一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

矢車草

2013-02-10 18:37:05 | 雑記


    星野さんの詩と絵はどれもこれも大きな示唆をふくん
    でいて、どれ一つと選ぶのは難しい。  
    そのなかでお母さんのことに触れたのを最初にもって
    きたのには訳がある。

    詩画展をみてはじめて分かったことだが、当初は
    ずいぶんお母さんに無理をいって困らせたようだ。

    プロフィールによると、群馬大学病院に入院中、口に
    筆をくわえて文や絵を書き始めたのは怪我をしてから
    2年後である。

    最初は字はおろか、一本の線を書くのも容易ではなく、
    さぞイライラしたであろう。
    そういうとき怒りをぶつけるのはお母さんしかいなか
    ったわけで、お母さんの心情を想像するには余りある。

    詩画展にはベッドの横で眠りこけるお母さんの写真も
    あって胸を突かれた。

    こういうときの母親の存在ほど大きいものはない。
    しかし、みんながみんな母親だからって強くなれるの
    だろうか。

    そして分かったことは、
    星野さんが最初から詩や絵を描くのが得意で、強じんな
    精神の持ち主ではなかったこと。
    むしろ普通の人間であったのだ。

    もし仮に自分が再起不可能な怪我をしたとしても、
    星野さんのように生きられる自信はない。 
   

      矢車草を描いていたら
      母がとてもよろこんだ

      そういえば
      むかし父が
      照れくさそうにいったことがあったっけ
      「母ちゃんは矢車草がすきなんだなあ」

             
                      「矢車草」