おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

孫 の 結 婚 式

2016-09-24 23:46:53 | Weblog
瑞穂区のエルダンジュで孫娘Kの結婚式があったので出席した。
 三年前のこの娘の姉の時と同じ人前結婚式であった。 
 壇上で待つ背の高い花婿に純白の裾を引きずる花嫁衣裳がしっくりと良く似合うkが父親に支えられながら例の「たたたたたあーん、たたたたあーん」の曲にあわせて、親族や招待客が両側に並ぶ間を歩き手渡された。
 誓いの言葉を交わし指輪の交換をして額にキスをされると彼女の目には涙がひかっていた。嬉しかったのであろう。
 一同厳粛な面持ちであった。語学留学に行って芽生えた相思相愛のカップルである。
 先方の一行は通訳をつれて、背の高い母様はチョゴリがお似合いで御長男の子供さんは二人が民族衣装であった。
 温かい人々に見守られた式が終わると屋外の階段で皆が二人に花びらを降りかけて祝った。大広間で披露宴が始まると、彼の友達や彼女の友達がそれぞれ三十人くらいずつ席につきグラスでかちんと乾杯をした。
 花婿の上司からも祝福の言葉があり、花嫁は勤務先が保育園なので、「みよし市」の市長のメッセージを携えてきた園長先生がそれを読み上げた。
 幼い頃の写真も大写しされサプライズの花婿の歌もうまかった。
専属のカメラマンは笑顔をふりまいて周り洋風料理は間断なくゆっくりと、これでもか、これでもかと運こばれて至れりつくせりの三時間もの宴会であった。
 昨今葬儀は「家族葬」とかいって地味になったが、これからと言う若い人の集まりは派手に大きくなったなあと年寄りの僻みで私は思った。どうも私が最高齢者であったっらしい。  
 外国の人との結婚も珍しくはなくなり、今日も卓球の福原あいちゃんも台湾の人との結婚が報じられて、和服すがたで、テレビに映っていた。


    俳句  寄り添へる肩の輝き夕焼け雲
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  着  物

2016-09-14 05:39:54 | Weblog
昨日から急に涼しくなったので長袖のセーターを着て十七日にある孫のKちゃんの結婚式に着る留袖一式を出して長じゅばんの半襟を挿し始めた。
 祖母という私の立場では、鮫小紋か、色無地なのであろうが年寄りくさくて嫌である。留袖を着て娘のうしろに控えて居ろう。
 世の中派手になって今では近い親族は色留めをきるのだそうである。
大体この留袖、結婚式の制服よろしく兄弟、我が子、姪甥、仲人の時、果てはこうして孫の三人目などと事ある度に何度着たことであろうか、作る時妹と柄を選択するのに、妹がゆずらない「御所車」が良かったのだけど、そこは姉らしく、がまんをして流水に松の銀糸にしたのだけれど、結果普遍的な模様の方が末長く愛用できた。
 そうこうしていると後輩の青ちゃんが、膝の手術をしてから車の初乗りで新しく出来た「ランプ」と言う茶店に案内すると携帯電話を入れてきた。
 私は腰を彼女は膝を患った暑い夏の最中の無沙汰を詫びながら懐かしい感じの蔵構えの茶店でシェイクを飲んだ。
 私にと丈の短いコルセットを持ってきてくれ自分は退院したてなので、ゴージャスなぴかぴか光るプラスチックのような材質のブラジャーがわりの外から見えるコルセットをつけていた。
 又ねと家に帰って掛けていた留袖をたたんで、たとう紙に納め草履やハンドバックも結婚式場の控え室で娘や孫達と一緒に着付けをしてもらうべく大風呂敷に包んで用意をして置いた。


俳句   朝とくと鈴虫の鳴く厨かな

       おはぐろの墨絵のごとく川の上
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晩 年 の 中 野 さ ん

2016-09-02 13:00:49 | Weblog
日進市で中野さんといえば水琴窟の第一人者で特定非営利法人日本水琴窟フォーラムを立ち上げて海外にも赴き平成十年には竹の山の岩崎城に二器埋め込んだ庭園を完成させた人として有名な方である。NHkやCBCに居たと言われるが余生の過ごし方は人それぞれで、エッセイ教室仲間で「石火光中」を編集するのにながいつきあいであった.
飄々として居られて無口な人であったが、私が主宰する「にぎわい句座」にほいほいと入会してくださり、このお盆に九十一歳でなくなった。偉大な先輩で追悼文を書くのもおこがましいから、句集は未だであったろうと、俳句を片っ端から羅列することにした。
    平成二四年四月より
                 田植機のぬりかへてゆく村の色
                 城磁枕冷えたる曲の寝覚めかな
                 送り盆おんな妖精壷に住む
                 俳諧の秋立ち昇る水琴窟
                 なき友の写真集置く送り盆
                 野分去り鳴りつかれたる水琴窟
                 やや寒や待ちくたびれし燗の酒
                 朝いちめん露にめげずに芒立つ
                 うそ寒や地獄草紙の家族あり
                 初春や米寿傘寿の吉祥膳
                 米傘寿七草かゆの夫婦箸
                 残る世を遊の一字に春めくや
                 春めくと書いては消して朝の雨
    平成二五年四月
                 赤めばる煮付けの汁も色目あり
                 木曽の風お元気ですかふきの味噌
                 春や春ひとそれぞれの苦楽あり
                 水琴窟たっぷり生きるおらが春
                 焼き穴子手製ビールの時いたる
                 香水のかすかに匂う蛍狩り
                 こしあぶら揚げて始まる五月尽
                 子等の手に恋のホタルは光り舞ふ
                 辞書の黴はらひて黴の字を探す
                 雨安居おらが春だよ水琴窟
                 杯に飛び込む蚊あり猛暑かな
                 恋なくば恋をせよとのせみしぐれ
                 秋富士をねらう一打はバンカーへ
                 先年の鳥帽子鵜匠の綱さばき
                 散歩道そぞろ寄り添い曼珠沙華
                 秋思う父の遺せし煙草盆
                 小さき秋小さきしずく水琴窟
                 手作りの干し柿小粒種六つ
                 大ゆずを輪切り山もり夫婦風呂
                 ちゃぶ台に数の子山盛夢昭和
                 焼酎の少しこいめの二月かな
                 雪残る京マラソンに親子旅
                 雛の日や老いの二人は団子汁

     平成二六年四月
                 春愁や漱石こころよみがえり
                 野天風呂みやげたっぷり春の風邪
                 いりが池焼き団子あり花の雲
                 生と死のはざまを光る恋蛍
                 夏安居いまノクターン水禽窟
                 終戦日戦火激しき遠き国
                 乱調の台風列島いわし雲
                 帰り道こおろぎコーラス足あわせ
                 いわし雲銀座の時計つつみこみ
                 いのち燃え傘寿を迎え曼珠沙華
                 実の一つなる柿紅葉庭飾る
                 師走入りノーベル賞のオブジェかな
                 師走空どこふく風と選挙カー
                 托鉢の鉦音せわし師走かな
                 門松を探して歩く雪の朝
                 戦火止む七十回目のぞうにかな
                 節分やイスラム鬼メ豆を打つ
                 満艦飾長崎の街月冴える
                 ひな祭り今年は竹鶴一夜酒
                 床の間の亡き母偲ぶ内裏雛
     平静二七年四月
                 九条が卒寿をくれた桜道
                 九条の先行き惑う五月雨    
                 五月雨という軍艦もあり七十年
                 二百年黒き柱に夏立ちぬ
                 更衣古き作務衣を陰に干し
                 梅雨しめり音の曼荼羅水の琴
                 猛暑の夜夢はざくざくかき氷
                 満月や路地裏ひかる石の道
                 虚空より残れる柿に百舌の声
                 初めてのひ孫衣之助いわし雲

     もっともっと俳句を詠みたかったと思いますが、あちらに知人も多いことでしょう。書き上げて追悼の代わりといたします。
 
                 

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