蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由

2007年04月08日 | 本の感想
僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由(稲泉 連 文春文庫)

二十代の若者にインタビューして、働くことの意義を問うている。

人は、衣食が足りると自己実現を欲するようになるという、よく聞くセオリーがあるけれど、働かなくても誰かが食べさせてくれる豊かな日本では、働くことに「金銭的報酬を得る」以外の意味を見出せないと働くことを継続していくのは難しい、ということが良くわかる。

第六章の「働くことは続けること」に出てくる、インタビュイーの若者を励ましていやいやながらも勤務をつづけさせた大手のスポーツ用品量販店の店長のエピソードが、印象的だった。今時、こんな思いやりある人が現実にいたことに驚いた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする