蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ヨリックの饗宴

2007年04月02日 | 本の感想
ヨリックの饗宴(五條瑛 文藝春秋)

主人公の兄は、自分の息子に後遺症が残るほどの暴力をふるい、ある日失踪してしまう。主人公は兄に反発をおぼえつつも、周囲の状況からその行方を追わざるをえなくなる。調べていくうちに兄はある政治家の支援者のグループに属していたことがわかる。政治家はそのグループにある重大な秘密の保護を依頼していた。その秘密とは・・・

重大な秘密がこの物語のコアなのですが、えーと、種明かしされると、なんとも大したことがない内容で、「そんなもの、大仰な隠し方するなよ」と言いたくなりました。
また、主人公が兄の息子にものすごく肩入れするのも不自然でした。(もしかしてBLモノか?と思わせるほど)

五條さんの作品の半分くらいは読んでいるのですが、正直言って今までで一番期待はずれの内容でした。「鉱石シリーズ」のような国際謀略ものにもっと注力してもらいたいなあ、と思います。
コメント
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