軽い思いつきで始めたビートルズ・マラソンももうすぐ2ヶ月、当然ながら正規盤は13枚+αということでネタにも限度があり、後はよく聴く(or 見る)ブートレッグの CD や DVD について “裏の世界にはこんなオモロイ音源・映像もありまっせ~” と手持ちのブツをご紹介している。別に非合法モノを推奨しているわけではありません(笑)。そんなモノわざわざ買わなくても最近では YouTube でほとんどの映像は見れるし、私はやったことないが、ビット・トレントとかいうルートでほとんどの音源が入手可能だという。凄い時代になったものだ。
そもそもブートレッグというのは公式には発売されていない未発表音源やアウトテイク、歴史に残る有名なライブの録音などがメインで、普段聴けないレアな音源に接することができるので、そのアーティストへの興味関心が深ければ深いほど、魅力的なタイトルが並んでいるブートレッグ群に手を出したい誘惑にかられてしまう。マイケル・ジャクソンのヒストリー・ツアーの DVD なんていつまで待ってもオフィシャルで出る気配がないのでヤフオクを見たら 1,000円台で山ほどブートレッグが出ており、思わず1枚買ってしまったぐらいだ。要するにファンは新しい音源や映像に飢えているのである。ビートルズにしたって例の赤盤・青盤(1973年)の企画は、未発表音源どころか堂々と公式音源を並べただけの “お手軽ベスト盤的な” ブートレッグが市場を荒らし回っているのに業を煮やした EMI が慌てて作ったものだったし、90年代半ばに出た「アンソロジー」シリーズなんて巷に氾濫するブートレッグを一掃する目的で本家本元から出された “究極のブートレッグ” 以外の何物でもない。
しかしこの一見面白そうなブートレッグの世界にも当然、危険な落とし穴がある。元来が非合法なブツであるからして、当たりハズレが非常に大きいのだ。目からウロコな超お宝盤が存在する一方で、リスナーをナメてるとしか思えないような劣悪な音質で聴くに堪えないジャンク盤や、タイトルと内容が違うという “看板に偽りあり” のナンジャラホイ盤、別タイトル・別ジャケで中身は一緒というイカサマ盤、他レーベルが出した音源を加工して “新音源発見!” とファンを煽りまくるフェイク盤など、挙げていけばキリがない。しかも正規盤と違ってメーカー・インフォ以外ほとんど情報がないので、自前の知識と長年の勘を頼りに “ハイリスク・ハイリターン” を承知の上で、勝負するしかない。
そんな私が “買って正解(^.^)” と思えた1枚がこの「ピーター・セラーズ・テープ」という盤で、何でも「ホワイト・アルバム」録音時にリンゴが友人の俳優ピーター・セラーズにプレゼントしたと言われているセッション・テープ(←普通そんなモン渡すか...)なのだ。まぁ言ってみれば “別テイク集” みたいなモンだが、同セッション初期のアコースティック音源である「イーシャー・デモ」なんかとは違ってかなり最終ミックスに近い形で聴けるのが嬉しい。又、別テイクだらけで収拾がつかなくなっている「ゲット・バック」なんかと比べ、レアな「ホワイト・アルバム」セッションの音源というのもポイントが高い。
私がこの盤を愛聴している一番の理由はその音質にある。もちろんUK オリジナル盤の生々しさや '09リマスター盤のクリアで芯のある音とは全く違う独特な音で、そのラフで荒削りな音作りがライブ感を増幅し、ワイルドな印象を与えるものになっているのだ。①「バック・イン・ザ・USSR」は歌や演奏は公式テイクと瓜二つだがエンディングのジェット音が違うし、⑤「セクシー・セディ」はエンディングのインスト・パートがかなり長くなっている。⑥「ドント・パス・ミー・バイ」が終わるや否やリンゴが “ブラボー!ブラボー!” と自画自賛し、BBCライブの時と同じようにキャンキャンと犬の鳴き声まで入っている。
「ロックバンド」みたいなカウント付きの⑨「ミー・アンド・マイ・モンキー(一部省略...笑)」はジョンのヴォーカルがシングル・トラックになっていてよりパワーアップしたような感じだし、バック・コーラスも微妙に違っている。彼のテンションの高さがダイレクトに伝わってくるトラックだ。⑩「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」はイントロをやり直すヴァージョンだし、エンディングの部分も少しだけ違っている。⑪「ブラックバード」には鳥の声がまだオーヴァーダブされておらず、エコーもやや多めにかけられている。⑫は「アンソロジー3」と同じテイクだがエンディング付近で何故か急に音量が上がる(←アンソロではその直前でフェイド・アウトしてた...)。ジョージのヴォーカルが適度に枯れててめっちゃ渋い。
尚、この「ピーター・セラーズ・テープ」は「ホワイト・アルバム」の真似をして裏ジャケにシリアル・ナンバーが打ってある。ジャケットも厚手の紙で出来てるし、ブートレッグやのにエラく仕上がりに拘った逸品やと思う。
ピーター・セラーズ・テープ
そもそもブートレッグというのは公式には発売されていない未発表音源やアウトテイク、歴史に残る有名なライブの録音などがメインで、普段聴けないレアな音源に接することができるので、そのアーティストへの興味関心が深ければ深いほど、魅力的なタイトルが並んでいるブートレッグ群に手を出したい誘惑にかられてしまう。マイケル・ジャクソンのヒストリー・ツアーの DVD なんていつまで待ってもオフィシャルで出る気配がないのでヤフオクを見たら 1,000円台で山ほどブートレッグが出ており、思わず1枚買ってしまったぐらいだ。要するにファンは新しい音源や映像に飢えているのである。ビートルズにしたって例の赤盤・青盤(1973年)の企画は、未発表音源どころか堂々と公式音源を並べただけの “お手軽ベスト盤的な” ブートレッグが市場を荒らし回っているのに業を煮やした EMI が慌てて作ったものだったし、90年代半ばに出た「アンソロジー」シリーズなんて巷に氾濫するブートレッグを一掃する目的で本家本元から出された “究極のブートレッグ” 以外の何物でもない。
しかしこの一見面白そうなブートレッグの世界にも当然、危険な落とし穴がある。元来が非合法なブツであるからして、当たりハズレが非常に大きいのだ。目からウロコな超お宝盤が存在する一方で、リスナーをナメてるとしか思えないような劣悪な音質で聴くに堪えないジャンク盤や、タイトルと内容が違うという “看板に偽りあり” のナンジャラホイ盤、別タイトル・別ジャケで中身は一緒というイカサマ盤、他レーベルが出した音源を加工して “新音源発見!” とファンを煽りまくるフェイク盤など、挙げていけばキリがない。しかも正規盤と違ってメーカー・インフォ以外ほとんど情報がないので、自前の知識と長年の勘を頼りに “ハイリスク・ハイリターン” を承知の上で、勝負するしかない。
そんな私が “買って正解(^.^)” と思えた1枚がこの「ピーター・セラーズ・テープ」という盤で、何でも「ホワイト・アルバム」録音時にリンゴが友人の俳優ピーター・セラーズにプレゼントしたと言われているセッション・テープ(←普通そんなモン渡すか...)なのだ。まぁ言ってみれば “別テイク集” みたいなモンだが、同セッション初期のアコースティック音源である「イーシャー・デモ」なんかとは違ってかなり最終ミックスに近い形で聴けるのが嬉しい。又、別テイクだらけで収拾がつかなくなっている「ゲット・バック」なんかと比べ、レアな「ホワイト・アルバム」セッションの音源というのもポイントが高い。
私がこの盤を愛聴している一番の理由はその音質にある。もちろんUK オリジナル盤の生々しさや '09リマスター盤のクリアで芯のある音とは全く違う独特な音で、そのラフで荒削りな音作りがライブ感を増幅し、ワイルドな印象を与えるものになっているのだ。①「バック・イン・ザ・USSR」は歌や演奏は公式テイクと瓜二つだがエンディングのジェット音が違うし、⑤「セクシー・セディ」はエンディングのインスト・パートがかなり長くなっている。⑥「ドント・パス・ミー・バイ」が終わるや否やリンゴが “ブラボー!ブラボー!” と自画自賛し、BBCライブの時と同じようにキャンキャンと犬の鳴き声まで入っている。
「ロックバンド」みたいなカウント付きの⑨「ミー・アンド・マイ・モンキー(一部省略...笑)」はジョンのヴォーカルがシングル・トラックになっていてよりパワーアップしたような感じだし、バック・コーラスも微妙に違っている。彼のテンションの高さがダイレクトに伝わってくるトラックだ。⑩「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」はイントロをやり直すヴァージョンだし、エンディングの部分も少しだけ違っている。⑪「ブラックバード」には鳥の声がまだオーヴァーダブされておらず、エコーもやや多めにかけられている。⑫は「アンソロジー3」と同じテイクだがエンディング付近で何故か急に音量が上がる(←アンソロではその直前でフェイド・アウトしてた...)。ジョージのヴォーカルが適度に枯れててめっちゃ渋い。
尚、この「ピーター・セラーズ・テープ」は「ホワイト・アルバム」の真似をして裏ジャケにシリアル・ナンバーが打ってある。ジャケットも厚手の紙で出来てるし、ブートレッグやのにエラく仕上がりに拘った逸品やと思う。
ピーター・セラーズ・テープ