小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

空・風・火・水・土の五元素

2010-05-13 10:12:13 | Weblog
今日の午後はこれから国技館に大相撲観戦です。
私は正月でも昼はお酒を飲まない主義ですが、大相撲だけは別。
一所懸命に取り組みをする力士を前に、真っ昼間っからお酒を飲み(持ち込みですが)、
言いたいことを言って、贔屓の力士に声援を送る至福の時。
そんな自堕落な一日の前に、昨日からの健康話の続きです。
前に自分が書いた原稿の焼き直しですが、ご興味ある方だけおつきあいのほどを。


アーユルヴェーダではドーシャ(生体エネルギー)とは別に、
空・風・火・水・土の5元素によって、この世が構成されているという考え方があります。
ドーシャが生体エネルギーなのに対し、
構成元素は物質の要素なので、この2つは別に考えないといけないってワケです。
もちろん科学的にはこの世の物質が空・風・火・水・土で構成されてるなんて、あり得ない話。
でも、この「3つのドーシャ」や「5元素」の考え方は、
トータルで人間の体と健康を捉えるには、なかなか都合の良いモンなのですな。

たとえばパンというのは、小麦粉(土)と水を混ぜて、
捏ねて(空・すなわち運動を加える)、風を送り、火をおこして焼きあげたもの
すなわち5元素から作られた食べ物と考えるわけです。
そのパンを咀嚼して食べ(水・カパ)、消化し(火・ピッタ)、排出する(風・ヴァータ)。
それが「3つのドーシャ」の働きです。


アーユルヴェーダでは、西洋医学のように人体をパーツに分解して診るのではなく、
生体エネルギーのバランスによって健康を管理します。
カルシウムが足りないからそればかり摂るとか、
ビタミンが足りないからビタミン剤ばかり飲むというのは、
一部のパーツである栄養分を摂取するに過ぎず、
木を見て森を見ずみたいなところがあるというのですな。

もともと人間の体は、限りなく複雑な化学変化によって維持されていて、
何より個人による違いが大きい。
だからこそシンプルに風のエネルギー、火のエネルギー、水のエネルギーに集約させたのが、
ドーシャという生体エネルギーなわけです。

このエネルギーや元素を、風・火・水などに置き換えて集約する考え方は
一見短絡的なようで、実はけっこう合理的なもの。
人体というのは、あまりに構成要素で成り立っていて、
その多くは医学的に解明されてないものも多い。

そんな意味で、風・火・水といった自然の事象に合わせて、
ざっくり考えた方が、総合的に人間の体を捉えることができるんでしょう。
たとえば生命に必要なものが満ち溢れた、海で穫れた生き物は、
そりゃあ体に必要なものが揃っている。
サプリメントもけっこうだけど、小魚を頭からバリバリ食べるってえのは、
イワシの頭も信心からで、まさに体の芯まで栄養を与えるところがあります。
パーツに細分化しすぎない栄養学ってえのも、まんざらバカにならないって話でしょうね。


病気というのは、この3つのドーシャのバランスが崩れた時のことを言いますが、
アーユルヴェーダでは病気と健康の間にはっきりした線引きがなく、
いくつもの段階に分かれていいます。

西洋医学の場合は、健康と病気の2段階。
漢方は、健康・未病・病気の3段階。
アーユルヴェーダは7つもの段階に分かれており、それは、
①健康、②蓄積、③憎悪、④拡散、⑤前駆症状、⑥発症、⑦慢性化です。
(そのうち⑥と⑦が病気の範疇に入る)。

3番目の「憎悪」なんて、いったい何でしょうね。
誤訳なのか、実際そういう言葉なのか?

明日からはまた別の話題をいたします。

コメント (4)
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