おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

旬 の 食 材

2011-04-19 08:24:42 | Weblog

東北大震災の波及で心理的に気落ちしていて、日常茶飯を繰り返していると、折角花散る中の茶房で一緒にお茶をしてくれたり、池の端で「亀も花見をしてるよ」と写真を撮って心持ち気を引き立ててくれる人が居ても、空虚な気持ちに埋没して行く時は救いようが無い。昔父がよく言っていた「木の芽時は頭が痛い」を思い出す。
 ここは一番自分で気を引き立てなくてはと、今日はブログの更新をすることにした。
 図書館から「ⅠQ84」の3と「老いの耄碌」の順番が来たと知らせがあったので、借りに出かけ、バスを降りて近道をしていると、田圃の畦にずらーと土筆が並んでいるので、うわー今年初めてと摘んで帰り卵とじにするとお酒のあてに春の味がした。
 翌日、Hさんから「筍掘りに行かない?」と電話が入り7時20分の約束をしてガスタンクの薮え出かけて行った。
 2年ばかりの間に田舎道だった所が町並になってしまって、早朝とは言え自転車の前籠に入れた鍬の柄が擦れ違う人に当たらないかと心配した。
 私より二歳上のHさんが大きいのを見つけて掘って居られるのに、私は剥いたら皮ばかりのようなのを5本掘った所え、男性二人がビニールの袋の中身を見せながら「もう今日は無いよ」と近寄ってくるのも例年通りである。
 薮の中の地形もここだけは何年も変わらないが、もう二人には転んだら危ない遊び場になってしまった。
 その翌日はゲートボールのSさんが蕗をこいできてくれるといっていたので、期待しながらも、こいで来るってどういうこと?と思っていたら土に植えるようになるべく小さい苗や根っこを持ってきてくれた。
 絶やしてしまったので蕗の薹が出ないと話していたことを覚えていてくれたのである。
 此の時季行きは無視して自転車を飛ばすが、ゲートボールの帰りに弁天池の土手で一ヶ所蕨の出るところがあって、素通り出来ずに一握り摘み始める。以前は山うども、たらの芽もあった。鎌で刈るほど芹の生えていたところは、今私が通う整骨院になっている。
 この池もボートを浮かべてお好み焼き屋を始めた人があったが長続きしなかった。
 三月、中州の島も畔の繁みも余りにきれいにしてしまったので、留鳥もいなくなってしまって、黒鶺鴒が五、六羽ちょんちょんと歩道を走っている。釣り人一人居ない。
 前述の隣町の杁が池公園は住民の憩いの場として定着した。

 俳句 枝振りの歌うが如し花万だ


     一人居の物憂きときは暮れ遅し

 

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内 覧 会

2011-04-05 15:01:11 | Weblog

 実家の甥が歯医者を立ち上げて、四月の二日と三日が内覧会だというので三日に出かけた。
お彼岸の墓参りに行ってなかったので供華を沢山買って栄オアシスから美濃行十時七分に乗った
。弟が駅まで迎えに来てくれたのでお墓へ直行してから、歯科クリニックを訪れた。
 本宅からは一キロ半ほど先で立派なしゃれた建物で、二階は若夫婦の新居でもある。母の目の黒い内でなかったのが何とも残念であった。
 弟がお祝いに花は要らないと言うだけあって、胡蝶蘭が二十鉢以上も来ていたのには驚いた。ここで私は思いがけないことに遭遇した。
 観に来ていた人の中の一人に何となく顔に見覚えのある人が居たので、「もしや同級生じゃなかったかしら」と言うと私を分からないようなので、「同窓会に一度も出て来られないんですもの今度、昔を語り合いましょうよ」と言うと「もういいわ」と予期せぬ返事であった。
 母校の高校で教師をしていたとのこと。私の推理の興味は誰だったかなあ、高校時代を思い出したくない汚点のある人などはと、詰めて考えて行くと帰りの高速バスが刃物センターを見下ろすあたりまで来た時に閃いた。
 あ、あれはパク様、そうだパク様だ!高校三年の就学旅行に東京へ行った時、
クラスは違っていたけれど、旅館でお酒によっぱらって、好きな女性のニックネームを「パク様パク様」と連呼したり泣き叫んだりして先生をてこずらせた人である。
 名古屋の地下鉄の中では、とうとう名前も思い出し私はまだ認知症ではないわと意を強くし、人の顔は二つとは無く六〇年経っても面影はあるのだと今更ながら感心した。
 家に着いてから郷里の友に電話で聞くと他の高校で、校長で定年されたとのことであった。やはり一代お酒は良く飲んだのらしい。
 「観にきてくれて有難う、まだ歯があるのなら、クリニックにかかってやってくださいませ」
 私の場合は歯茎がやせていてインプラントにも出来ないとのことである。
 坊やは片言を話しちょこちょこ歩けるまでになっていた。

 俳句  トンネルをぬけると里は花万だ
     迎えくるる川に並びし鯉幟

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