蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

黙秘

2008年04月27日 | 映画の感想

黙秘

沢木耕太郎さんの「愛という言葉を口にできなかった二人のために 」を読んで以来、この映画を見たかったのですが、いきつけのツ○ヤにはなくって、残念に思っていました。

先日たまたま、寝る前にNHKBSを見るともなく見てたら、キャシーベイツが出ていて、どこかで聞いたようなストーリーが・・・ということころで、「これはもしかして「黙秘」では?」と気づき、録画して見ました。

主人公(キャシーベイツ)は、グータラ&DV亭主に悩みながら、富豪の別荘でメイドをしている。別荘の女主人は高慢で人使いのあらい女性だったが、長年勤めるうち、主人公との間に友情に似たものが芽生えていく。主人公はある日、亭主が、あるどうしても許しがたい行為をしていたことを知ってしまう。やがてその亭主と別荘の女主人が死に、主人公のその双方の犯人である疑いをかけられ、執念深い刑事に追及される。しかし、直接証拠はみつからない。果たして主人公は殺人を犯したのか?

主人公が父を殺したものと思い込んでいる娘や、イヤな女の典型のような富豪夫人との、微妙な心の交流を描く繊細なエピソードの中で、ひとりキャシーベイツ演じる主人公は、まさに「肝っ玉母さん」(古い!)として雄雄しく立ち尽くします。
キングがベイツを主人公として映画を作るために本作品の原作を書いたそうですが、さすが巨匠、ベイツにハマりまくりのストーリーになっています。

原題は「ドロレスクレイボーン」(主人公の名前)。「黙秘」という邦題は不評のようです。
確かに主人公が黙秘する場面はなく、むしろ刑事の前でもしゃべりまくります。しかし彼女は確かに黙秘していました。黙秘をした相手は刑事や検事ではありませんでしたが。
そういう意味ではなかなか味があるタイトルのようにも思われます。


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