一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

人生の旬

2016-05-14 17:36:43 | 自然



      近所にもまだ竹藪が残っていて、
      通りがかりに見ると竹の子が顔を出している。
      
      名人は靴底の感触で竹の子を見つけるらしい。
      なんでも、まだ土にもぐっているくらいの
      方がもっともやわらかくおいしいのだそうだ。

      写真のように土から出ているのは伸び過ぎて、
      売り物にはならないのだろう。

      なんといっても竹の子はいまが旬。

      まだ子供だったころ、年寄りが
      「旬のものを感謝して東の方を向いていただい
      たら75日長生きする」
      などといっていたが、それだけ貴重だったと
      いうことだろう。

      ところで、
      人生にも旬があるのだろうか。

      物事を行うにももっとも適した時がある。
      幼児期、学童期、青春期……と旬をかさね、
      そしていま老年期。
      幸いにいまも生かされているのだが。
  
      旬の間ははつらつとして動作、表情も生き生き
      として元気なことは云うまでもない。

      作家の工藤美代子さんは
      「どんな男にも、そして女にも、旬の季節と
       いうものがある」
      と書いています。
       (「恋づくしーー宇野千代伝」)

      残念ながら渦中にあるときはそれに気づかず、
      かなり過ぎてからそれに気づくのです。

      しかし、多少負けおしみに聞こえようとも、
      20代には20代の、そして老後には老後の旬
      があるはず。
      時を経て分かる山菜の滋味のように。

      自分で旬を創りだすことが”本当の旬”なのか
      もしれない。