一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

帰ってきました

2015-10-13 10:40:04 | 雑記


      無事、帰ってきました。

      取材の成果は原稿でお目にかかれ
      るとして、帰りに掛け足で回った
      ところを紹介したい。

      小倉駅から徒歩10分という所に
      ある森鴎外旧居である。

      森鴎外は旧陸軍第12師団軍医部長
      として小倉に赴任。
      この家に明治32年6月から翌33年
      12月まで住んだ。
 
      わずか1年半ばかりであったけれども
      ここでアンデルセンの『即興詩人』を
      翻訳し、短編「鶏」の舞台ともなった
      ところである。

      書斎をはじめ、居間や台所など、明治
      半ばの(恵まれた)生活風景がしのば
      れる。

      鷗外はここから馬に乗ってよく出かけ
      たというが、厩舎は残っていない。

      <鷗外>と<馬>で思いだすのは
      樋口一葉である。

      一葉の作品に敬意を表していた鷗外
      は葬式の当日、陸軍軍医の制服に身
      をつつみ、騎乗姿で葬列に従いたいと
      申し出たが、樋口家から断わられた。

      一葉の葬儀は身内をのぞけば、
      ごく親しい人、数名だけという寂しい
      ものであったから、(一葉の)妹の
      邦子が丁寧にお断りしたのだろう。
      明治29年のことである。

      鷗外といい、一葉といい、明治期の
      先達の作品を改めて読みたいと思う。

      取材旅行と同じく、駆け足のブログ
      となってしまいました。

      ※ (福岡県)小倉にある鷗外旧居