一ヶ月一回開いている「にぎわい句座」が四月は吟行と決まった。
私を家まで送ってくれるAさんが、道中にある北部福祉会館を当日の会場として申し込んでおこうと言われた。
ところが、幾つもある部屋はそれぞれ満杯であった。さあそれからが私の難行が始まる。去年の五色園の日記を見ると
「やれやれ、吟行は終わった。もうこれからは、主になってこういうことをしないいで置こう]とかいてある」
岩崎川と目的地は決まっているので、句会をする場所と駐車場と歩く行程だけのことなのに、夜も眠れないほど心配するのは私の癖である。御岳団地の古い知り合いに相談すると北小学校の駐車場は誰が止めてもいいし、彼女たちが当日午前中コーラスで使うという、コミセンを申し込ませてくれたので、クルリンバスで行って申し込んできた。
その旨先生に伺いをたてると「川沿いばかりでは、物足りないでしょうから岩崎城もいれたらどう?」と返事が来た。ならば勝手知ったる道だからと一緒に歩いてくれると言う他の句会のUさんと歩いた。ところが何と大違い。ここにすんでいた三十年前の路地は法外にかわっていた。
当時夫は盆栽仲間のМさんの家へ日に何度も通っていたし、その家は代が変ってこじんまりした家いえにうずもれているし、私と仲良くバイトでゴルフボールをひろいに行っていたNさんの家も子供か孫か二軒ばかり新しい家が増えているし、路地に入るとこんな有様なので広かった田んぼは家がびっしり軒並みである。
来たかった城の前面へ着くにはついたが、満足のいく風貌ではなかった。車に乗れないのは私くらいだから、裏の駐車場へ周るなり何なり自由にしてもらおう。あとは桜の咲き具合と会の進行のつつがないことをいのるとしょう。
俳句 城下町今浦島に桜ふる