蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

陽気なギャングの日常と襲撃

2007年05月02日 | 本の感想
陽気なギャングの日常と襲撃(伊坂 幸太郎 祥伝社)

「陽気なギャングが地球を回す」の続編。あと書きによると月刊誌に掲載した短編4つに後半部分を付け足したもので、短編で張られた伏線が後半で展開されている。

伊坂さんの特徴である、一見何の関係もなさそうな話が、だんだん繋がりが見えてきて、収束していくような構成に、本書もなってはいるのだが、いつもの「キレ」みたいなのが感じられない。

ギャングの一人(普段は市役所の係長)である成瀬が役所の部下にいう「俺の仕事はせいぜい、責任をとることぐらいなんだ」というセリフがかっこいい。怒りながらでもなく、皮肉っぽくもなく、こういうことをいってみたいが・・・現実にはむずかしい。
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