今日の私の予定は三件であった。
昨日Nさんからみかんを、ひとケースもいただいたのでそれを少々持った。最近お出掛けの際は二時間くらい前からその態勢で動くようにしたら、あれを忘れたこれをして来なかったが少なくなった。
気持ちだけは現役時代と変わらないが考えてみれば定年してから十七年も経っている。エレベーターで地下鉄のホームへ出ると、始発の女性専用車なので優先席に座る。
途中満員の中へ足の悪そうな方が乗って来てふらふらしていたので、となりの席が空いた時背中へ声を掛けると有り難がって大病を克服した話を聞かされる。
乗り換えて先ず一件目、松坂やへ直行し「御座候」をふた包み買った。すぐ隣の鈴波の行列の人が少なかったので椅子に掛けて待ち、昼食をした。
二件目、中区役所の市民ギャラリーで写真の五人展をして居られる俳句の先生の処へよると食事に出かけられて留守であった。他の展示場を丁寧に見て特にキルティングはいくら好きでももう私にはそれをする時間が無いので、感心して眺めた。絵は感覚的にしか判らない。
サイン帳に署名してお暇しようとしたら、帰って来られたので写真のうんちくを聞く事が出来た。スマホで撮ると一周可能だそうで二百七十度に延長したオアシスからの眺めや名駅のビル街、大須の幾つもの通りの入り口を一列に並べて写したのや、かきつばたの長く広い景色などあっと驚く写真の数々を見た。椅子に座ってご覧下さいとあった縦長の二枚は幾何に弱い私には咀嚼不十分であった。
栄の地下街で見舞いの衣料品を少々買い足して、市役所まで乗り、国立病院へ胸をどきどきさせながら妹の見舞いに行った。妹の脳梗塞は先回の時よりは大分良くなってこちらの言う事は全部判る。なにやらぶつぶつ喋って居るのだがそれは私には判らない。歩けなければ何ともならないから足のリハビリはどうなっているのか聞きたかったが二時間居ても介護に訪れる甥には逢えなかった。
日が短くなって出入りの門の藤棚の葉が枯葉になって裸木になっている。街中なので紅葉も見られず地下鉄の連絡通路へとゆっくり歩いて乗った。
家に帰ると自転車の前籠に曾孫の七五三のDVDと赤飯が入れてあった。
俳句 七五三慣れぬ姉妹のぽっこりや