蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

愚行録

2007年05月12日 | 本の感想
愚行録(貫井徳郎 東京創元社)

実際にあった一家皆殺し事件をモチーフにして、周辺の人物へのインタビュウ形式で、その人物と被害者夫妻との過去の「愚行」を描いている。

物語の中では慶大(特に付属校から進学した慶大生)生をかなり手ひどく批判している。著者が慶大卒というのならまだしも、早大出身のようで、「ここまで書いて大丈夫か?」と読んでいる方が心配になってしまった。

知り合いの人の悪口を言ったり聞いたりするのは楽しいこともあるけれど、それが「陰口」っぽくなると、全く楽しくなくなる(「陰口」は対象の人をおとしめようとする悪意みたいなのが感じられる悪口、といのが私の感覚です)。この本の大半がそういう意味での「陰口」から構成されているので、あまりいい気分で読むことができなかった。(最大の「陰口」の対象は先に述べたように慶大生)

最後に謎解きがあるのだけど、まあ、それが本書の目的というわけではなさそうなので、付け足しみたいな感じだった。
コメント
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