津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■銀一枚とは・・

2020-05-15 09:44:40 | 歴史

 江戸時代主に賞賜目的などに用いられた貨幣単位に「銀一枚」というものがある。
コトバンクによると次のように説明している。
「 江戸時代に銀一枚というときは43匁を意味したが,丁銀一枚が43匁未満のときには豆板銀を添えて43匁となし,これを紙に包み,包銀として用いる慣行が見られた。これは銀一枚包と呼ばれた。」

                                              

                                 丁銀≒43匁          包銀(銀一枚)


過去にブログで取り上げた記事から、「銀一枚」に関するものを取り出してみた。

1、長浜之者共、柳村より廻り候かや舟損候、取上候ニ付、出入之儀、銀壱枚之過怠ニてゆるし被下候 様ニと、書物上られ候事     
                    (細川小倉藩・御用覚書之帳ー元和九年五月十日)  
2、逸鷹(それたか)注進ノ褒美銀一枚 
    昨日大鷹それ申候を、丸ヶ口村ニ居申候由、注進申上候ニ付、権左衛門・権丞・木工夜前ゟ付居、今朝すへ上ヶ被参候、初見付、
    注進申来候御百生ニ、銀壱枚被遣候事  (細川小倉藩・日帳ー寛永五年正月十三日)

3、「御知行折紙拝領筆功の覚」(御書出を頂くについては筆功手数料なる物をとられた。又、新町・吉文字屋から奉書紙二枚を購入して届けることを必要とした。)
    1、百石下ハ          拾疋 但京銭壱貫文弐拾目ニシテ
    1、百石より五百石迄ハ     二拾疋
    1、五百石より千五百石迄ハ   五拾疋
    1、千五百石より四千五百石迄ハ 銀壱枚
    1、四千五百石より壱万石迄ハ  同二枚
    1、一万石より上ハ       同三枚  
       右の分御定也
       寛永十九年十一月廿五日 御奉行中  (綿考輯録巻六十・所収)

 

さてこの「銀一枚」は現代においてはいくらくらいなのだろうか。
あるサイトの資料から計算してみよう。
      ・江戸時代中後期において金一両は銀六〇匁に相当します。   
      ・金一両は現代で約75,000円です。
      ・よって銀一匁は、75,000円÷60匁=1,250円

これからすると、銀一枚は 1,250円/匁×43匁=53,750円ということになる。
1、逃げだした鷹を発見した御百姓の褒美、2、舟を損じたことによる過怠料、3、知行宛行状を頂戴するための筆功料、それぞれ高いのか安いのかは現代においては判断のしようもないが・・・

付足し
我が家の二代目太左衛門は、天和元年(1681)の幕府巡見使の「御国巡見」に際し下役で働いている。
 一、同年八月廿三日於御花畑大木舎人殿被仰渡候者、右巡見之御供衆日向より御帰之節所々御
   宿等見繕諸事存寄之通ニ而、御役人等被差添南郷より南関迄罷越誤用相勤、同廿九日罷帰
   申候上ニ而御褒美御銀二枚被為拝領候

すごい臨時収入で、家族一同大喜びであったろう。

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