おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

万引き家族

2020-04-25 18:06:14 | Weblog
 パチンコ屋の駐車場から連れてきた、翔太に万引きを仕込んだ父親代わりの治、その妻の信代(どちらも前があるらしい)締め出されて家に入れずに居た団地の階段から連れてきた幼い女の子に「りん」となずけて育てることにする。旦って夫に裏切られて独り居で年金受給者の高齢の初枝、血の通わぬ孫のトークルームへ通う亜紀、これら六人が初枝の家で同居する,世間体は家族の物語である。
 翔太が万引きをみつかって逃げる時に脚を怪我したことに始まって「りん」の行方不明の公開捜査に踏み切られたり死んだ初枝を床下へ埋めて年金を従来通りうけとって夫婦二人で逃げ支度をする頃になって、翔太がまともな人間になろうと、思いはじめて、「父さん」と人のいないところで呼べたり、死ぬ時に「初枝」が「ありがとう」といったり、刑を受けろ時、信代が、買って出たりと、暖か擬似家族である。
 このように、変質的なことが小説に書ける現代の善し悪しが問われる社会と言うか、人さまざまな見方ができるよ、と暗示していると見た。娘はこの映画を見てきたとのことである。

    俳句   葉桜の蔭を帰るや就活生
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予想してなかった

2020-04-11 10:08:35 | Weblog
 施設に入っている妹から、不定愁訴のハガキが来なくなった。
 梅の蕾がふくらみ始める前から桜が散り始めた今に至るまで(2月から4月半ば)新型コロナウイリス(新型肺炎)が世界中に脅威的な出早さで蔓延し、車椅子の彼女もテレビをつけても、そればかりの映像に驚いているのであろう。
 アメリカ、中国、イタリヤをはじめとして、世界中の罹患者数が177万人近くになった。日本も日増しに感染者が増えて2000人を数えるようになってきた。
 政府は国民に対して、政治、経済、医療、学業、生活などに新しい規制をかけてきた。
 その結果今や日本国民、隠忍自重の籠もり切りの生活を余儀無くさせられている。東京、大阪など大都会が緊急事態宣言を発令したのに負けじと、今夜我々の住む愛知県でも大村知事が、緊急事態宣言を、出すそうである。
 私自体独り住いをしていると、一日に一つ位いは何かの用事があるものだが、現在所属している趣味の会は三つとも閉鎖中となり、医者通いも技巧を要する歯医者以外は薬をもらいに出向くだけだ。買い物も近くですませ自粛、自粛の暮らしぶりである。
 妹の入っている施設も出入り禁止で見舞いにも行けない。
 これが明けたらどんな日々が待っているのであろうか。
 戦中、戦後、結核が流行り、ばたばたと知人が亡くなった時代が、あった。今や結核は治る病になっている。
       人類を淘汰する気か造物神  
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