○明晩は百物語御申談之由一段之御事暮比より致参上候様被下忝致承知候 然處しゆびん徳利は御互用意不仕候而は難成則拙者有合之しゆびん御使江
為持遣候 是は御互迄にて餘人には決而相成不申候
○今朝御口論之節十之進殿貴様御事をくそともおもわぬと被申候に付御立腹之由御尤に候 乍然此節迄はくそとおもはせ可申候間拙者被對御堪忍可被下候
○私先祖國常立尊と申儀祖父代より申傳候 古文眞實にては系圖分りかね申候間御宅御所持之ひらかな盛衰記少之間御借用申度候
○拙者方は御存知之通男子無之娘儀は至極之しこふつにて色黒くたくましき生付にて御座候間元服いたさせ男子に仕立申度存立居候 貴様豆の粉の飾に
御座候間御相談申候
○夜前拙者方聟を取申候 今日致晝寝居候内鼻毛をはさみ遣申候處鼻の先三寸程はさみ切大難渋いたし候間吸膏薬少々拝領いたし度左様いヽ御影にて
元之通吸出し可申と存候
○夜前より蟲せき申候 毒檀草のしほり汁餘程呑申得共せき止不申候 乍御無心御庭前之青ほふすき一坊主御所望申候
○昨日御出之節御晝寝被成候處纔に豆程成火を火箸にてはさみ御耳之内に入れ申候處不怪御立腹こんじよふわるき御仁物にて御座候 是程屁喰同士御
中夫式之儀迄ケ様に六ヶ敷被仰聞候而は甚行當申候
○夜前は乍毎忝存候 扨歸懸殊の外黒き獣を見申候 慥に山猫共にては無之候哉御用心尤に候 今晩より夜咄に参上之儀はいやにて御座候
○拙者御存之通月代剃刀申候事至て嫌にて御座候に付げし/\にねふり剥せ申度兼て所存に候處率先刻貴宅はんどふ邊にて両三疋見受申候間取に上
申候拝受いたし度候
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます