パソコンが壊れたので、中古のセブンに買い変えた。
いけめんの若い担当者に説明を聞いていると、ぴんぽんと又来訪者だ。
「とよた信金です」「いまお客さんなので又ね」
この家の近くに向かいあって「豊田信用金庫」と「瀬戸信用金庫」が建築中である。
最初はポストまで出ていきそれぞれに名刺をもらって、挨拶を受けていた。
さてどちらが熱心かと思っていると、片方は一週間に二度ならず三度も顔を出す。
現役中に開設した口座の銀行はコンビにでお金こそ出せるが打ち込みなどは乗り物で行かなければならないので、近くに変えたいと思って居た所なので渡りに舟ではあった。
どこの家でも銀行には、有縁だと思うけれど、その昔農業銀行を集めて十六銀行にしたという祖父の時代から何かと銀行にかかわりのある家で育った。
農地解放の後には父は地元の町に大垣共立銀行の支店を立ち上げた。
やがて本店勤務になると家には寝に帰るだけのような晩年で定年になった。
私の五人いる孫の内の一人は女性ながら窓口業務ではなくファイナンシャルアドバイザーで成績も良かった。結婚退社をして今お腹に赤ちゃんがいる。
娘に解約について行ってと頼むと「建ってからで良いでしょう」と言うけれど「三月にやってよ」といわれて根負けした。
私も生保のセールスであったから外回りの大変さは承知している。
最近図書館で「池井戸潤」の銀行ものばかり四冊借りてきて読んでいるがそれは、私等が普段目にして居るような窓口業務や外回りの行員ではなく支店本店の中推にいる人たちのそれなりに壮絶な処世を強いられている小説である。
もう身につまされたり置きかえて考えたりしなくてもよくなった。それでと言う訳ではないがこの人達の為になる事はないかと考える。
定期を組んだ、[とよ信]さんは新婚半年だそうだから良いがパソコンのお兄さんは三十三歳で技術も達者であるのに、忙しくて結婚が未だだそうである。良い人があったら紹介してと頼まれた。
若い人と関わっているとこちらも若やいだ気持ちになるから、不思議である。
俳句 引継ぎてひ孫生るるや春灯