おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

  窯  元

2020-03-20 12:50:00 | Weblog
コロナウイルスの感染拡大は日本でも諸外国に劣らぬ勢いで蔓延していくので、公共機関や、小、中、学校、保育園までもが、閉鎖を命じられたり、高齢者もご他聞にもれず、籠もっている。
そんなさなか、後輩のAさんが、私と同い年の両親が、別々の施設に入っていて、出入り禁止なので、時間が空いたから、この前の全快祝いのお礼に(去年両膝の関節手術をして杖をついていて、もっぱら車である)うなぎを食べに連れて行くと迎えにきてくれた。鰻に目のない私はほいほいと同乗して行くと、瀬戸の鰻の「ふじ」という店で美味しくて胆嚢した。
瀬戸といえば、多治見へ出る川のある通りや品野方面しかしらないので、瀬戸物の街という赤津は初めてでめずらしかった。彼女の実家は、弟さんも、去る会社のえらい人なので、彼女と二人姉弟で跡を継ぐ人はなくて、大きな窯元が閉まっている。「観る?」と言って明けてみせてくれた。今の今まで仕事をしていた感じの道具類一杯の仕事場である。奥へ入っていくのは、気がひけたので、入り口付近で並んでいる陶器を見たりしていた。毎年干支の置物をいただいていたが、今年は来ないのでどうしてこないのかなあと思っていたやさきなので、鼠の白いのをみつけて、「これ頂戴」と鞄にいれた。
 今子供の数がすくなくて、高学歴なので、跡をつぐ人がなくて、どの家にとっても、困った問題である。母家はあけなかったが、門かぶせの松の下に黄水仙が、ほころびかけていた。
 ここが、父のいるところ、あまり遠く無い所にここが母のいるところときれいな施設を前まで車で行って教えてくれた。
 二人の子供を結婚させた彼女は嫁ぎ先の百歳近い姑さんも長久手で施設へ入っていて舅は車の免許を返上して自転車である。彼女は今その舅と夫との三人住いである。一つ良いことには今、屋敷内に息子が家を新築中である。   
         俳句  ウイルスで外出禁止ショール編む
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新型のコロナウイルス 二題

2020-03-05 07:36:01 | Weblog
その一
 困ったことになったものである。地球上の何がいけなかったのであろうか?国民は大なり小なり約束事を中止したりキャンセルしたりしてそれにこたえている。私事で言うと三月一日は誕生日である。今年は閏年で二十九日に一年早い米寿の祝いをしてくれるとのこと、人生残り少なくなって、一日々々を大切に生きている身にとって、一年の前倒しは何か損をしたような気になる。娘が書いていったカレンダーの日付けをみて、息子が笑うので「じゃ貴方のところは来年にして」と相殺したような気になった。婿さんの祝いの言葉に続いて盛り花の植木鉢とシルバーのブローチと、瓶いりの佃煮セットをいただいて蟹会席がはじまった。この「喜多の屋」は畳の小部屋が一室とれるので、子供連れには良い。水入らずの楽しい時を過ごして曾孫を両脇にして皆で写真を撮って拍手でおわった。めでたし、めでたし

     。俳句  外国へ旅立つ子等と春炬燵

             その二

   三月三日は「にぎわい句座」の句集完成の打ち上げ会が、「やじろべー」で予約をしてあった。時節柄中止にしたらの声も無きにしもあらずであったたが、決行した。施設で出入り禁止になっているТさんが一人欠席だけで句は届いていた。当日は当季自由題三句と席題の「山笑ふ」の四句である。雛祭りよろしく自分への御褒美の会食をしてから、選句がはじまったた。
「山笑ふ」の席題の高得点は ○ 手作りの句集完成山笑ふ  ○  職人の足場軽やか山笑ふ  ○  野仏に夕日のさしてやま笑ふ
 などであった。私は即座に ○ 新型のコロナウイルス山笑ふ  とやったらそれでも二点はいった。得てして娘も私も一丹約束をするとくつがえせない性分なのらしい。今日現在では全部で何人の罹患者になっているのであろうか。早く終結してほしいものである。
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