愛猫家または動物愛護の方々から
とうに顰蹙をかっているだろうが、
私はウチの猫が好きではない。
「ウチの」と断ったのは、他家の
猫なら一向に構わない。
猫自慢をニコニコして聞く度量は
持ちあわせているし、猫の写真集
なんかは好んで見て、可愛い!と
頬をゆるめる。
つまり猫に責任があるのではなく、
私は自分で世話をするのがイヤ
なのだ。
臭いし、毛は飛ぶし、エサを欲しく
て足にからまってくるし……
網戸はボロボロ、カーテンだって
猫の毛まみれで被害甚大である。
おまけにわが家の猫(小さい方)
はベランダを飛びおりて逃亡も
する。
私にとっては憎っくき猫なのだが
家人はそうではないらしい。
(勤めているので週末しか面倒を
みない)
そんな猫に新しいグッズが入った。
猫タワーというやつで、猫がよじ
上ったり、爪をといだりするもの
である。
古いのがあるのに、新しいのを
買う必要があるだろうか。
と思って、私はため息を漏らす。
かくして猫グッズは増えるばかり、
現代の猫は物持ちだ。
その猫はちっとも嬉しそうではな
いし、猫にそんなにお金を使う家
人の気がしれない。
ちなみに犬好きと猫好き、どっち
が多いのだろう。
犬好きは人と触れあうのが好きで
聞き上手なのだそうだ。
猫好きは好奇心や冒険心がつよく、
孤独好きというが、
孤独好きというところだけ当たって
いるような気がする。
※ 新しい猫タワーは新品で猫臭が
しないせいか、まだ馴染んでいな
いようだ。
傍らの鞍馬のようなスポーツ用具
の上で眠る老猫と、下の座布団で
丸くなる若猫
(写真ではボロ布が丸まっている
ようにしか見えない)