毎年恒例のバス旅行は今年は新潟の赤倉であった。小布施や牟礼は行ったことがあるけれど、赤倉は無いので参加した。4月28日、 プラスワン旅マートの集合場所は名駅のユニモールマリンプラザであった。
春日井から中央道へ入って桜の花の終わった名古屋から、花桃真盛りの昼神、飯田の林檎はまだこれからであったが、走行距離600キロの高速道路の両側は、桜さくらと見晴るかしたり見下ろしたりと歓声の連続であった。
昼食は池の平ホテルとコマーシャルで歌っていたお決まりの峠の茶屋でフリー注文だったので、御柱蕎麦を頼むと御柱は竹輪の天婦羅であった。
ガイドが帰りのフローラルガーデンでの栗ご飯定食のオーダーを取っていた。
三度の休憩で松本長野新潟と走って薄暗がりに赤倉へ着いた。若い頃赤倉はよくスキーに誘われたが、その時代はまだ娘が男友達をまじえて一泊で出かけることは考えられなかった。
NHKの朝のテレビドラマの「げげげの女房」より4年も前だったのだから。
源泉かけ流しの湯の花が浮かんだお湯につかり、メンバー同士が食前酒くらいはいただいて小宴会をした。ホテル後楽荘というアンテークでそこそこの旅館であったが、スキー客ご用立てと言った処であろうか、からおけルームも喫茶室も無かった。
だが私としては部屋がオール木の名前になっていて 以前木曽路で買って判らない字があるままの紺の暖簾がこの際解明出来たのは嬉しかった。椎(しい)楡(にれ)梓(あずさ)桐(きり)(えんじゅ)栂(つが)(もち)桜(さくら)槙(まき)枳(からたち)(せんだん)榎〈えのき)樫(かし)檀(まゆみ)梔(くちなし)柏(かしわ)椋(むく)松(まつ)柾(まさき)楓(かえで)栃(とち)楢(なら)楠(くすのき)橘(たちばな)(つげ)桂(かつら)(くぬぎ)(あすなろ)樅(もみ)檜(ひのき)柊(ひいらぎ)欅(けやき)の32部屋である。当用漢字では出ない字もけっこうある。
朝、帰りのバスに乗ろうと表に出ると目の前に妙高が秀麗な姿でわっと現れていて、朝早く起きて写真を撮らなかったことを後悔した。何せ夕べ見た限りでは汚れた雪積む野ずらであったので。
それでもどうかすると家の土手に蕗の薹が出ていたりしたが、木の芽吹きはまだ無い。
俳句 妙高のかがよふ里や浅き春
猫柳小川を跳びて渉りけり