小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

セブン区議こと「“七戸じゅん”ちゃんスタンプ」がリリースされました!

2019-02-28 16:00:48 | Weblog

わが朋友、セブン区議こと「“七戸じゅん”ちゃんスタンプ」がリリースされました!

“七戸じゅん”ちゃんスタンプ
購入はこちらから 

もう少しご本人がスタンプのアピールするかと思いましたが、東北人らしく意外にシャイな人なので、制作者自らで宣伝したいと思います。

みなさま、何卒よろしくお願いいたします!

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サントリー美術館で開催中〜川鍋暁斎展に行きました!

2019-02-25 10:04:38 | Weblog

 「アチャールくんと なかのわるい たまごたち」Amazon流通にアップされました!

赤坂九丁目にある東京ミッドタウン、サントリー美術館で開催中の「川鍋暁斎展」に行ってきました。

近年人気の暁斎ですが、今回の展覧会の見所は暁斎の中でも“アカデミックな絵”が多く展示されていたことでしょうか。

川鍋暁斎といえば、妖怪やもののけの絵で知られた江戸後期から明治を生きた絵師ですが、実は狩野派の門を叩いたアカデミックな画家であることは、あまり知られてません。サブタイトルにもなっている「その手に描けぬものなし」 という言葉の通り、実に巧みな絵師であるというのが、今回の展覧会の目玉として実に興味深いものでした。

最初に師事した師匠が歌川国芳だったそうですが、国芳の素行がわるかったため、父親が辞めさせて狩野派の門を叩いたとのこと。聞けば、国芳に師事したのが7歳と言いますから、親が7つの子供に絵の道を志させるという、なんとも大らかな時代だったように思えます。

巧みに描かれた美人画や動物の姿に驚くとともに、さらに驚いたのが、病死した最初の妻の絵を描いていたことでしょうか。

今の時代では考えられないことですが、暁斎は8つの時に神田川に流れてきた生首を描き、周りを驚かせたと言いますから、この時代は今とは違うのですね。
生首を描く8つの子供にはびっくりですが、そもそも神田川から流れてくるというのですから、今の尺度でこの時代を考えてはいけないということでしょうか。

晩年近くになって、暁斎は国芳時代の自分の姿を描いてます。
7つ8つの幼子ですから、それは可愛かったでしょうけど、それにしても自分のことをここまで可愛く描くかって感じ(笑)。

注文が多すぎて、絵が追いつかないよ……なんて自分の姿を描いてますから、けっこう自意識の高い人だったのかな。

↓ ちなみにこちらが今に残る暁斎の写真。なかなか強烈です!(wikiより)

ともあれサントリー美術館の企画にハズレなし。

休日の2時くらいに行くと、若い女性の学芸員さんのお話を聞くことができますので、展覧会の前に聞いておくのも良いでしょう。

川鍋暁斎展は3月31日まで。ご興味ある方はぜひ足をお運びくださいませ。

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顔真卿展は「祭姪文稿」だけではありません〜空海ら日本三筆や懐素の狂草まで来ています!

2019-02-22 09:41:07 | Weblog

「アチャールくんと なかのわるい たまごたち」
Amazon流通にアップされました!

(なぜか横線がついていますが▲キチンとジャンプできますのでクリックOKです) 

顔真卿展も余すところ、本日を入れてあと三日。
会場は激混みという噂ですが、それでもこの故宮博物院の至宝は、どれほど待っても見る価値があります。

会場に入ってから70分待ち、80分待ちという「祭姪文稿」ですが、実はこの展覧会で見られるのは、顔真卿だけではありません。

国立博物館の平成館はご存知のように、特別展の大半は4つの部屋に分かれて展示されています。顔真卿の書は最初の部屋と2番目の部屋に展示されていて、最初の部屋には、なんとあの書聖と呼ばれた王羲之の書もあるのです!

祭姪文稿は2番目の部屋にあり、70分の行列のあと「祭姪文稿見たから、あとはもういいや」とタカをくくって、3番目の部屋に入ってびっくり!

故宮博物院のガラス天井にディスプレイされた、懐素の狂草があるではありませんか!

↓懐素の狂草、草書については、以下拙著「堪能故宮」よりどうぞ。

■草書、行書

 書道に縁のない一般の人たちにとって、草書は読めないので知られる書体ですね。私も書家の母を持つ立場でありながら、実は草書はチンプンカンプン。よく読めない字のことを「達筆過ぎて読めない」なんて言いますが、もともと早く書くために簡略化した文字なので、それも当たらずとも遠からずかもしれません。草書は文字ごとに決まった省略の仕方があり、それも何パターンかあるために、知らないと読むことも書くこともできません。

 ところで、草書は隷書を崩したものがはじまりだと言います。似ても似つかぬ両者で、横広でカッチリした隷書が、どうやって奔放に流れる草書になったのかはわかりません。ただ、初期の頃は一字一字崩していく形式をとっており、続け字で崩すようになったのは3世紀・漢の時代と言いますから、きっと時間をかけて徐々に変化していったのでしょう。

 草書をさらに崩したものに「狂草」があります。ほら、故宮の入り口にあるガラス天井にディスプレイされた、自由奔放な書があるでしょう? あれは唐代の書家であり僧であった懐素という人の筆による狂草です。文字というよりは、一種の抽象絵画のような趣です。

 行書は草書を整えたものと言われ、糸を引いたような筆さばきの草書に対し、もう少し一字一字キチンと書いているのが特徴です。行書の名手としては、かの王義之の名が真っ先に上げられます。

さらには、日本三筆と呼ばれる空海、嵯峨天皇、橘逸勢の書!
特に空海は草書という、なかなか見られないものも展示されてあり、書家の息子ながら書に不調法な私でも楽しめる展覧会でした。

空海は唐では五筆和尚と呼ばれ尊敬されていたそうですが、台湾や中国から来た観光客たちも神妙に日本の書を見ていたのが印象的でした。

日本の書は大陸の書に比べ、(どちらが良いというのではなく)たをやかで繊細で、明らかに同じ書でも違います。

同じ漢字でも、見ていて言語の違いを実感できるのが不思議なところでしょうか。

たっぷり2時間半、書の世界を堪能したあとは、上野・梅の花で豆腐三昧。
母もご満悦でよかったです♪

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「アチャールくんと なかのわるい たまごたち」、Amazon流通にアップされました!

2019-02-19 09:31:53 | Weblog

11月の展覧会でお目見えした「アチャールくんと なかのわるい たまごたち」ですが、いよいよAmazon流通にアップ致しました。

ご注文はこちらから

アマゾンですので送料はもちろん無料。好評につき一時的に在庫切れのようですが、数日内で入荷するそうですので、皆さま、アチャールくんのお目見えなにとぞよろしくお願い致します!

内容をちょっとだけお見せすると……。

Amazonの内容紹介はこんな感じです。
ご興味持たれた方は、ご購入いただきお手に取って頂ければ幸いです。

内容

伝説の”"路上系”ロード・コミック、「インドのアチャールくん」から12年ぶりに、あのアチャールくんが絵本になって帰ってきた! 
インドのストリートで一人で生き抜いていたアチャールくんは、駄犬クリシュナを従えて食べ物たちがいがみ合う不思議な世界に突入する。

ストーリー

家族を探し続けるアチャールくんは、空に浮かぶシエスタおじさんの行き先に“旅”の終着点を見出そうと歩き続けていた。
シエスタおじさんは遥か昔から、空に浮かんだまま眠り続ける超自然的な存在で、平和な時はただプカプカと空中に浮かんでいるだけだが、世の中が乱れると眠ったまま8の字回転をしはじめる。
シエスタおじさんが8の字回転をしはじめた時、アチャールくんとクリシュナは、たまごや果物、野菜やハムたちが、いがみ合って暮らす世界に紛れ込んでしまうのだが、その結末は……。

子供も大喜びなのに大人にも読ませたい、かわいく美しい絵本です。 

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顔真卿の「祭姪文稿」〜この機を逃しては二度と見ることは出来ませんぞよ!

2019-02-18 08:33:29 | Weblog

国立博物館の平成館で開催中の「顔真卿(がんしんけい)展」、母と弟の小暮ファクトリーで見て参りました。さすがに書家の解説付きは、よくわかりますね♪

ともかくもこの展覧会は素晴らしいの一言です!
特に目玉となっている祭姪文稿(さいてつぶんこう) は、言葉にならないほどの何かを与えてくれるものでした。入館は待ち時間がなかったものの、会場に入ってから70分待ちでしたが、それ以上に見に行く価値があるものでした。

本当は2月初旬に行く予定でしたが、中国の春慶節で大変なことになっているという噂を聞き、恐れをなして先週の金曜に延長したのですね。
ただ、春節が終わってからでも会場は大勢の中国人観光客でいっぱいでしたが、さすがに顔真卿先生には敬意を払って来ているのでしょう。マナーのわるい中国人はひとりもおらず、誰しもが神妙にこの偉大な書家の展覧会を鑑賞しておりました。

実はわたくし……拙著「堪能故宮」で、顔真卿の祭姪文稿について書いているのですが、本物を見るのは初めて。光に当てると劣化するため、台北の故宮博物院に行ってもまず本物は見られません。

ですから、今回の「祭姪文稿」の公開はおそらくは最初で最後くらいに思った方が良いでしょう。それを知っている台湾人、中国人はわざわざこれを見るために日本に来ている人も多いようです。

▼さて、せっかくですので「堪能故宮」に掲載した拙文の全文をここに掲載いたします。自分で書いた文章ですが、読み返してみたところ殆ど忘れていましたが(笑)、これを読めばこの書の概要はほぼわかると思います。
またマンガによるダイジェストも同書から転載致しました。合わせてお楽しみいただければ幸いです。

続きは、また後日。ともかくも 顔真卿の「祭姪文稿」〜この機を逃しては二度と見ることは出来ませんぞよ!

■武人書家・顔真卿

 中国書道史において王義之と並ぶ存在といえば、顔真卿をおいてほかにないでしょう。王義之は4世紀・東晋の時代の人で、顔真卿は8世紀・唐の時代の人ですから、両者の間には400年ほどの開きがあります。しかし、両者に見られる文字のねじれや、字の造形などを見る限り、顔真卿は王義之の影響を深く受けたと考えられています(もっとも中国はもちろん、漢字文化圏の書家で王義之の影響を、間接的にでも受けていない人などおりませんが)。

 ただ、顔真卿は当時流行していた院体と呼ばれる、王義之風の書体に対しては、かなり反発していたようです。

 こちらの拓本「顔氏家廟碑」をご覧ください。

武官でもあった顔真卿の剛直な性格が伝わってくる、雄渾な楷書ですね。筆峰をまっすぐに下ろす粘り強い筆さばき。四方のバランスが取られ、神経の行きとどいた気品溢れる、まさに書に人となりがあらわれた逸品です。

 意外なことですが、こうした水平垂直に組み立てられた方形の楷書は、それまでになかったものなんですね。顔真卿の功績は何と言っても、こういった楷書のスタイルを完成させたことにあります。

 顔真卿が、王義之を偉大な先達として尊敬していたのは間違いないと思いますが、彼の性格上、それに追従する当時の流行がイヤだったんでしょうね、きっと。

 「書を学ぶなら、顔に学べ」と言われるほど、品格に満ちた顔真卿の書体は後世の手本となり、さらには宋朝体、明朝体といった活版印刷の見本になって行きます。今、みなさんが読んでいる、この文字も、もしかすると顔氏直系の書体かもしれません。

 顔真卿は楷書のスタイルを完成させただけでなく、草書や行書の名人でもありました。こちら「祭姪文稿」をご覧ください。

 武人だった顔真卿は、「安史の乱」(※1)に、朝廷側の司令官として参戦しています。その時に顔真卿は、何と兄と甥を目の前で惨殺されてしまうのです。この「祭姪文稿」はその義憤と追悼を筆に綴ったもの。見ての通り、随所に訂正や抹消の跡がある、いわゆる草稿ですが、塗り潰した墨などから、彼の心の高ぶりが直接伝わってくるようです。

「父(顔真卿の兄)は賊の手に落ち、子(甥)は死に、城は傾き転覆した。天がこの災いを悔いなければ、誰がこの苦しみを引き受けようか」

 書にはそう綴られ、最後の1行……「嗚呼哀哉」では、草書というより狂書のように筆は曲がりくねり、すでに抑えがきかなくなっています。まさに書というものが、心を映し出す鏡であることを顕したような傑作と言えましょう。

 ただ、このように剛直そのものな性格ゆえ、顔真卿は上とソリが合わないこともしばしばでした。

 安史の乱で功績を立て長安に戻ったものの、顔真卿は時の宰相と宦官から激しく妬まれてしまいます。刃物を使わず人を貶めるのは、宮中の人間がする得意技――最後には反乱軍の士・李季烈のもとに特使として送られることになり、そこで捕らわれの身となります。

 それにしても、いくら気にくわないヤツだからといって、功績のある軍人を敵のもとに送りつけるんですから、当時の朝廷の腐敗というのは凄まじいものだったのですね。まあ、不祥事を起こす会社も同じようなことがありますから、古今東西を問わず、組織がダメになる時というのは信じられないことがあるものです。

 顔真卿を惜しんだ李季烈は、幾度となく自分の部下になるよう説得しましたが、顔氏は頑として聞かず、捕らわれること3年でとうとう殺されてしまいます。時に顔真卿、74歳の老将でした。

 顔真卿を送りつけた時の宰相と宦官たちは、顔真卿が決して寝返らないことを知っていたのでしょう。まさに「祭姪文稿」同様、義憤にかられる話に違いありません。

※1 唐の中期・玄宗皇帝の時代、安禄山@あんろくざん@と史思明が起こした(755-763)反乱。玄宗は退位、乱は鎮圧されたが、節度使による地方分権化が進んだ。

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書画collaboration展Ⅱ「青と白 そして墨」〜図録ができました(其の二)

2019-02-14 09:23:20 | Weblog

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しばらくブログが空いてしまいましたが、書画collaboration展Ⅱの図録データをネットでUPいたします。全部で4〜5回に分けてUPする予定ですので、お楽しみいただければ幸いです。

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日本人によるインド&ネパール料理店、目黒マーダルに行ってきました!

2019-02-08 11:48:17 | Weblog

昨日はコワいクライアントさんの目を盗んで、昼間家を抜け出して目黒までやってきました(笑)。

マヤ・バザールで切れてしまったカレーの材料を購入するのと、しばらくぶりの訪問で目黒マーダルのパロタランチを頂くのが目的です。
注文したのはバターチキンとほうれん草のカレーという、インネパ料理の王道でしたが、前の記事を見てもわかるように、さらにクオリティが上がっていたなあ。

巷に数多あるインネパ料理と目黒マーダルの大きな違いは、日本人スタッフによるインド&ネパール料理だということです。
多くのインネパ料理店の多くは、文字通りネパール人スタッフによるものが多く、凡庸な店はインド料理からタイ料理まで揃えているんだけど、何がやりたいのか、よくわからないところが多いものです。

一方で、プルジャ・ダイニングのようにプルジャ姉さんの突出した才能によって支えられているお店とか、閉店してしまいましたが、大塚のダルバートのような本格的ネパール料理ではない。丁度良い塩梅の、かゆいところに手が届く日本人によるインド&ネパール料理とでも言いましょうか。

目黒マーダルのイチオシはやさしい味付けのカレーはもちろん、何と言ってもアツアツで出されてくる絶品のパロタ(写真真ん中)でしょう。パイ生地状のインドのパンですが、これがカレーとの相性抜群です。

ほとんどのインド人が食べないナンを出すのではなく、パロタを極めるその心意気や良し!
合わせるカレーは、ネパール料理というより、ベンガル料理に似たマイルドでほっとする家庭的なお味で、パロタにどっぷり絡めて食べるのは何とも絶妙なバランスです。
辛味が足りない人には、特製の辛味調味料もついてくるのが嬉しいところ。

やはり20年続く店というのは、日々の精進が違うものと感じた次第です。
店内は靴を脱いで入るというのも、日本人にとって嬉しい居心地良さでしょう。

次回は夜にチベットのギャコック鍋でも頂きたいもの。

さーて、リフレッシュしたからには、原稿の仕上げを………今やってます、今やってます(笑)。カリカリカリカリカリカリカリカリ(ペンを走らせる音)♪ 

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書画collaboration展Ⅱ「青と白 そして墨」〜図録ができました(其の一)

2019-02-06 09:23:57 | Weblog

母とのコラボ展、書画collaboration展Ⅱ「青と白 そして墨」が終了して約3か月。
展覧会の図録が出来上がりました。

出来上がったのは昨年末でしたが販売目的ではなかったので、 特に公開はしてませんでしたが、今回ネット公開を致します。
ネット公開でも十分楽しめますが、書籍をご希望の方は以下のフォームから1200円(税・送料込み)でお受けいたします。
本になると、また感触も違いますよ♪

展覧会にお越しになれなかった方も、お越しいただいた方も、それに近い臨場感が味わえると思います。ナカノギンザ・ギャラリーでは、今年も10月初旬に個展を予定していますので、そちらもお楽しみに!

小暮満寿雄へのメールフォーム

また、版元の関係で大幅に遅れている「アチャールくんと なかのわるい たまごたち」の書店流通&Amazon販売ですが、こちらも、そろそろ販売できそうです。
すっかり遅くなって申し訳ありませんが、こちらも合わせてお楽しみ頂けば幸いです。

それでは、ネット上展覧会をお楽しみくださいませ。

つづく……。

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全員巨匠!〜三菱一号館美術館「フィリップス・コレクション展」は会期残り9日間です!

2019-02-03 12:53:51 | Weblog

昨日は好天の中、「フィリップス・コレクション展」に行って参りました。
入館料1700円のところ、家内の会社の福利厚生で1500まんえんのお値引き♪
あ、かえって高くなったか?・・・なんて、ウフッ♪

こちら鉄鋼王を祖父に持つダンカン・フィリップのコレクションということですが、たしかに一代では到底築くことのできない壮大なコレクションでした。

全員巨匠の看板にいつわりなし!
展示されている作品すべてが紛うことなき傑作ぞろいには驚きです。

モネ、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、ボナール、スーラ、ドガ、ドーミエ、ピカソ、ブラック、マティスなど、近代の巨匠たちはもちろん、ゴヤやアングルなどの作品もズラリと一同に介しており、欧米のミュージアムさながらです。

ダンカン・フィリップの妻、マージョリー・アッカーは画家だったと言いますが、それだけでは測れない高い審美眼には脱帽です。

画商はフィリップ家にしばらくの間に絵を預け、気に入ったものだけを購入してもらったと言いますから、その信用もすごい。
そのため、どの絵を見ても飽きのこない作品ばかりで、美術館を見るときの疲労感もそれだけ少ないものでした。

そう。
美術館というのは、オーナーや学芸員の嗜好が反映されることはもちろんですが、必ずしも、家に置いて落ち着く作品ばかりを入手するわけではありません。

その点、フィリップス・コレクションは実際に家に置くための作品ばかりですから、高い幸福感を感じさせるものばかりを集めているわけですね。

どんな作品か知りたい方はこちらをどうぞ

フィリップが中でも愛した画家がブラックだそうですが、確かにどの作品も粒選り!

私にとって、あまり興味のなかった画家がブラックですが、今回の展覧会で初めて「良いな」と思ったかもしれません。

食べ物と一緒で、絵の嗜好というのも年齢とともに変わるものですが、そういえば昔はあまり好きだとは思ってなかったセザンヌやマティス、ビュッフェなどの作品が、今回の展覧会では、妙に良く感じました。

フィリップス・コレクションを見ていて強く感じたのは、芸術というのは基本、人に奉仕する仕事だろうなということです。

アートに正解はありませんが、若い頃は自己表現こそ一番大事だと思っていたのが、最近では、自己表現は後からついてくるものに思えてきました。
やっぱり見る人が幸福になったり(逆もアリですが)、満足してもらえることが、一番大切なのではないか。

それにしても、これだけのコレクションを一族の財産で集めて来られたアメリカの財力たるや大変なもの。

そう思った瞬間、日本にある5000ものミュージアムの存在を思い出しました。

私が学生の時分など、地方の美術館などチープなものばかりでしたが、ここ10年20年でその位置付けはずいぶん変わったものです。

ポーラ美術館などを筆頭に、その収蔵作品はどこも大変なもの。
バブル期をきっかけに落ちていった日本経済ですが、少なくともアートを見る限り、そのクオリティたるや大したもの。

さほど遠くない将来、自分の作品がそれらの仲間入りをできたら良いななどと、図々しく思った次第です(笑)。

「フィリップス・コレクション展」は会期残り9日間。
この機会をぜひ、お見逃しなく!

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