パソコンをいじりながら、テレビ放映のスタジオパークを、ちらちらと見ていると、「女性の品格」という著書を出した坂東万里子さんが、自分の子供の名前を「ときじくのかぐの香の実のとこしえにいや栄えませ花も実も具し」の古典から、かぐみとなずけたと語っていた。
子供が誕生したら、二週間以内に、戸籍法施行規則を満たし社会通念上問題の無い名前をつけて、出生届けと共に役所に届け出なければならない。一億人居れば一億人のエピソードがあり先年受付を、拒否された悪魔という名前やら、今回知った一二三(ワルツ)七音(ドレミ)と言うようなユニークな名前をつけたがる親もいる。
私は六人姉弟であるが、自分の記憶があるようになってからは、その都度父の机の上には、生まれる一ヵ月くらい前から、幾つもの名前の候補が、紙に羅列されていた。「四柱推命」を考え合わせていたのか、単に画数だけの事であったのかも知れないが,書かれた名前にはそれぞれ注釈が書き込んであった。四人姉妹上から淑、玲、経、澄と下に子がついて画数は、「経」以外は偶数である。字の持つ意味には重きを置いていたのであろう。経子と書いた奉書を貼りだした時父からうんちくを聞かされたが、私には関心の無い事であった。
自分の子供の時は長女に由美子とつけたかったが、姑に美と言う字をつけると名前負けするから、佳代子にしたらと言われ浄瑠璃や芝居じゃあるまいに[おかよ]なんてと同じ「かよ」なら、加える世代の子にしましょうと加代子とつけた。長男は夫が熱田様で命名してもらってきて、今もその和紙に書かれたものは臍の緒と一緒にしまってある。そのせいか息子は自分の子供三人共、熱田神宮で命名してもらっている。俊、法、順と平凡な字であるが①子供の幸福をねがう②物心ついた時本人が嫌わないもの③姓名判断上画数のバランスがとれているものと吉運名の理由にかなっているとみえる。
皆健在で居てくれるそれぞれの名前に私は感謝している。
俳句 * 木犀のほろほろ散りて髪飾り