Life in America ~JAPAN編

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家族の結束。

2007-08-20 07:47:44 | アメリカ生活雑感
今日はお仕事の取材のため、とある小学生のママのお宅にうかがった。

インターホンを鳴らしてはぁい、と奥さんが出てきて双方顔を見合わせたとたん、「あれ。な~んだ」。実はT子さんとは以前に何回かパーティでお会いしたことがある。そのときは大勢だったのでお互い名前を確かめるでもなく、いつもお会いする方という認識だった。世の中狭いもの。日本人なんてしょせん、こうやってどっかでつながっているものだ。
いつもは飲んだくれた状態でお会いしているので、昼間にまじめに会うとなんだか照れる。

T子さんは12歳(この9月からミドルスクール)になるお子さんがいるが、上にも二人お子さん(長女、長男)がいてそれぞれもう大学を卒業して独立しているという(!)3人とも日本生まれ。ご一家は日系3世であるご主人の実家の都合で、8年前にアメリカ(Berkeley)に移住。当時長女は高校卒業目前、長男は高校に入ってちょっと難しい時期だったが、渡米に猶予はなかった。二人の子どもたちを日本で卒業させるかどうかいろいろ迷った挙句、結局「親子が離れるのは絶対によくない」と心を決めて一家全員でアメリカに移ったという。

英語の話せない子どもたちにとって、当初アメリカでの学生生活は相当つらかった。当然、高校卒業の語学力がないためもう1年ESLクラス(英語を外国語とする子どもたちのクラス)に行かせることになった。その間人種差別や言葉によるいじめもあったそうだ。
「お母さん、何で(日本で)卒業させてくれなかったの?私の人生を返してよ!」とある日長女に泣かれた。でもその翌日、彼女はケロリとして元気に「行って来ま~す」って学校に行ったのでほっとしたとT子さん。
「あのときは私もつらかった。でもここで私がごめんなさい、って言ったらおしまいだと思ったの。こうすることが家族にとって一番だって決めて来たんだから。この子たちは決して間違っていない、と信じた。とにかく何があっても家族の結束だけは失わないようにってがんばった」。
まず親の気持ちが揺るがないことが大切、子どもたちはそんな気持ちを敏感に汲み取るものよ、という言葉にじ~ん。

長女はUCサンディエゴ、長男はUCLAを卒業し今では立派に独り立ちしている。大学卒業時、長女がこう言った。
「お母さん、アメリカにつれてきてくれてありがとう。本当に感謝してる」
今までの苦労が報われたと涙が止まらなかったというT子さん、当時を思い出して涙、涙・・。こちもつられてもらい泣き。

揺るぐな、と言っても揺らつくのが人間というもの。日本とアメリカという全く違う環境で家族の結束を守り通したT子さん一家に感動し勇気をもらった一日だった。
(そのほかのお話は後日、記事に掲載予定・・・)


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