蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

運命の遺伝子UMA

2007年09月16日 | 本の感想
運命の遺伝子UMA(赤瀬川原平 新潮社)

運とか運命について考察したエッセイ。特に目新しい視点があるわけではないが、著者独特の言い回し、うまいたとえ話に乗せられてすらすら読める。

運を定義すると、「人がコントロールできないようなものが原因なのに、人によって結果に差異が生じるときに使われる言葉」というところだろうか。
海外に旅行に行って皆同じものを食べたのに、著者だけが食中毒になってしまった、というケースがこの本で取り上げられている一般例である。

著者の主張の一つは、運(偶然)と必然の境目はあいまいである、ということ。
先の例で見ると・・・
著者はもともと胃腸が弱い。それが自分でわかっているのだから、海外であたりそうなものを食べるのは避けるべきである。だからこの食中毒は、「運が悪かった」とはいえないと考えられる。

本の中で私が気に入ったフレーズは「努力が運命を追い詰める」。ヤンキースの松井が大リーグ初戦でホームランを打ったことを例にあげ、運の作用を皆無にすることはできないが、努力することにより、運(偶然)が働く余地を小さくすることができる、としている。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 気になる部分・ねにもつタイプ | トップ | 古本暮らし »

コメントを投稿

本の感想」カテゴリの最新記事