私はこの三月に喜寿を迎える。
六十五年前日本は世界戦争に負けたが、良く働く国民性であったので、或る意味経済戦争では、勝ち組となった。戦後そんな頃の親をもつ今の青年達は、苦労知らずである。昨今の経済不況に只只慄いていて非婚もありうる。
所帯を持つ為の財産形成をしようと就労して貯蓄をしているうちに、そのお金と時間的な余裕を自分のために遣う個人主義の充足感に目覚める。婚期を逸することの始まりである。
整った環境を欲するあまり、女性は三高を望むことになり、男性は女性を扶養するより自分だけの生活のほうが楽だと思うようになった。晩婚になるわけである。
男女の仲もお互いをあまり知らない内に結婚していた私達世代の者の方が、やがて授かった子供の育児に一生懸命で民族も栄えてきた。
男性は、自分の年齢が高くなっても若さや容姿端麗な女性を得ようとする。本当は妊娠しやすい早い時期に結婚して平均寿命の延びに合わせて、晩年のライフサイクルを一考したらと私は思う。
俳句 春愁の形見の指輪薬指
そんな娘さんや息子さんはもう40代から50代です。キュウちゃんの歌に倣って上ばかり見ているうちにそうなってしまったのでしょう。初めから非婚を決め込んでいる人は殆どないでしょうが、上を向いていた結果そうなってしまうのだと思います。
女性が働いて収入を得るようになり、独身生活を謳歌しているうちに高齢になっていくのでしょうが、何にでも“時”というものがあります。子供は元気な時に産み、元気な時に育てるべきです。若いうちなら肉体的に無理も出来ます。経済的条件が変わっても肉体的条件は昔から変わらないのです。