蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

陳家の秘伝

2011年07月31日 | 本の感想
陳家の秘伝(陳健一 日経プレミア)

「料理の鉄人」で有名になった著者の、料理やレストラン経営に関するエッセイ。

口述されたものをまとめたもののように見えて、あんまりまとまりはないけれど、内容は期待していたより面白く、役にたちそうに思えるものだった。

印象に残ったのは次の点

・紹介されているほとんどの料理の調味料として豆板醤が登場。和食(親子丼、肉じゃが)にも合うという。四川の人にとっては、日本人にとっての醤油みたいなものかもしれない。

・料理初心者向けに、サラダドレッシングを使った味付けの料理を紹介している。確か著者のお父さんがNHKの「今日の料理」に出演しているとき、味付けの最後にいつも化学調味料少々というのがあったような気がする(違っていたらごめんなさい)。それと同じで、気取らず、簡単においしいものを作りたいという考え方が引き継がれているのかなあと思った。いずれも作ってみたくなる、食べてみたくなるレシピだった。

・父の味付けを会得しようと努力したが、結局ムリだった。味付けは親子といえでも相伝?できず、個々人の流儀でいくしかない。

・「料理の鉄人」で審査員に料理を出す時、人によって味付けや量を調整していた(例えば、女性の審査員には、あまり口を開けなくても食べられるよう、材料を小さめに切ったとか)。

・著者はゴルフが大好き。年間200ラウンドすると書いてある。いくら好きでもそんなにできるものなのだろうか。

・著者の原点は、父の「ご飯食べた?」という挨拶。食べてないと応えるとほどなく温かい料理を手に父が現れた、という。料理の極意はおもてなしと楽しさだ、とする。

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