おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

宝  塚

2014-03-19 05:43:38 | Weblog

 娘が松坂屋へ洋服を買いに行くと言うので、便乗して行って、新聞店がくれた招待券の「宝塚歌劇100年展」を観てきた。
 宝塚と言えば戦前戦後、子女のあこがれの華やかなレビューの世界であった。
 私の周りでも同級生の一人が女学校三年の頃試験を受けると言う噂が広まった。汽車通学で地方の有名な呉服屋の子で、美白で容姿端麗、背もあるし男型にでもしたら、うってつけのような人であった。
 その呉服屋は近在の、例えば母達四人の花嫁衣裳は全部そこで調達すると言うような老舗であった。
 その後受かったとも、落ちたとも聞かなかったから、これも夢の一つに過ぎなかったのかも知れない。
 会場を見渡すと、100年からの広告が所狭しと隙間無く貼り巡らせてある。   その狭間に写真とか、説明が掲げられていて、衣装の展示は少なかったが、越野じゅんこのデザインしたものも何点かあり、一世代前の肩の張ったボックス型で最近のは撫で型ある。
 私の知った顔では、小夜福子、春日野八千代、八千草薫などがあった。
 ちなみに宝塚といえば「すみれのはな」が象徴的な歌で確かその中に「清く、正しく、○○○」とあるのを「私達の校歌は真似して、もじってあるのよ」などと言いながら「清く、雄雄しく、つつましく」の箇所をそのことを意識しながら大きく歌ったものである。
 私はあまり関心が無かったので、今回説明を読んで初めて知ったのであるが、小林一三という人が、最初温泉を造ったらあまり流行らなかったので、その敷地いっぱいを劇場にしたのだそうな。
 それが当たって有名になり、私達が旅行に行っても宝塚一帯は高級住宅だと眺め東京の成城並みの感覚で居た。
 100年の時代を感じるとともに母達姉妹の頃から輝きつづけて来て、今尚「ベルサイユのばら、オスカルとアンドレ編」などとタカラジェンヌの輝きで興行をうっているのは立派なものである。
 歌舞伎にしても、落語にしても現代では趣味が多様化して来たからフアンを取り込んで行くのは、むずかしいものがあるであろう。
 宝塚も、さわりだけでもテレビで放映してくれると良いのにと思ったりした。
 洋服の入った紙袋を二つ三つ提げた娘と携帯電話をして落ち合い会場の前の松栄堂でお茶をしてゆっくり帰った。

     俳句   しだれ梅戸の趣のそれぞれに
           春風に姉妹で語る母のこと
           さまざまな花を活け来て弥生尽

 

 

 

 

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三  月

2014-03-09 16:47:09 | Weblog

 S氏からはがき絵展の招待ハガキをいただいていた
 三月の第一日曜日、その日の午後が撤去と思いこんでいたので、市民会館へ午前中に出かけて行った。
 三寒四温とここのところ寒い日が続くがキャンバスのあるバス停で今年はじめての笹鳴きが聞けて、るんるん気分であった。
 農協前でバスを降りて歩いて行くと左側に梅畑があって、
白い梅が咲き初めているのが眺められた。
 これもこの日の功徳と市民会館の急な階段を登りつめて、会場へ着くと何もやっていない。「そんな馬鹿な」とS氏に携帯電話を入れると「図書館ですよ」とのこと。
 ハガキを確認せずに来た、うかつさを思いながら東側の図書館へ通じる路をとると、道中の畑や柿の木の下などに春のきざしの水仙や、蕗の薹や、よもぎの芽だし、を見ることができた。
 図書館の喫茶室のガラスにS氏の姿をみつけて、こんこんと叩くと、にこやかに招じ入れてくれたので同席し日頃の無沙汰を詫びて四方山の話しをした。
 次に展示絵を見せていただくと、私の面で描く俳画と違ってS氏の絵は線画であった。
明るい色彩で緻密にかけていて、六枚ほどが額に入れてあり大柄な体に似せぬ繊細な性分をのぞかせていた。
 他にお客様も有ったので御無礼をして図書館をぶらぶらした。
 向田邦子と思って借りたのが、向田和子の「かけがえのない贈り物」と言う姉邦子のことを書いたものであった。夕べ殆ど眠りもしないで読んだのも「藤原周平父の周辺」と言う一人むすめの遠藤展子の書き下ろし作品
で、邦子や周平等と同じ世代の私としては「揃いもそろって何だこれ・・・」の感である。
 その足で午後は句会に出席をした。
 今日は町内の役員会である。「あらじん」の別室に寄り集まって委任状等発送したり配る用意をしたものを携えて来た。
 その際「お役に立てる内はと、
もう七、八年になりますのでこの辺でお役御免にして頂きたいのですが」と申し込んで置いた。
 帰りに各家にそれを配りながら、上記のように間違いの無い内に交代してもらうのも良いことと思ったのである。

   俳句   針供養身辺整理しておかな 

         バス停で笹鳴き聞けり学生と

コメント (4)
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