おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

日 帰 り 旅 行

2014-11-29 07:16:10 | Weblog

 衆議院選が始まろうとしているのに、紀行文ばかり書いている時ではあるまいとは思うけれど、今年の愛知銀行の「年金友の会」の旅行は京都の平等院と山中温泉那谷寺のいずれかであった。
 私は月末でないと空かないので、一緒に行きたかった妹は11月4日に京都へ私は26日に山中温泉へ行った。
 愛知学院5時50分の始発バスは独りであったが、やがて朝早くから職場へ向う人が大勢乗り合わせて来た。高速は便利である。
 降られ女ではなかった筈なのにと天気予報に従って折りたたみ傘持参で集合場所に着いた。
 最近はガイド無しの添乗員だけのバスが多いが銀行の計らいであろう、両者完備で銀行員の見送りの挨拶もあり、しかも二号車のベテランガイドは的確なアドバイスを楽しくしてくれて客を飽きさせなかった。
 紅葉の山合いには随所に霧がたちこめて秋ならではの良い眺めであった。
 昔の越前平野(いまは統一して越後平野と言うのらしい)の丸岡城が遥かに見えるあたりまで続く苅田の跡があまりにきれいで、大麦でも播いて芽が出ているのかと思う程であった。穭田にしては美しすぎる。
 先年亡くなった森光子の欅や塗りを多くつかった会館で、「山中節四季の舞」を何幕もみせてくれた。
 山代温泉街の瑠璃光と言う立派な旅館で12品目ほどのお品書きには(蟹もついている)昼食をしてから、千三百年祭の那谷寺の拝観となった。
 朱印帖を埋めてもらっている人もいたが、私はもっぱら本堂までの坂道の岩壁の奇岩の写真を撮っていた。
 この奇岩で思い出したけれど確か50年くらい前に母と一緒に来て、母が橋に立って居る姿を彷彿とさせた。
 名物という娘娘(にゃあ、にゃあ)饅頭を買い、この秋三度めの養老インターで休憩して満足、満足と家に帰りついたのは21時に近かった。
 留守番電話が点滅していて、息子が寄って雨戸を閉めて行ってくれたのであろう部屋にどっかりと腰を下ろした。

   俳句   さまざまな彩に輝き山装ふ
         
メタコセイヤ続き落ち葉の極まりぬ
         茜雲残照とどめ冬近し

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独 り 居

2014-11-20 22:26:36 | Weblog

 ひとりずまいと言うものは、二、三日の内には人との交流が欲しいものである。昨日思はぬ人から電話で「尾張旭の満天星亭(どうだんてい)を知ってるか」と言って来た。
 「新聞で見て、行って見たいなと思ってたところです」と言うと
 「じゃこれから迎えにいくから」とのこと。
そう言う時の男性は待たせると怒るのは、亡くなった主人で先刻承知なので、急いでコートを来て帽子を被り外へ出ると、もう車が待って居た。
 満天星亭に着くと大勢の女性客で賑わっていた。
二四一七平米もある屋敷で市の有形文化財とのことで、通路はすべて粒ぞろいの手ごろな石で埋めつくされていた。
 私は座敷にあがると縁側近くに正座をして広いお庭を拝見した。満天星がその庭の西と東にこんもりと真っ赤な佇まいである。
 床の間や書院の置物も曰くのありそうな飛び切りな物が置かれていた。
 起伏のある庭を歩く時、つとめて平然と歩こうとする私の足許を絶えず気づかってくれるGさんの心遣いが嬉しかった。
 カメラを忘れて行ったので、携帯電話に今日を見せ場と輝く満天星を何枚か納めてきた。
 
 友好も重なり出すと重なるもので、私より一〇歳ほども若い女性のOさんが、兼ねての約束どおり今朝一〇時に迎えに来てくれて、名都美術館へ平山郁夫展を観に行った。
 彼の絵は何度も観ているが、恐れ多い芸術性を抜きにしたら、年齢が近いので親近感を覚える。らくだの絵が特に好きである。
 マリノで。スパゲティやピザやケーキのバイキングを頂いて共通のエッセイ教室の一時に間に合うように交流館へ入った。
 能戸先生が亡くなったので最近依頼した先生の緻密な添削を受けおおいに勉強になった。
 新聞は二時間かかって読むが、目が疎くなったので余り本を読まなくなったせいか万年飢餓児めいた寂しさが、この二日間で少しは癒された。

     俳句  石畳行けばどうだん輝けり

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水 晶 山 吟 行

2014-11-12 07:38:21 | Weblog

もう、一週間になるが十一月四日、句座として水晶山へ吟行をした。
 水晶山は日進市が平成三年市内唯一の都市緑地として、開園した三万六千余平方メートル程の多様な木々が植栽された東屋も庭園もある散歩コースの森である。
 此処が気に入って三年前に香久山へ越して来たと言うNさんが熱心に勧めてくれたので、吟行後に成果発表をする場所として、香久山会館の予約やKさんには弁当の手配を世話になった。
 十時半に集合すると、一行はぞろぞろと散策をし始めた。
 のっけに見知らぬ男性がよってきて、榊と非榊の違いを、宮司さんだというのに指で挿しながら聞いてきた。即座に答えられる句友が居て流石である。
 秋の小道には、どんぐりと椎の実がいっぱい落ちていて、日進にも出た熊の話になったりした。
 側の団地に住む、俳画を一緒に勉強したことのあるKさんがいつの間にか合流して来て椎の実を教えて拾ってやって呉れたりした。
 世間には何事によらず、その道の達人が居てTさんなどは、植物博士のように、あらゆる木の名を知っていて手に取り指を挿したりしながら教えてくれる。
 私も記憶にあるだけでも「かくれみの」「やぶらん」「ぎぼうし」「ひよどりじょうご」「ときわさんざし」「せいじ」「がまずみ」などを覚えた。果たして実物にマッチして言えるかどうかは自信がないが・・・
 先生のこげ茶のカーデガンの背にまるで家紋のように同色の蜥蜴の子がはリついていた。
 やがて三々五々と歩くメンバーは別れたが私は途中足の手術をしたTさんと東屋に腰をおろした。
 光と風や空、鳥の鳴き声など、あらゆるものに季節を感じ秋日和を堪能した。
 帰って会館の庭の芝生に椅子を出して皆で弁当を遣った。「吟行てこんなに楽しいものなのねー」と言う人もいた。
 一時から三時までは談笑をしながらの句会になった。
     ・稚児の髪飾りたき実やななかまど  I 
     ・臭木の実追羽根に似ていと可愛    i
     ・結界は高層団地鵙高音               T         
     ・踏み砕く団栗熊に届けたし            I

          ・木を伝ひ天へ近づく蔦紅葉          講師
 など点盛りの多い句が出た。 
 私は東屋の字を四阿とも書くと言う事を短歌も詠むtさんの句から知った。
 桜の時期に又来たいとの要望もありいろんな意味で有意義な吟行であった。
         
      俳句  街騒に一片(ひら)こぼる照紅葉

                     看板の留守番蛇は穴に入る
           しんちじりあまたつけいて枯るるらし    

 

 

 

 

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今 年 は 長 浜

2014-11-03 09:11:32 | Weblog

 名駅の集合時間に着くのが早すぎた。高島屋の十一階へ上り参省堂で「老人学」を買おうとしたら無かったので、五木寛之の「杖ことば」を買った。諺ばかり集めた、九月三十日発行の新刊書である。
 やがて琵琶観光バスが団体バス乗り場へ迎えにきたので、一年一回の顔見知りの一行と乗り合わせた。
 片倉友の会東海地区の総会が今年は「長浜ロイヤルホテル」であったのである。
 着くとすぐ会議で、此の一年の事業報告、収支報告やらが役員よりあり、繊維、医薬、機械、不動産、化粧品、小売、サービス事業など多岐に渡った現況報告が社長よりあった。
 十一月一日発売のシルクとハチミツのうるおい成分を配合した絹蜜オールインワンジェルの宣伝もあって、旧年と同じ純度の高い蜂蜜が一瓶づつ配られた。
 今年は「富岡製糸場」が世界遺産登録をされたので友の会と言えども誇らしげであった。社歌を歌って散会し六時からは宴会で旧交を温めた。
 からおけルームでは時間延長までして、賑わった。
 私の相部屋のYさんは岐阜から来た歌自慢の方で、三曲ほど唄われたが私はやっと「琵琶湖就航の歌」のみを唄った。
 部屋からの夜景も良かったが朝食のバイキングの折の窓際からの日本晴れの琵琶湖の風景は抜群であった。朝早く起きてカメラを持って歩かなかったのを後悔した。
 翌日はバスで八時にホテルを出て、長浜観光になり大河ドラマ「黒田官兵衛」で話題の長浜城に上った。
 城下町の散策はこの八月に「伊吹山」へ行った時と全く同じ所であったので、少々がっかりした。
 駐車場にホーバークラフトならぬ、今風のサイケデリックな色合いの動力部分にプロペラがついたバスが止まっていたがあれで琵琶湖に乗り入れたかったなあ。
 社長も終始同行されていたが、十二時に名駅に着いたので来年を約して故里勢とわかれた。
 地下鉄で昨日買った「杖ことば」を読みながら帰ってきた。

    俳句  追々に来るらし鴨はまだらにて
         群れ離る恋仲らしき鴨の二羽 
         秋日和縞目の湖は青色に

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