①Marksmen
1961~1962年頃、ノーキー・エドワーズは一時的にベンチャーズを離れて活動していた時期があり、その時にジーン・モールズというギタリストと組んで結成したバンドがマークスメンだ。しかしこのグループは長続きせず、結局ブルー・ホライズン・レーベルからシングル盤を1枚出しただけでノーキーはベンチャーズに戻ることになるのだが、その彼らが唯一残したレコードというのが「ナイト・ラン」という曲で、何と「ハンガリー舞曲第5番」をロックンロールにアレンジした、いわば「ラップ・シティ」の前身と言えるナンバーなのだ。この「ナイト・ラン」は時流を反映してか、ハンド・クラッピングを上手く使って思わず踊りだしたくなるような楽しいツイスティン・ロックンロール・チューンに仕上がっており、3年後にベンチャーズとして別アレンジでレコーディングされた緊張感漲る「ラップ・シティ」と聴き比べてみるのも面白い。尚、このシングル盤は超稀少でコレクターの間ではかなりの高値で取引されているらしくヤフオクでも4万円の値がついていてビックリしたが(←某サイトに “博物館級のお宝レコード” と書いてあったがいくら何でもそれは言い過ぎ...)、そんな激レア盤の白レーベル、つまりプロモ盤をeBay で$35で落札した時はホンマに嬉しかった。CDではレア・トラック・コンピ集「イン・ザ・ヴォールツ」のVol.4に入っているのでベンチャーズ・ファンは要チェックだ。
The Marksmen - Night Run - 1960 guitar instrumental Ventures.wmv
②寺内タケシとバニーズ
私は長いことクラシックを “退屈で高尚ぶってていけ好かない音楽” として敬遠してきた。フリージャズのようにブツブツが出るほど不快感を覚えるというワケではないのだが、無味乾燥で聴いているうちに眠たくなるツマラン音楽として無視してきたのだ。そんな私の偏見を木っ端微塵に打ち砕いたのが寺内タケシとバニーズの「レッツゴー運命」で、“クラシックにもこんな魅力的な旋律があったのか…” と瞠目させられたものだ。とにかくベートーベンがナンボのモンじゃいとばかりにファズをバリバリに効かせてガンガンギュンギュン弾きまくる寺内御大のプレイは痛快そのもの。この「ハンガリー舞曲第5番」でもあえてベンチャーズ・ヴァージョンを模倣せずに独自のアレンジで勝負したのが大正解で、実にユニークでカッコ良いカヴァーになっている。それにしても合いの手まで弾き切ってしまう御大の気合いの入り方はホンマに凄いですわ(≧▽≦)
Hungarian Dance No 5
③European Jazz Trio
ヨーロピアン・ジャズ・トリオがこの曲を演ってると知った時、ハッキリ言って全く期待していなかった。というのもジャズ初心者の頃に買った同ユニットのデビュー・アルバム「ノルウェーの森」のあまりの軟弱さにウンザリして即刻売り払った苦~い過去があるからだ。その後数回メンバーチェンジをしたらしいが詳しいことは全く知らない。しかしこの「Ungarische Tanze Nr. 5」(←ドイツ語で「ハンガリー舞曲」の意)を聴いてみると、“リリカル” で “ロマンチック” が売りのこのトリオとしては珍しく(←失礼!)スインギーなピアノトリオ・ジャズになっており、十分傾聴に値する演奏だ。特にドラムスが大張り切りでピアノをガンガンプッシュしていることろが◎。クラシックの名曲をジャズ化したアルバム「幻想のアダージョ」の中では最上のトラックと言っていいと思う。
European Jazz Trio - Ungarische Tanze Nr. 5
④David Garrett
上で書いたように私はクラシック音楽には何の興味も無いが、去年ゼップの「カシミール」の絶品カヴァー(←関係ないけど、スーパーでZEPPINカレーのパッケージを見た時、一瞬ZEPPELINに見えてしまった...)を探していた時に知ったデヴィッド・ギャレットというヴァイオリニストはその数少ない例外で、ドラムやギターを入れてゼップ以外にもポールの「死ぬには奴らだ」やマイコーの「スムーズ・クリミナル」、エアロの「ウォーク・ディス・ウェイ」といったロック/ポップスの名曲をスリリングに演奏していたので迷わず購入。クラシック臭さを全く感じさせないアグレッシヴなプレイは私のようなロック・ファンでも十分楽しめる内容だった。この「ハンガリー舞曲第5番」は私にとっては “ブラームスの書いたクラシック曲” ではなく “ベンチャーズの「ラップ・シティ」” として刷り込まれているので、上記のロック曲と同様に違和感なく楽しむことが出来た。これがクラシックではもったいない。ロックとして聴きたい逸品だ。
Hungarian Dance No.5 - david Garrett
⑤Ventures
①でも書いたように、この「ラップ・シティ」の原曲はブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」であり、1961年にまずノーキー・エドワーズがロックンロールにアレンジしてマークスメンのシングル「ナイト・ラン」としてリリースし、その3年後の1964年に今度はノーキー再加入後のベンチャーズが4人で再アレンジして「十番街の殺人」とのカップリングで両A面シングルとしてリリース。この曲を聴くまではベンチャーズをギター・テクニックが売りのエレキ・インスト・バンドだと誤解していたのだが、何となくメロディーだけは知っていたこのクラシック・ナンバー(←もちろん曲名も作曲者も知らんかったが...)をこんなにスリリングなロック・チューンにしてしまうベンチャーズってホンマに凄いわ!!!と驚倒し、彼らの真価はどんな素材でもその抜群の音楽センスで唯一無比な “ベンチャーズ・ミュージック” へと昇華させてしまうところにあるのだと痛感した次第。速弾きで正確にピックのアップダウンを繰り返すノーキーの鬼気迫るプレイが圧巻だ。尚、この曲のシングル・ヴァージョンはアルバムとは違うミックスで、リード・ギターが2本ダビングされていて圧倒的な音圧のサウンドが楽しめるらしいので、近いうちにぜひとも手に入れて聴いてみたいと思う。
THE VENTURES - RAP CITY
1961~1962年頃、ノーキー・エドワーズは一時的にベンチャーズを離れて活動していた時期があり、その時にジーン・モールズというギタリストと組んで結成したバンドがマークスメンだ。しかしこのグループは長続きせず、結局ブルー・ホライズン・レーベルからシングル盤を1枚出しただけでノーキーはベンチャーズに戻ることになるのだが、その彼らが唯一残したレコードというのが「ナイト・ラン」という曲で、何と「ハンガリー舞曲第5番」をロックンロールにアレンジした、いわば「ラップ・シティ」の前身と言えるナンバーなのだ。この「ナイト・ラン」は時流を反映してか、ハンド・クラッピングを上手く使って思わず踊りだしたくなるような楽しいツイスティン・ロックンロール・チューンに仕上がっており、3年後にベンチャーズとして別アレンジでレコーディングされた緊張感漲る「ラップ・シティ」と聴き比べてみるのも面白い。尚、このシングル盤は超稀少でコレクターの間ではかなりの高値で取引されているらしくヤフオクでも4万円の値がついていてビックリしたが(←某サイトに “博物館級のお宝レコード” と書いてあったがいくら何でもそれは言い過ぎ...)、そんな激レア盤の白レーベル、つまりプロモ盤をeBay で$35で落札した時はホンマに嬉しかった。CDではレア・トラック・コンピ集「イン・ザ・ヴォールツ」のVol.4に入っているのでベンチャーズ・ファンは要チェックだ。
The Marksmen - Night Run - 1960 guitar instrumental Ventures.wmv
②寺内タケシとバニーズ
私は長いことクラシックを “退屈で高尚ぶってていけ好かない音楽” として敬遠してきた。フリージャズのようにブツブツが出るほど不快感を覚えるというワケではないのだが、無味乾燥で聴いているうちに眠たくなるツマラン音楽として無視してきたのだ。そんな私の偏見を木っ端微塵に打ち砕いたのが寺内タケシとバニーズの「レッツゴー運命」で、“クラシックにもこんな魅力的な旋律があったのか…” と瞠目させられたものだ。とにかくベートーベンがナンボのモンじゃいとばかりにファズをバリバリに効かせてガンガンギュンギュン弾きまくる寺内御大のプレイは痛快そのもの。この「ハンガリー舞曲第5番」でもあえてベンチャーズ・ヴァージョンを模倣せずに独自のアレンジで勝負したのが大正解で、実にユニークでカッコ良いカヴァーになっている。それにしても合いの手まで弾き切ってしまう御大の気合いの入り方はホンマに凄いですわ(≧▽≦)
Hungarian Dance No 5
③European Jazz Trio
ヨーロピアン・ジャズ・トリオがこの曲を演ってると知った時、ハッキリ言って全く期待していなかった。というのもジャズ初心者の頃に買った同ユニットのデビュー・アルバム「ノルウェーの森」のあまりの軟弱さにウンザリして即刻売り払った苦~い過去があるからだ。その後数回メンバーチェンジをしたらしいが詳しいことは全く知らない。しかしこの「Ungarische Tanze Nr. 5」(←ドイツ語で「ハンガリー舞曲」の意)を聴いてみると、“リリカル” で “ロマンチック” が売りのこのトリオとしては珍しく(←失礼!)スインギーなピアノトリオ・ジャズになっており、十分傾聴に値する演奏だ。特にドラムスが大張り切りでピアノをガンガンプッシュしていることろが◎。クラシックの名曲をジャズ化したアルバム「幻想のアダージョ」の中では最上のトラックと言っていいと思う。
European Jazz Trio - Ungarische Tanze Nr. 5
④David Garrett
上で書いたように私はクラシック音楽には何の興味も無いが、去年ゼップの「カシミール」の絶品カヴァー(←関係ないけど、スーパーでZEPPINカレーのパッケージを見た時、一瞬ZEPPELINに見えてしまった...)を探していた時に知ったデヴィッド・ギャレットというヴァイオリニストはその数少ない例外で、ドラムやギターを入れてゼップ以外にもポールの「死ぬには奴らだ」やマイコーの「スムーズ・クリミナル」、エアロの「ウォーク・ディス・ウェイ」といったロック/ポップスの名曲をスリリングに演奏していたので迷わず購入。クラシック臭さを全く感じさせないアグレッシヴなプレイは私のようなロック・ファンでも十分楽しめる内容だった。この「ハンガリー舞曲第5番」は私にとっては “ブラームスの書いたクラシック曲” ではなく “ベンチャーズの「ラップ・シティ」” として刷り込まれているので、上記のロック曲と同様に違和感なく楽しむことが出来た。これがクラシックではもったいない。ロックとして聴きたい逸品だ。
Hungarian Dance No.5 - david Garrett
⑤Ventures
①でも書いたように、この「ラップ・シティ」の原曲はブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」であり、1961年にまずノーキー・エドワーズがロックンロールにアレンジしてマークスメンのシングル「ナイト・ラン」としてリリースし、その3年後の1964年に今度はノーキー再加入後のベンチャーズが4人で再アレンジして「十番街の殺人」とのカップリングで両A面シングルとしてリリース。この曲を聴くまではベンチャーズをギター・テクニックが売りのエレキ・インスト・バンドだと誤解していたのだが、何となくメロディーだけは知っていたこのクラシック・ナンバー(←もちろん曲名も作曲者も知らんかったが...)をこんなにスリリングなロック・チューンにしてしまうベンチャーズってホンマに凄いわ!!!と驚倒し、彼らの真価はどんな素材でもその抜群の音楽センスで唯一無比な “ベンチャーズ・ミュージック” へと昇華させてしまうところにあるのだと痛感した次第。速弾きで正確にピックのアップダウンを繰り返すノーキーの鬼気迫るプレイが圧巻だ。尚、この曲のシングル・ヴァージョンはアルバムとは違うミックスで、リード・ギターが2本ダビングされていて圧倒的な音圧のサウンドが楽しめるらしいので、近いうちにぜひとも手に入れて聴いてみたいと思う。
THE VENTURES - RAP CITY
「ナイト・ラン」、めっちゃエエでしょ?
ハンドクラッピングの効果的な使い方の
お手本のようなヴァージョンになってますね。
「ラップ・シティ」の日本公演ヴァージョンは
スタジオ・テイクよりも更に高速化されてて
実にスリリングですよね。
今回の目玉はMarksmenの「ナイト・ラン」でしょうか。
ハンドクラッピングがバッチリ決まってなんとカッコいいこと。
「Rap City」は65年のLive in Japanにも入っていますね。