射線治療の中でも先端を行く、「陽子線治療」という方法です。
(以下の説明、シロートゆえ不正確。ご容赦を)。


陽子線治療は「加速器」という、とてつもなく大規模な装置を使った医療です。

加速器というのは、原子の中から陽子のみを取り出し、
何キロもある長いトンネルの中で、
その陽子をぶつけるという物理実験を目的にした装置をベースにしています。
(拙著”マンガでわかる物理のしくみ”による、イラスト参照)。

何キロも先にあるところから陽子を発射する巨大な装置ゆえ、東京では設置できず、
日本では全国で8箇所のみ。
設置に80億とか120億かかるバケモノみたいな装置ですね。

 

陽子線治療は、放射線治療の一種ですが、
通常の放射線治療は(光子線治療という)、ガンに照射されてからもスリ抜けて、
うしろにある正常な臓器も傷つけるのに対し、
陽子線は、原子のツブツブを拾い出して当てるため(粒子線治療)、
ガン細胞にぶつかって、それ以上うしろに行かないというメリットがあります。

簡単に言うと、正確にピンポイントでガン細胞を殺せるちゅうわけですね。


国立ガンセンターや虎ノ門病院の肝臓や小児ガンの専門家の先生や、
患者の会の代表の方など集まり、3時間半。
シロートにもわかりやすくお話をしてくれました。


ただ、陽子線治療は120億もかかる装置に加え、
保険が効かないこともあって治療費は数100万単位とまだ高価。
(それでもまったくモトはとれないそうです)。

タイトルに”命の値段”とありますが、それは当然のことですね。


早く保険が適応できるようになると良いですが、
尽力をつして役所にはたらきかけてる先生もいて、その話にも感動しました。

最後につくばの副学長さんがご挨拶をし、
「放射線というと、福島原発で恐ろしいものだと思われていますが、
 利用の仕方次第では、医療として大勢の人を救い、これからもその可能性を広げていくものです」
とおっしゃっておりました。

ランダムに照射される放射線は、正常な細胞を破壊するので危険ですが、
放射線治療は悪い細胞をピンポイントで殺します。
(よく、医療の放射線と原発の放射線は違うと言う人もおりますが、それは不正確です)。

ともかくも有意義な講演会。
つくば国際会議場の立派さ、広さにもただただびっくりでした。
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