一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

子供の夕暮れ

2016-05-05 14:11:34 | 雑記



    ある本を読んでいたら、
    加藤八千代詩集『子供の夕暮れ』を引いていた。
    そのあとがきにはこうあるそうだ。

    「大人とは、子供の夕暮ではないのか」

    社会のことをいろいろ教えられ、躾もうけて
    やがて一人前の大人になってゆくーー
    この過程を誰も疑わないけれども、
    私はこのフレーズにドキッとする。

    なぜならこの言葉には、
    人間本来の存在感や輝きを放つのは子供時代
    から青春期であって、それが次第にくだらなく
   (だらしなく)黄昏れていったのが大人……
    といったニュアンスが感じられるからだ。

    実際、子供時代が終わったと自覚したのは
    いつだったろう。
    まさか自分が子供でなくなるなんてーー。

    いつの間にか背がのびて、学校も卒業して
    気がついたら大人の範疇にいれられてしま
    っていた。
    この中には、ちっとも成長していないのに、
    といったスネた意味合いも籠められている。

    ほんとうは、 
    大人は子供の夕暮れではない、  
    ときっぱり云いたいのに、そう云い切れない
    自分がいる。

    奇しくも今日は端午の節句である。
    大人は子供の黄昏か?
    しばらく私の心は揺れ動くのだろう。

     
    ※ 車を走らせていて見かけた農家の
      こいのぼり