一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

松本清張記念館

2015-10-16 15:50:37 | 読書


      小倉でもう一つ、駆け足で巡ったのが
      「松本清張記念館」である。
      小倉駅から徒歩15分のところにあり、
      大通りには「清張通り」という標識も
      出ている。

      松本清張
        明治42~平成4 83歳歿

      あらためて年号をみると、平成まで
      生存していて長生きだったことに
      驚いた。

      清張というと、清掃、お茶くみ、社員
      の使い走り、印刷所の見習い工……
      と苦労続きの下積み時代のせいか、
      ずっと昔の作家という印象が強かった
      のだが。

      
      だがその作品は斬新で新鮮だった。
      あまり推理小説には興味のない私で
      あったが、『点と線』を読んだのは
      高校生の頃であったろうか。

      料亭「小雪」の女中2人と東京駅に
      13番線プラットホームで見送られ
      ていた機械工具商会を経営する男、
      安田辰男。
      この3人は向いの15番線ホームに、
      同じ「小雪」で働くお時が男性と
      夜行特急列車「あさかぜ」に乗り込む
      ところを見つける。
      その数日後、お時とその男・佐山は
      香椎の海岸で情死体となって発見
      された。
       ………………

      新幹線がばんばん走って夜行寝台列車
      もなくなった現在、成立しないストー
      リーだが、これを読んだときのドキド
      キ感はいまでもはっきりと思いだすこ
      とができる。
      「点と線」というタイトルも意表を
      突いて新鮮だった。

      秋の夜長、昔親しんだ本をめくって
      みるのも酔狂かもしれない。

      ※ 「松本清張記念館」の入口