おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

デイケアーの一日

2022-08-12 12:18:24 | Weblog

  独り住まいで、毎週月曜日に一回デイケアーへ行く。その日は四時起きである。
朝食、洗濯、掃除、着替え、化粧、等、現役時代そのものを、出発の九時までに老齢のペースでこなすのである。
 着替えた物を洗濯機にかけて,干そうと庭へ降りると、普段構わずにいる草木が気になって
鎌を持ち出し刈ったり剪ったり、花や野菜に水をやる。ポストへ新聞をとりにいって綴じて鞄に入れる。読んでいる暇はない。パンや牛乳などの朝食をすまし、洗い物をするとき今晩の米をといで夕方帰ったらスイッチを入れるようにして置く。掃除も白い床には苛性ソーダの粉をいれた水で、モップをかけ、廊下とキッチンは息子が学校の休みにバイトをしていたダスキンのモップをあれ以来四十年も辞めずに持って来てもらって、かけて居る、仏間と居間は掃除機をかける。もうすぐお盆なので盆提灯を息子がしつらえて行ってくれた。あちこちの曾孫が来るのが楽しみである。
 デイケアーのありがたいのは、必ず九時すぎには迎えの車が来てくれることで、それからも一人二人と拾いながら老健に着く。日課の自転車漕ぎやそれぞれの人の弱いところに、電気治療を始める。マッサージ機は体の部位により三台くらいにはかかるから、家でこれをやろうとすると相応のスペースが要ることになる。
 次は入浴。スタッフに感心するのは大半は車椅子の人を、入浴専用の車いすに移らせて優しい言葉をかけながらそれぞれ身体を洗って、私のように自分で浴槽に入る者も含めて四五十人を、しゅくしゅくとこなして行く事である。もちろん髪を洗うのも背中をあらうのも、着替えもやってあげている。パンティ姿で男性スタッフに足の爪まで切って貰っている異様な光景もある。私の場合元々温泉好きで家を中心にあちこちの回数券を持って息抜きに行っていたのが、コロナ禍になってから自重して行けなくなっていたので、相手のペースなのを我慢すれば有り難いことである。これらを午前中に済ますと昼食である。家にいても一汁三菜に気を付けているので比較をする。季節ごとのものは一緒である。午後からは一時間に一回くらいの体操があり、三時のお茶の頃には何らかのリクレーションが組んであって、この間は輪投げで300点の私が最高点だったら、賞品にソックスをくれた。月曜日は家に持って帰る生け花をする時が多い。
 四時に,帰り支度が始まって,朝来たように家迄送ってくれる。最初転んで骨髄をやられた時、娘が申し込んでくれたデイケアーを何で私がと思ったが一年経って更新時になると一周間に一度くらいはこうした休息も良からずやと思うようになった。
         
      俳句   反比例我の背丈と青田波
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